『ゲルマニウムの夜』、『さよなら渓谷』など国内外で高く評価されてきた大森立嗣監督が、およそ15年温めてきた自身の脚本によるオリジナル最新作で、YOSHIが主演、菅田将暉、仲野太賀が共演を務める映画『タロウのバカ』が、9月6日より公開される。このほど、本作の予告編と本ポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、一度も学校に行ったことがない少年タロウの物語。自由に生きるタロウは、年上の少年エージとスギオと出会い、初めて“世界”を知ることになる。

予告編には、タロウ（YOSHI）、エージ（菅田将暉）、スギオ（仲野太賀）の3人が、10代という一瞬にも永遠にも感じる特殊な時間をもがきながら疾走する姿が映し出されている。

一度も学校に行ったことがないタロウの母親・恵子（豊田エリー）は滅多に自宅に帰ってこないため、いつもひとりぼっちのタロウは川沿いの町を野生動物のようにうろつく。そんなタロウに高校生のエージとスギオという仲間ができて、タロウの人生が動き始める。エージは、柔道のスポーツ推薦で今の高校に進学したが、膝を壊して周囲の期待を裏切り、将来のことがどうでもよくなり自暴自棄になっていく。ごく普通の中流家庭で育ったスギオは、同級生の洋子（植田紗々）に一方的に想いを寄せるが、彼女から相手にされず、自身のふがいなさにも苛立ち、もがく。ネットで出会った男たちに体を売る洋子に対して「売りなんかやめろよ！」と怒声を浴びせる場面も。そんな、社会からはじきだされた3人は、偶然にも一丁の拳銃を手に入れたことをきっかけに、それまで目を背けていた厳しい現実と向き合うことになる。しかし、どんなに過酷な試練が待ち受けても、3人でいる時だけは笑顔でいられ、心が解放され、自由でいることができた。映像に流れるパワフルで異様な楽曲は、音楽家・大友良英がインドの弦楽器シタールで演奏した劇伴である。

本ポスタービジュアルは、第1弾ビジュアルから覆面を外した3人の姿が写し出されている。タロウの手にはピストル、エージは金属棒を振り上げていて、ただならぬ緊張感と何かが起こりそうな空気感をまとう。キャッチコピーは、予告編のラストにも提示された「3人が世界のすべてだった。」。

『タロウのバカ』
9月6日（金）テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本・編集：大森立嗣
音楽：大友良英
出演：YOSHI　菅田将暉　仲野太賀　奥野瑛太　植田紗々　豊田エリー　國村隼
配給：東京テアトル

【ストーリー】　主人公の少年タロウ（YOSHI）には名前がない。戸籍すらなく、一度も学校に通ったことがない。そんな“何者でもない”タロウには、エージ（菅田将暉）、スギオ（仲野太賀）という高校生の仲間がいる。エージ、スギオはそれぞれやるせない悩みを抱えているが、なぜかタロウとつるんでいるときは心を解き放たれる。大きな川が流れ、頭上を高速道路が走り、空虚なほどだだっ広い町を、3人はあてどなく走り回り、その奔放な日々に自由を感じている。しかし、偶然にも一丁の拳銃を手に入れたことをきっかけに、彼らはそれまで目を背けていた過酷な現実に向き合うこととなる…。

(c)2019 映画「タロウのバカ」製作委員会