桜井ユキが毎熊克哉にキス指導!?井樫彩初長編監督作品『真っ赤な星』初日舞台挨拶レポート

前作『溶ける』が第70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオンに正式出品されるなど、国内外で注目を集めている22歳の新鋭・井樫彩による初長編作品『真っ赤な星』が12月1日に公開初日を迎え、同日、テアトル新宿にて初日舞台挨拶が行われ、W主演の小松未来と桜井ユキ、そして出演者の毎熊克哉、大原由暉、小林竜樹、井樫彩監督が登壇した。

▲左より大原、小林、小松、桜井、毎熊、井樫監督

公開初日を迎えたキャスト陣は「撮影中にはいろいろなことがあったけど、完成した今は嬉しい気持ちでいっぱいです」(小松)、「これまでキャストやスタッフのみで共有していた『真っ赤な星』の思いが、今日から見てくださる方々のものになり、変化していくのだろうなと思っています。それが本当に楽しみ」(桜井)、「井樫監督にとっては、今日が一生に一度の長編デビュー初日。僕もドキドキしています。この作品は上手に作った映画ではなく、不器用ながらもみんなで魂を削った映画。そういう映画に自分が関われたことを嬉しく思う」(毎熊)とそれぞれの心境を語った。

撮影で大変だったシーンを聞かれた桜井は、「初日に撮影した冒頭の病院のシーン。作品の雰囲気を決める最初の場面でもあるので、時間をかけて構築していきました」とコメント。一方、毎熊は「撮影から1年、ずっとネタにされ続けているんですが…」と切り出し、車中での桜井との情熱的なキスシーンの舞台裏を述懐。「テストのとき、ほっぺにチュッとしたら、全員から『毎熊さん!そういうチューじゃないです!』と突っ込まれ、桜井さんからは『ちょっと外に出て、思いきりチューしてみる?』と言われました」と苦笑い。男前な一面が判明した桜井は「横から“小鳥のようなキス”をされまして(笑)。え、もう終わり?と。物足りないキスでした」とぶっちゃけ、井樫監督も「桜井さんが毎熊さんに『私のこと、もっと好きになってよ!』と言ってました(笑)」と明かしていた。

最後に「私は映画を観て救われることがあります。この作品における、幼い陽と大人の弥生は、昔の私と今の私のようなもの。ラストで陽が弥生を抱きしめた瞬間、今の自分が救われたような気がしました」と井樫監督。続けて「『真っ赤な星』は私の21年間の人生を注ぎ込んだ作品。突飛な描写もありますが、誰かを好きになったり、それでも気持ちが届かず切なくなったりといった普遍的なテーマを描きました。これからみなさんの中でどのような解釈が生まれるのかが楽しみです」と締めくくった。

『真っ赤な星』
12月1日(土)よりテアトル新宿ほか全国順次公開
監督・脚本:井樫彩
出演:小松未来 桜井ユキ 毎熊克哉 大原由暉 小林竜樹 菊沢将憲 西山真来 湯舟すぴか 山谷武志 若林瑠海 大重わたる(夜ふかしの会) 久保山智夏 高田彩花 長野こうへい 中田クルミ(声の出演) PANTA(頭脳警察)
配給:映画「真っ赤な星」製作委員会

【ストーリー】 片田舎の病院に怪我をして入院した14歳の陽(小松未来)。彼女はいつも優しく接してくれていた看護師の弥生(桜井ユキ)に対し、特別な感情を抱き始めていた。だが退院の日、弥生が突然看護師を辞めたことを知る。1年後、陽は買い物の帰り道で偶然弥生と再会する。そこにいたのは、過去の優しい面影はなく、男たちに身体を売ることで生計を立てている弥生だった。再会後、学校にも家にも居場所がない陽は、吸い寄せられるように弥生に近づく。一方、弥生には誰にも言えない悲しい過去があった。満たされない現実を冷めた目で見つめ、互いに孤独を抱えるふたりは、弥生のアパートで心の空白を埋める生活を始めていく―。

©「真っ赤な星」製作委員会