女優・池田エライザの監督デビュー作で、原案も手掛けた『夏、至るころ』が、12月4日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
本作は、池田エライザが10代で東京に出た監督自身のエピソードを原案に、オリジナル・ストーリーとして脚本化し、夢をもつことが難しい現代の若者の、言葉にならない不安や葛藤、生きる力をリアルに描き出し、みずみずしい映画を誕生させた。その新人らしからぬ演出力は、全州国際映画祭、上海国際映画祭にて高く評価され、海を越えて評判が届くにつれ、日本公開を待ち望む声が高まっていた。
福岡県田川市が舞台の本作。緑あふれる故郷の山々に抱かれながら、友情を育んできた男子高校生の翔と泰我が、夏祭りを前に初めて自分の人生と向き合い、それぞれの一歩を選びとっていく。二人が打ち鳴らす和太鼓の力強いリズムや、不思議な少女、都が奏でるギターの旋律、3人が飛び込むプールの水泡、青空を突き抜ける蝉の声、町を駆け抜ける風に、音楽と映像、その編集に秀でたクリエイターとしての池田エライザの魅力が、あますところなく発揮されている。
翔を演じるのは、映画初主演となる倉悠貴。そして泰我役に全国2012人のオーディションから選ばれた今作がデビュー作となる新人・石内呂依、謎の少女・都に数々のCMで人気沸騰中のさいとうなりが扮する。そのほか、主人公の父親役に『ガチ☆星』の主演を務めた安部賢一、母親役に『マンガ肉と僕』『雪女』など、自身もプロデューサーや監督として評価の高い杉野希妃、祖父役に「万引き家族」など是枝作品常連のリリー・フランキー、祖母役に『鈴木家の嘘』『生きちゃった』など、話題作目白押しの原日出子、主人公に影響を与える教師役に、大河ドラマ「青天を衝け」で期待を集める高良健吾、ペットショップの店長役に1970年代の名曲「プカプカ」のミュージシャン・大塚まさじなど豪華俳優陣が脇を固める。
■池田エライザ(監督・原案) コメント
無邪気に夢を抱くことが、難しくなってきている昨今。時間が過ぎるたびに正体不明の焦りを感じるこのご時世を生きる若者に、深く共感しながらも、何かささやかな手助けは出来ないだろうかと考え、この作品をつくりました。私は諦めてしまっていた青春を、素敵な役者陣が見せてくれました。生まれてはじめての感情に触れた瞬間に立ち会わせてもらえたことがなによりも幸せでした。この機会に感謝しています。たくさんの方々のお力添えのもと、穏やかで希望が湧いてくる映画ができました。12月、世界がどうなっているかまだ想定はつきませんが、皆様にお届けできる日が楽しみです。
『夏、至るころ』
12月4日(金)より、渋谷ホワイトシネクイント、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13ほか全国順次ロードショー
監督・原案:池田エライザ
プロデューサー:三谷一夫
脚本:下田悠子
音楽:西山宏幸
出演:倉悠貴 石内呂依 さいとうなり 安部賢一 杉野希妃 大塚まさじ 高良健吾 リリー・フランキー 原日出子
配給:キネマ旬報DD 映画24区
【ストーリー】 翔(倉悠貴)と泰我(石内呂依)は同じ学校に通う高校3年生。子どもの頃からの親友で、ずっと一緒に和太鼓の訓練をしてきた。だが夏祭りを前にしたある日、泰我が受験勉強に専念するため太鼓を辞めると言い出す。それを聞いた翔は愕然としてしまう。自分は何がしたいのか、どうしたらいいのか分からない。そんな翔の前にギターを背負った少女、都(さいとうなり)が現れる…。
©︎2020「夏、至るころ」製作委員会