卒業旅行シーズン! 危険と隣り合わせのひとり旅映画3選

2月と3月は卒業旅行シーズン。学生さんのほとんどは、友達みんなで海外旅行に行って、TwitterやFacebookやInstagramで連日楽しげな様子をアップしていることでしょう。が! 一方で、そんな喧噪をニガニガしく思う人や、緊張の社会人生活がスタートするまでの間、「ちょっとひとりになりたい……」なんて人もいるかもしれません。そこでオススメしたいのが“ひとり旅”。ただしひとり旅は、団体旅行と比べてちょっと心構えが必要。そこでムビッチでは、危険と隣り合わせのひとり旅を描いた映画3本を選んでみました!

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『ロスト・バケーション』

休暇を利用して秘境でサーフィンを楽しむ医学生ナンシーが、凶暴な人食いザメに襲われる一部始終を描いたサバイバル。沖合から100メートルにある岩場に取り残されたナンシーは必死に助けを呼ぶも、そこはなんてったって秘密のビ−チ。叫び声は澄み切った青空にむなしく吸い込まれるだけ。そう、この映画が『キャスト・アウェイ』や『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』といった海上サバイバルものと違うのは、“岸はすぐそこなのに、誰も気づいてくれない”という圧倒的な絶望感なのです。前半、スタイル抜群なブレイク・ライブリーの太ももがサメの牙でザックリやられる場面は、美脚フェチの皆様にとっては悶絶必至の瞬間! そんな痛手を負いながらも、医学の知識を活かしピアスやペンダントで傷を縫合するナンシーは、単なるセクシーな女サーファーではなく、もはや超人。ナンパなんてできそうもありません。

『127時間』

『ロスト・バケーション』が孤立無援なサバイバルの“海”編なら、“山”編はジェームズ・フランコ主演の『127時間』。ユタ州でロッククライミングの最中、誰も通りそうにない谷間に落下し身動きの取れなくなった男アーロンが、自力で生還するまでの127時間を描きます。行き先を誰にも告げず、持ち物は懐中電灯のおまけの万能ナイフのみ。冒険家としてのスリルや刺激を求めたアーロンですが、その分、代償もデカかった! 谷底でひとり「もし豪雨が降っていたら」「さっきすれ違ったイケてる女の子たちとパーティに行っていれば」とタラレバ妄想するも、時すでに遅し。結果として、アーロンはある大きなものを失うことになります。しかもこれ、実話だというから驚きです。ひとり旅に出るなら、せめて行き先ぐらいは必ず伝えて出発しましょう。

『イントゥ・ザ・ワイルド』

「旅映画ランキング」で必ず上位にランクインするのが『イントゥ・ザ・ワイルド』。何不自由なく育ってきた裕福な青年クリスが、約束された地位を捨て、完全に孤独な状況下で自分と向き合うためにアラスカを目指すロードームービーです。出発にあたり、IDを捨て“アレックス”となり、所持金も全部燃やしてしまう。“自分探し”への本気度がうかがえます。ヒッチハイクで移動し、廃車に寝泊まりし、自給自足のためにヘラジカをさばく———。旅先での幸福な出会いに後ろ髪を引かれながらもアラスカへ行くことに執拗にこだわり、最後は、飢えた熊すらも避けていくほどに衰弱しきったアレックス。物は豊かに揃うも人間関係はわずらわしい現代社会を生きるか、それとも危険を冒してでも究極の自由を選ぶか。アレックスの強烈な生き様を通して、自分の人生観を考えさせられる一本です。(平井万里子)