【年末大掃除】掃除のモチベーションを上げたい時に観たい3つの映画

e890579c98fe737caad867f0c653f23f_s

年末の大掃除。風呂やトイレや台所、部屋の窓ガラス、雨ざらしの網戸、油で汚れた換気扇、埃まみれのエアコンやカビだらけの洗濯機……。思いつくだけでも綺麗にしたい場所は限りない。「まずはお掃除グッズを揃えよう!」と買い物リストを作り、100均で重曹やスキマブラシを買い漁るも、それだけでモチベーションを使い切ってしまい、封を開けることもなく部屋の片隅に便利グッズのゴミ山を築き上げているアナタ。どんな便利グッズがあっても、これでは意味がない。そこで今回は、地の底まで落ちてしまった掃除のモチベーションを、心地よいそよ風に乗せてモチ上げてくれるような3つの映画をご紹介。「今年こそは家を綺麗にする!」と意気込むあなたも、「大掃除はしない」と居直るアナタも、まずは一読あれ。

『かもめ食堂』

群ようこ原作小説を『バーバー吉野』の荻上直子監督が映画化した人間ドラマ。フィンランドの首都ヘルシンキの街角でオープンした小さな日本食堂を舞台に、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ演じる日本人女性たちのゆったりとした日常が綴られる。明るく清潔感があふれる食堂のキッチンには、丁寧に乾拭きされた食器が並び、棚にはピカピカの銀の鍋がズラリ。壁にはフライ返しや泡立て器が絶妙の間隔で吊るされ、ホールにはしっかりと手入れされたシンプルなテーブルとイスが並べられている。この食堂には、ホコリやゴミといった生活感が一切ない。あるのは“非日常”。これだけ清潔感のある“非日常”を目の当たりにすると、人間とは不思議なもので、今まで気にも留めなかったガス台の油シミや、シンクの三角コーナーにへばりついた野菜のカス、テーブルについた丸いコーヒーカップの跡が気になって仕方がなくなってくる。本作はそんな「掃除のやる気に火をつける」最適の映画。年末、ザワついた心を穏やかにするのにもイイ作品です。

『マッチスティック・メン』

ニコラス・ケイジ主演×リドリー・スコット監督によるヒューマンコメディ。ある日、詐欺師ロイの前に14歳の少女が現われる。少女は離婚した妻との間に生まれた実娘で、ひょんなことから一緒に暮らすことになるのだが……。ニコケイ演じるロイは極度の潔癖症で、汚いものを見ると発作が起こるほど。自宅の土足禁止はもちろん、皿を汚したくないのでツナ缶はそのまま食べ、空いた缶はジッパー付きの袋に入れてゴミ箱へ。庭のプールに落ちた枯れ葉一枚も網ですくい捨て、カーペットの毛玉ひとつだって許せない。そんな彼が、物語の序盤で部屋を大掃除するのだが、これが爽快! 軽快なBGMにのってベランダの巨大な窓を拭き、カウンターチェアは脚の部分も雑巾がけ、カーペットはベッドの下まで念入りに掃除機をかける。ガラス製のローテーブルはゴーグルとマスクを付けてテーブルの下にもぐりこみ、あおむけに寝転んで下から布で擦る! 掃除がしにくそうなドアノブも歯ブラシでゴシゴシする徹底ぶりだ。すっかり片付いた部屋の一角で、満足げのロイが煙草をプカリとふかす恍惚の表情は、きっとあなたの「掃除したい度」をMAX状態にしてくれる。掃除が終わったら爽快な詐欺テクニックと、アっと驚くラストも堪能してね。

『365日のシンプルライフ』

フィンランド人の若者が、失恋をきっかけにして自分の持ちモノすべてをリセットして行なった365日の実験ドキュメンタリー。ルールは4つ。

①持ちモノすべてを倉庫に預ける
②1日1個だけ倉庫からモノを出す
③1年間、続ける
④1年間、何も買わない。

ルールに従って生活し、モノとは何か?という疑問に襲われる主人公を見ていると、自分の家の片隅で眠っているほぼ未使用なモノたちが頭をよぎる。使いこなせなかったフードプロセッサー、何かと面倒くさくて使ってないコーヒーメーカー、押し入れで予備布団の文鎮と化している布団乾燥機……。最近買ったモノで本当に必要なモノがないことに気が付いた時、人は本気でメルカリを始める。物欲が止まらない人、家がモノであふれかえっている人、片づけられない人にぜひ観てほしい、暮らしのヒントが詰まった優良ドキュメンタリー!