作家・原田マハが、自著「無用の人」を自ら脚本・監督を務め映画化することが決定した。公開は2026年を予定。
©️藤井 保
2006年のデビュー以来、「楽園のカンヴァス」「暗幕のゲルニカ」など、幅広いアートの知識とキュレーターの経験を生かした作品をはじめ、多くのベストセラーを世に送り出してきた人気作家・原田マハ。映画『キネマの神様』『総理の夫』、そして今年の夏には伊藤沙莉主演の『風のマジム』が劇場公開されるなど、多くのファンを持つ原田の著作はこれまで幾度も映像化されてきた。
そんな原田が、2014年に刊行した短編集「あなたは、誰かの大切な人」に収録された一編「無用の人」を原作にオリジナル脚本を執筆、自らメガホンをとり、物語世界の映像化に挑むことが決定。原田監督からは「私の心の目が追いかけてきた映像を皆様方と共有したい。その思いを胸に、新たな挑戦を始めます。ご期待ください」とのコメントが寄せられた。
「無用の人」は、主人公・聡美が監視員として勤める美術館に届いた謎の「鍵」をきっかけに、ひと月前に孤独死した父との記憶をたどり、家族でさえ知らなかった父の晩年の姿が次第に明かされていく感動の人間ドラマ。なんの取り柄もなく、家族からも社会からも見捨てられ、ひとり静かに死んでいった父が「愛したもの」とは、一体何だったのか。優しく芳醇な言葉で綴られた父と娘の物語が、原田自身の手によってどのような映像に生まれ変わるのか。本作は2025年4月に撮影開始される。
■原田マハ(監督) コメント
「まるで映像を見ているようだった」読者の方々からよく言われます。映像を追いかけるように文章をつづる、そうやっていくつもの物語を書いてきました。そして、いつか自作を自ら映像化してみたいと心ひそかに願っていました。作家になってまもなく20年、ついにその機会が訪れました。私の心の目が追いかけてきた映像を皆様方と共有したい。その思いを胸に、新たな挑戦を始めます。ご期待ください。
『無用の人』
2026年全国公開
監督・原作・脚本:原田マハ
配給:ビターズ・エンド