【ご当地映画】兼六園だけじゃないわいや!石川県を舞台とした映画&アニメ5選!

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こんにちは。石川県金沢市出身の金沢育ちの向井祥平と申します。「金沢は知っているけど、石川県ってどこ?」と言われがちな県、それが石川県。最近は北陸新幹線が通ったり、NHK朝の連続テレビ小説「まれ」の影響もあり、とても賑やかになりました。
他にも日本一の宿に輝いた加賀屋や、現代アート最高峰の金沢21世紀美術館もあります。
なにより忍者寺と呼ばれる妙立寺! 行ったことない人はぜひ行ってみてください。落とし穴や隠し扉など、数多くの仕掛けを体感できます。
そんな“京都にはなれないけど魅力たっぷりの小京都”石川県からは良い映画が数々生まれています。

『黒い家』

第4回日本ホラー小説大賞に輝いた貴志祐介の小説を森田芳光監督が映画化。保険金殺人がテーマのホラーサスペンスです。
一癖も二癖もある登場人物が不穏な空気を漂わせ、ジワジワと恐怖心を煽られていきます。そして観終わった後、この世で本当に怖いものは、幽霊やゾンビなんかではなく、欲にまみれた人間なのだと思い知らされます。独特なカメラワークの演出により、小説とはまた違う恐怖を感じることができます。
2007年には韓国でもリメイクされました。
金沢市民なら一回は乗ったことがあるだろう北陸鉄道浅野川線(浅電)も登場します。この電車に乗って今はなきルネスかなざわへ遊びに行った思い出があります。温泉付きのレジャーランドとして、人気を博しました。また「百万石まつり」など、金沢に住んでいた人であれば馴染みのある場所がいくつも登場するので、映画ファンのみならず、地元民の方もきっと楽しめるでしょう。

『武士の家計簿』

加賀藩の下級藩士であり、そろばん片手に御算用者を勤めた猪山家の二世代にわたる生涯を描いた話です。そろばん……今の10代は見たことがない人もいるのではないのでしょうか。主人公がそろばんをはじく音が、ノスタルジックな気分にさせられます。
監督は『黒い家』と同じく森田芳光監督。主演は堺雅人で、仲間由紀恵、中村雅俊、西村雅彦など実力派俳優が脇をかためました。
ロケ地は金沢城公園などの観光地が多く使われていますが、その一方で、観光地だけでなく、浅野川で加賀友禅を染めているシーンなど、昔の金沢の暮らしが垣間見える描写もあります。
興味があれば、武士シリーズの続編『武士の献立』もぜひ。こちらも刀をもたない武士の生涯を味わえます。

『リトル・マエストラ』

舞台は石川県にある小さな港町、福浦。解散の危機に瀕したアマチュアオーケストラを再生させるために、有村架純扮する天才指揮者と勘違いされた女子高生が奮闘する青春映画。映画のシンボルとなっているのは、日本最古の木造灯台、旧福浦灯台です。
敷居の高いイメージをもたれがちなオーケストラやクラシックも、本作ではとても身近に感じることができます。
オーケストラのメンバーは、高校生や地元の漁師たち。年齢も境遇も関係なく集まった人たちが一つになる……そんな田舎ならではの光景に、とても心動かされます。
続編ではありませんが、同じ雑賀俊郎監督の『カノン』(2016)も金沢と富山、東京が舞台。DVD化を楽しみに待ちましょう。

『ゼロの焦点』

松本清張の長編推理小説『ゼロの焦点』を野村芳太郎監督が映画化。
結婚直後に出張先の金沢で失踪した夫の行方を追うヒロインが真実を追う姿を、敗戦後の日本の闇と絡めて描くサスペンス。
日照時間が少ない北陸地方独特の暗さを味わうことができる映画です。1960年代当時の金沢駅や羽咋駅などは、地元住民の僕にとっても新鮮な光景でした。
次々に新事実が明らかとなり、つい惹きこまれてしまうストーリーテリングは「昔の映画だから」と敬遠する方にこそ観ていただきたい一作。

『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』

SF学園モノや働く女の子シリーズで知られる富山の制作会社、P.A.WORKSが手がけたアニメーション。石川県の温泉旅館に住み込みで働く女の子たちが、努力と情熱で突き進む姿を通して、仕事とは何かを考えさせられます。観た後は、ぜひ聖地巡礼をオススメします! 湯涌温泉は、白鷺の湯の愛称で、なめらかな肌触りのお湯が特徴です。秋には「花咲くいろは」から生まれた「湯涌ぼんぼり祭り」も開催されており、賑わいを見せております。
旅館に泊まり、温泉に浸かって、おいしいごはんを食べて……
そこで働く人々を見たら、明日への活力がもらえるはずです(向井祥平)。