趣里、関根光才監督がレインダンス国際映画祭レッドカーペットに登場!『生きてるだけで、愛。』

「異類婚姻譚」で第154回芥川賞を受賞した本谷有希子による芥川賞・三島賞候補となった同名小説を、趣里主演で映画化した『生きてるだけで、愛。』が11月9日より公開となる。このほど、本作は9月26日(現地時間)に開催された第26回レインダンス国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、10月2日(現地時間)に主演の趣里と関根光才監督がレッド―カーペットに登場し、その後行われたワールドプレミアとなる公式上映に観客と共に映画を鑑賞、上映後に行われたQ&A(質疑応答)に参加した。

映画祭のメイン会場となるVue Cinema London(ビュー・シネマ・ロンドン)のレッドカーペットに登場した趣里と関根光才監督。趣里は「TOGA」の紫のワンピースと「JiL Sander」の靴を着用し、颯爽とレットカーペットを歩いた。

レッドカーペット直後の上映前に登壇した関根監督は「皆さん、こんばんは。本日はお越しいただきまして、ありがとうございます。映画が上映されることを大変光栄に思っています。皆さんがこの映画を楽しんで観てくれることに期待しています」と満席となった会場内の観客に英語で挨拶し、コンペ部門に招待してくれた映画祭に感謝の意を述べた。

その後、趣里と関根監督は満員の観客と一緒に映画を鑑賞。映画が終了すると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。観客席から舞台上に登壇した趣里は、鑑賞した観客から、素晴らしい演技を見せた本作でどのような役作りをしたかを尋ねられると、「まずは脚本の中の“寧子”のことを考え、理解することに努めました。私は、過去に、怪我でバレエをやめなくてはいけなくなり、希望を失った中で生きなくてはならない葛藤を経験しました。寧子を通して、そのときの自分を思い出しました」と答え、自分と寧子にある共通点を踏まえながら、役柄を理解していったことを明かした。

続けて、観客から、“うつ病”という社会的な問題にも焦点を当てたかったのかと問われると、監督は「この問題は僕たちがどこに住んでようと共通する普遍的な問題だと思います。人間社会の中で生きていればこういった問題には必ず直面します。うつ病の方々は助けを求めることも難しいですし、話題にもできないかもしれません。この作品を創ったことによって、この問題が解決できるとは思っていないですが、苦しんでいる方々を元気づけたいという思いはありました」と話すと、趣里は「私は、そう鬱という症状を持つ寧子を演じていて、何が正しくて、何が間違っているのか、わからない部分がありましたが、日本はどちらかと言うと、“こうあるべきだ”と決めつけられてしまう、風潮があるかもしれません」と続き、観客の質問に丁寧に答えていた。

映画を鑑賞した観客の感想は「本当に感動しました。趣里さんの演技が力強く、ゆさぶられました」「昨今こんな演技できる女優さんいないと思います!」「普段扱われていないテーマに切り込んでおり、趣里さんの演技も含め、本当に素晴らしかった。映像美がとにかく圧巻の美しさ。是非もっとヨーロッパの観客に見てほしいと思う」と多くの称賛の声があり、登壇した2人は、観客の反応に手ごたえを感じた様子だった。

コンペティション部門に出品された本作を含む全10作品の中から作品賞が選出され、発表は現地時間の10月5日を予定している。

『生きてるだけで、愛。』
11月9日(金) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督・脚本:関根光才
原作:本谷有希子「生きてるだけで、愛。」(新潮文庫刊)
出演:趣里 菅田将暉 田中哲司 西田尚美 松重豊 石橋静河 織田梨沙 仲里依紗
配給:クロックワークス

【ストーリー】 生きてるだけで、ほんと疲れる。鬱が招く過眠症のせいで引きこもり状態の寧子と、出版社でゴシップ記事の執筆に明け暮れながら寧子との同棲を続けている津奈木。そこへ津奈木の元カノが現れたことから、寧子は外の世界と関わらざるを得なくなり、二人の関係にも変化が訪れるが…。

©2018『生きてるだけで、愛。』製作委員会