『オール・アバウト・マイ・マザー』『私が、生きる肌』のペドロ・アルモドバル監督が得意の母娘をテーマに撮った『ジュリエッタ』。時にド変態っぷりを発揮して観る者の度肝を抜くアルモドバルだが、今回はいつも通りのサスペンス風味を漂わせながらも、ド直球の人間ドラマになっているもよう。しかし、その豊かな色彩と鮮烈な映像はやっぱりアルモドバルだった!
“Un film de Almodóvar”が流れる瞬間にいつもワクワクがぶわぁ〜っと頂点に達する!
ジュリエッタ、1カット1カットどれも美し過ぎる。今回はクレイジーさが抑えられている作品。「もう、ホント天才・・・」と敬服し続けられる作品。余韻の素晴らしさも、さすがアルモドバル。
母と娘の物語というよりも人の死に責任を感じてしまう人間の性に胸が締め付けられた。今までのアルモドバル作品と比べると衝撃度は低いけれど巧みなストーリーだった。
「ジュリエッタ」情弱なので新ピカのサイトで初めて映画の存在を知って「ポスターがアルモドバルっぽい」くらいの状態で観ることができました。勝ちました。ド傑作やないか。奇抜さはさほど飛ばしてないですが超スリリングで1秒も目が離せないかんじになっております
衣装といい内装といいアルモドバルらしい艶やかな色彩に酔う暇もない程に、どうしようもない母と娘のすれ違いの物語に吸い込まれた。分かりやすい心情を描くがサスペンスの様な味わいは一環した不穏な劇伴によるものだろう。
まさにアルモドバル監督による「女とは、母とは、娘とは」。親知らず子知らず。そして生命のエネルギーたるや。親子は親友なんかじゃないって真っ向から日本の友達親子やってる女全てにキッツイ刃物ぶん投げて来る感凄い。素晴らしい、アルモドバル監督愛してるわ!
『ジュリエッタ』
2016年11月5日公開
監督:ペドロ・アルモドバル 出演:エマ・スアレス アドリアーナ・ウガルテ ダニエル・グラオ インマ・クエスタ