稲垣吾郎「愛がむき出しになった僕を楽しんで」映画『ばるぼら』製作発表会レポート

手塚治虫の禁断のアダルトマンガを初映画化した『ばるぼら』が2019年に全国公開することが決定。このほど、11月20日に帝国ホテルにて製作発表会が行なわれ、キャストの稲垣吾郎、二階堂ふみ、手塚眞監督が登壇した。

本作は、禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した問題作。その独特な世界感から”映画化不可能”と言われた本作が、とうとう手塚治虫生誕90周年を記念し初映像化される。監督は手塚治虫の実子であり『白痴』(ヴェネチア国際映画祭、デジタルアワード受賞)『ブラックキス』(東京国際映画祭)など独特の映画美学により国際的に評価される手塚眞。撮影監督にはウォン・カーウァイ監督作品等の映像美で知られる鬼才・クリストファー・ドイル。稲垣吾郎が異常性欲に悩まされている売れっ子耽美派小説家を、自堕落な性格のフーテン女を二階堂ふみが演じる。

父親の原作を実写映画化するのは初めてという手塚は「特別に思入れのある作品に、稲垣さんと二階堂さんに参加いただきまして、とてもスペシャルな映画になっている」と自信のコメント。なぜ今『ばるぼら』なのかについては、「子供の頃から大人の漫画を読んでいた、いけない子供でした。思入れのある作品ということと、今まで自分が監督として表現してきたことと、父親の作品に接点を感じてこの作品を選ばせてもらった」と説明した。

子供の頃から手塚作品に慣れ親しんできたという稲垣は「以前、舞台で『七色いんこ』をやらせていただいたり、手塚作品で育ってきたようなものなので光栄。その中でも『ばるぼら』のような作品に出演させていただき、自分にとっても新しい挑戦だと思いました」とコメント。続けて「今のタイミングじゃないと、演じられない役。すごく感慨深いものがあった。愛がむき出しになった僕を、皆さんに楽しんでいただけるのではないかと思います(笑)」と笑顔を見せた。

幼少のころに父親の影響で、手塚作品に触れたという二階堂。「『アトム』はすごくポップで、ワクワクして読んだんですけど、『火の鳥』とか『ばるぼら』は難しいというか、宇宙のことを考え出すと怖くなるというか。どちらの手塚先生のが本当なのか知りたくて」本作の参加を決めたという。現場ではスタッフと「『これは黒い部分の手塚先生だよね』と話をしていて、皆んなで考えながら答えを探している感覚でした」と答えた。

2人をキャスティングした理由について、手塚は「2人といつか仕事がしたいと思っていました。そのためには、2人に一番合った役が良いと思っていたんですけど、今回がピッタリ」だと考え、思い切ってオファーしたという。

稲垣は初共演となった二階堂について、「初めて二階堂さんをスクリーンで見たときは、衝撃が走りました。いつかご一緒させていただきたい女優さんだった」とコメント。「今日はビックリするくらい二階堂さんなんですけど、現場では役柄としてしか接していなかったので…。本当に夢だったのかな?と思わせてくれるような方。もう、ばるぼらに会えないのかという寂しさもある」と現場を振り返った。

稲垣のことは「物心ついた時から、テレビで見ていた」という二階堂。「稲垣さんは文学を感じさせる方。難しい本を手に取った時のような感覚で、知りたいと思うし、そこにまだ自分が追いつけてない、未熟さを感じさせられるような方。すごく勉強になりましたし、ばるぼらを演じていると、自分の中に眠っているばるぼらを起こされるような方でした」と語っていた。

なお、イベントでは予告編と海外版キービジュアルも初公開されていた。

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『ばるぼら』
2019年全国公開
監督:手塚眞
原作:手塚治虫
撮影監督:クリストファー・ドイル
出演:稲垣吾郎 二階堂ふみ