黒木華、野村周平、三島有紀子監督が地元・関西へ凱旋!『ビブリア古書堂の事件手帖』大阪舞台挨拶 レポート

シリーズ累計680万部を突破した、三上延による同名ベストセラーの映画化となる『ビブリア古書堂の事件手帖』が11月1日に公開となる。このほど、10月10日にTOHOシネマズ なんばにて本作の舞台挨拶が行われ、キャストの黒木華、野村周平、三島有紀子監督が登壇した。

大阪出身の黒木華、三島有紀子監督、神戸出身の野村周平の3人が舞台に登場すると、ゲスト登壇前のお客さんの豹変ぶりにMCが驚くほどの歓声。地元関西での温かい歓迎ムードの中、舞台挨拶は始まった。そんな観客に黒木は「自分の地元で、こんなにも沢山の方に囲まれながら、ご挨拶ができることを本当にうれしく思います」と答え、野村も「地元に近い大阪で、舞台挨拶が出来て嬉しい限りでございます」と二人とも関西弁のイントネーション全開で喜びを伝えた。そして監督に挨拶が回ってくると、客席にサプライズで「三島有紀子監督万歳!!」の文字パネルを掲げる人々が。そのパネルを目を細めるような仕草で眺め、「三島有紀子、早く結婚しろ!?」とわざと読み違える野村に笑いが起こるものの、そんな野村を三島監督はスルーし「こんな風に、友人や地元の方に観て頂けることが、本当に今、幸せだなぁと実感しています」と感慨深げに挨拶した。

MCが舞台挨拶に登壇する全員が関西人というのは珍しいことを伝えると、「僕だけ神戸なので、ちょっと一人だけ上品ですみません」とおどける野村に対し、黒木、監督が突っ込みを入れ、話が脱線しかけると、「映画の話に戻しましょうよ!」と軌道修正も忘れない野村。初共演である二人は、お互いの印象について、黒木は「ご一緒する前は、結構がつがつ来る方かと思っていましたが、実際お会いしてみると、空気を読みながら気を遣える方」、野村は「僕みたいなタイプは絶対嫌いやと思っていたけど、すごく優しい方で、笑顔でどんな話でも聞いてくれて、まさにそこに栞子さんがいるようだった」と、今回の映画で黒木が演じる、極度の人見知りで物静かで華麗な主人公・栞子になぞらえた。また監督が「二人があまりにも仲が良く楽しそうだったので、珍しく(演者と)飲みに行きました」と話すと、野村が「でもそんな3人の中に、成田凌という邪魔者が入ってくるんですよ。俺らの間に急に!」と悔しそうなそぶりを見せると、黒木、監督の女性陣が口をそろえて、「(成田さんが)一番人気やねんな!」とおどけ、野村が焦る一幕も見られた。

また、ひとたび本を手にすると唇からとめどなく知識が溢れ出す栞子の髪を耳にかける仕草は、黒木がクランクイン前の本読みの際に恥ずかしそうにしていた癖を、監督が役柄に取り入れたというエピソードも披露。加えて、過去の体験がきっかけで活字恐怖症になった、野村演じる大輔のキャスティングに関しては、監督が野村に会った際に「どんな本を読むの」と尋ねた時に、野村が「読まない」と答えたため、「丁度いいと思った」と笑いを誘いつつも、野村の真っ直ぐで素直な性格が、監督が考える大輔という人物に通じたことが、野村に演じて貰った理由だと付け加えた。また、「黒木さんは本を読む姿がとても美しくて、活字の良さを伝えるのはとても難しいのですが、黒木さんがこの声で読むことによって、音符が見えるように美しい言葉が心に届くんです」と黒木を絶賛した。

最後は、野村が「素晴らしい照明、素晴らしいアングル、素晴らしい役者、完璧にそろっている」と作品に対する自信をのぞかせ、黒木は「原作が好きな方も、原作を読まれてない方も楽しんでいただける作品。鎌倉の風や、古本の匂いを感じながら観ていただけると嬉しいです」と、今から映画を観る観客にメッセージを伝え、監督は「黒木華さん、野村周平さん、東出昌大さん、夏帆さん、成田凌さん、このキャスト達と一緒に一つの映画を作れたことは、私の中で宝物のような時間でした」と、地元関西での舞台挨拶を感動的に締めくくった。

『ビブリア古書堂の事件手帖』
11月1日(木)全国ロードショー
監督:三島有紀子
原作:三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
脚本:渡部亮平 松井香奈
主題歌:サザンオールスターズ「北鎌倉の思い出」
出演:黒木華 野村周平 成田凌 東出昌大 夏帆
配給:20世紀フォックス映画、KADOKAWA

【ストーリー】 鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」。過去の出来事から本が読めなくなった五浦大輔(野村周平)がその店に現れたのには、理由があった。亡き祖母の遺品の中から出てきた、夏目漱石の「それから」に記された著者のサインの真偽を確かめるためだ。磁器のように滑らかな肌と涼やかな瞳が美しい若き店主の篠川栞子(黒木華)は極度の人見知りだったが、ひとたび本を手にすると、その可憐な唇からとめどなく知識が溢れだす。さらに彼女は、優れた洞察力と驚くべき推理力を秘めていた。栞子はたちどころにサインの謎を解き明かし、この本には祖母が死ぬまで守った秘密が隠されていると指摘する。それが縁となって古書堂で働き始めた大輔に、栞子は太宰治の「晩年」の希少本をめぐって、謎の人物から脅迫されていると打ち明ける。力を合わせてその正体を探り始めた二人は、やがて知るのであった。漱石と太宰の二冊の本に隠された秘密が、大輔の人生を変える一つの真実につながっていることを―。

© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会