【独女映画】共感しすぎて痛ッ! 独身ダメ女映画4選

クリスマスも近づき人肌恋しいこの季節……。心の底冷えがハンパない全国独身婦女子連合会の皆様、いかがお過ごしでしょうか。わたくし、頼まれてもないのに独女会富山支部・支部長を買って出ましたピストン藤井と申します。「さ、寂しくなんかないもん!」と引きつった笑みを浮かべつつ、一人焼肉に一人回転寿司、一人ディズニーに一人黒ひげ危機一髪、一人黒部ダム一人ホタルイカ漁……。孤独を越えて一人遊びに興じてきたアナタの気持ち、痛いほど分かります。今回はそんなささくれだった独女の皆様の悲しみを癒す映画……ではなく、傷口に無理やり伯方の塩を塗る荒療治的な「ダメ女映画」をお届け。ゴミだらけの部屋で、ゴムゆるゆるのパンツをはき、菓子をむさぼり食うダメ女たちは私でありアナタだ! ぎゃー!

『ブリジット・ジョーンズの日記』

華奢なレニー・ゼルウィガーが13キロも増量し、だらしないボディのヒロインを演じた元祖「ダメ女映画」。ロンドン在住の32歳、デカ尻、脂肪過多のブリジットが、タバコぷかぷか、テキーラがぶがぶの独身生活を謳歌しつつも、モテ男の上司と堅物弁護士と恋の三角関係を繰り広げる。知性と教養はないが、えげつない下ネタと辛辣なジョークは山ほど兼ね備えたブリジットの口癖は「ファ●ク!」。下品と言えばそれまでだが、周囲の憐みの視線を自虐的ユーモアでかわし、デカパンか勝負パンツかの二択に苦悩し、仕事の無茶ブリに奔走する彼女はありのままの自分を生きている。だからこそチャーミング。絶賛公開中のシリーズ最新作ではついにブリジットが母になる!?

『ヤング≒アダルト』

オスカー女優シャーリーズ・セロンが、美貌をドブに捨ててイタイ女を熱演するブラック・コメディ。都会に暮らすゴーストライターのアラフォーが、子供が生まれた元カレを略奪すべく田舎で波乱を巻き起こす。スクールカーストの頂点に君臨していた主人公メイビスは、37歳になった今も「永遠の18歳」。キティちゃんのTシャツを着てドヤ顔で故郷に戻るが、同級生たちは家庭を持ち幸せな生活を送っている。それでも「私の方が美人だし!」「イケてるし!」という病的なまでの自信で、全くなびかない元カレにヤケクソで色仕掛けしまくる。「高校のクイーン」という過去の栄光を求めて大暴走!「こじらせ中年女」という現実に激突して大炎上! その勘違いだらけの迷走ぶりに涙。

『嫌われ松子の一生』

とことん悲劇に見舞われる薄幸女・松子の「これでもか!」な転落人生を、鬼才・中島哲也が毒々しくもファンタスティックに描く衝撃作。ことごとくダメ男ばかりを引き寄せ、わんこ蕎麦よろしく一方的に愛を注ぎ続ける松子を中谷美紀が怪演する。「殴られても殺されても、一人ぼっちよりはマシ」という切実さゆえに、小説家志望の男、ヒモ、DV男、ヤクザといったポンコツに振り回され、教師からソープ嬢、極道の女へと身を落とす松子。ゴミ屋敷に暮らす醜い中年となった彼女の末路は残酷だが、それでも孤独と不安から解かれたラストは静かな希望を呼ぶ。「こんな女にはなるまい」と反面教師として見るもヨシ、共感して嗚咽するもヨシ。とにかく強烈で鮮烈な一作。

『百円の恋』

撮影期間わずか2週間で驚異的な肉体改造に挑んだ安藤サクラが、ボクシングに再起をかけるアラサーを体当たりで演じる傑作青春ドラマ。実家に引きこもる32歳・独身無職の一子が、自立を迫られ渋々100均でバイトを開始。そこでボクサーの狩野と出会い、運命が切り拓かれていく。物語の前半の一子はゲームをしつつ丸まった背中をボリボリと掻き、ヨレヨレのTシャツを着て面倒臭そうにチャリをこぐ非モテ女。自分を見るかのように激しく不快です。しかし後半からは恋とボクシングに覚醒し、嘘のように引き締まった肉体と俊敏な動きを手に入れる。たとえ百円のようにチープな愛と希望でも、それを勝ち取るべくリングにあがる一子。ダメ女のヒリヒリとした逆襲は必見!(ピストン藤井