北村龍平監督&藤原紀香ら約70名の豪華ゲストが登場!映画『ダウンレンジ』プレミア上映舞台挨拶&トークイベント レポート

『VERSUS』で世界にその名を轟かせた北村龍平監督の最新作であるソリッドシチュエーションスリラー『ダウンレンジ』が9月15日より公開となる。このほど、9月6日に東京カルチャーカルチャーにてジャパンプレミア試写会が実施され、上映前舞台挨拶と上映後のトークイベントに、北村龍平監督、真木太郎プロデューサーが登壇し、さらに俳優、芸人、モデルなど約70名のインフルエンサーたちが登場した。

昨年のトロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門でのワールドプレミアを皮切りに、シッチェス・カタロニア映画祭、釜山映画祭などで喝采を浴びた本作。いよいよ日本で初お披露目となり、北村監督の最新作を一目早く見ようと、藤原紀香、舞川あいく、うじきつよし、陣内太蔵をはじめ、今をときめく約70名のインフルエンサーたちが会場に押し寄せた。

まずは世界を熱狂の渦に巻き込んだワールドプレミア上映の様子がスクリーンに映し出され、海外の観客たちの盛り上がりを観た会場の熱気が最高潮に達したところで、北村龍平監督と真木太郎プロデューサーが登場。喚起の声があがる中、北村監督は「血と爆音の祭典へようこそ!」と挨拶。『この世界の片隅で』を手掛ける真木プロデューサーは、「『この世界の片隅へ』という超感動作と180度違う作品ですが、(この作品の)邦題は『この絶望の中心で』ということで(笑)」と笑わせ、「みなさん楽しんでください」と観客に呼びかけた。

北村監督は、真木プロデューサーとの関係について、「全然食えない20年位前から飯を食わせてもらっていた仲。奢ってもらったのに残して怒られていたころからの付きあい。いつか一緒にやりたいねと話しているときに、この映画のアイディアを思いついて。ハリウッドで作った映画はすごく時間がかかる。僕はそのころ、『ルパン三世』を作った直後で、原点に戻って無茶苦茶なものを作りたいときだったので、真木さんに『これをやらせてくれ!』と言って作った映画。ハリウッドだけど、原点に戻って作った自主映画!」と力を込めて本作への熱い想いを語った。

MCのアドリブで、なんと舞台上へゲストを登壇させ、北村監督と記念写真を撮る場面も。中でも藤原紀香がステージに登壇すると、北村監督は「ありがとね、姫!」と喜び、「昔ドラマを一緒にやったことがありまして、藤原紀香さんと泉谷しげるさんのラブストーリーをやったんだよね(笑)」と振り返り、藤原も「すごく観たかったので、応援に駆け付けました!」と映画を楽しみにしている様子をうかがわせた。最後に、北村監督は「くれぐれも血が苦手な方は帰ってもらったほうが(笑)。今から90分間、極限の緊張感と爆音を体感してください!」と観客に呼びかけ、上映前の舞台挨拶は終了した。

上映後には、再び北村監督と真木プロデューサーが登場し、LiLiCo、「Jホラーの父」と呼ばれる映画監督・鶴田法男、世界中から称賛されるイラストレーター寺田克也と共にトークイベントを実施した。LiLiCoは「緊張の糸が全く切れない」と映画の感想を興奮気味に話すと、鶴田監督も「本当に大傑作!」と大絶賛。本作のストーリー展開やその先に待ち受ける衝撃の展開について、LiLiCoや鶴田監督は口を揃えて「面白かった!」と話し、北村監督に矢継ぎ早に質問。「元々の発案者ジョーイ・オブライアンという脚本家から『スナイパーに狙われたら怖いんじゃないか?』というところからこの企画が始まった。それはありそうでなかった、見たことがなかった設定だなと思って。その話を聞いて僕が『だったら荒野の真ん中で車の反対側に隠れて、そこから動かない設定にしよう』と。クリエイティブ的には難しいのですが、それをやらなきゃというところからアイディアを募集したら、脚本家の彼が衝撃のエンディングを思いついてきた。そのときに僕の中でこの映画が見えた」と映画着想時を振り返った。

さらにLiLiCoは「キャストがすごく良かった!」と絶賛!オーディションには約1万2千人が殺到したといい、その注目度の高さにゲストたちは驚いた。北村監督は「最終的に何百人にも会いました。『あずみ』で上戸彩ちゃん、『ミッドナイト・ミート・トレイン』のブラッドリー・クーパーなど無名の新人を大抜擢したら大ブレイクしたのを皆知っているので、もの凄く来たんですよ」と笑い、「やっぱりイメージなんですよ。監督というのは、僕らのネジくれた脳内にあるビジョンを、スタッフとキャスト、プロデューサーの力を借りて映像にして届ける仕事なので、良くも悪くも僕らのイメージ。だからそのイメージが間違ってなかったときは良かったと思いますね」とオーディションでキャストを抜擢するときの極意を語った。

本作は全員無名のキャストで選んだ6人のうち、2人が学生。今回のキャスト選考についても北村監督は「軍人の娘のケレン役はキーパーソンなので、全然決まらなかった。もう1回、何千枚の書類を見直していたら、あの役にぴったりの顔の子がいた。“あれ、この子の映像見てないぞ”と聞いたら、何かの手違いでオーディション映像が回ってこなかったので探して観たら、“こいつだ!呼べ!”と言って呼んで、見た瞬間決めました。あの子もイノセントな感じで演技が上手い下手より、リアルな生々しい感じがいいなと思って、彼女にした。後で演技学校に行っている学生とわかった。彼女は輝いていた」と振り返った。

鶴田監督は「キャストのこれから成り上がっていこうという人たちの生きざまが反映されている。今年前半は『カメラを止めるな!』を押していたけど、後半は絶対にこれ!」と太鼓判!さらに「僕はホラーものをずっと撮影していて、いろんな役者さんと仕事をしますが、怖いという表現をするのは、襲っている側ではなく襲われている側のリアクションの芝居が一番大事。だいたいテンションが0から始まって100までを積み上げていくけど、そのテンションで最初の怯えをどんどん積み上げていくと、1日では撮り終わらない。だから、役者さんは“昨日はこういうテンションでやったから、今日はこういう風につなげないといけない”と考えないといけないが、役者さんは混乱するときがある」と語り、「その時に大事なのは監督。監督が的確に指示していかないと、怖くならない。北村監督は優秀だから見事にテンションを保って、メリハリを保って撮影している。優秀な監督だなと思う」とその手腕を称賛した。

さらに、ネタバレ目白押しのトークや観客からの質疑応答でトークイベントは大盛り上がり。そして最後にスクリーンに、トーク中に書き上げられた寺田克也のドローイングが完成すると、作品世界をイメージしたその完成度の高さに会場中から驚嘆の声が上がった。最後に北村監督は「真木さんと異国の地で作った自主映画です。来週末から公開になります。皆さまの口コミと応援が不可欠なので、是非とも応援よろしくお願いします」と力強く挨拶し、トークイベントは終了した。

■来場ゲスト:藤原紀香、陣内大蔵、祐真キキ、高山忠士、セックスフラペチーノ、尚玄、TEE、大川原篤史(鬼ヶ島)、小澤慎一郎(ピスタチオ)、梨衣名、山地まり、まなせゆうな、上福ゆき 他

『ダウンレンジ』
9月15日(土)より新宿武蔵野館2週間限定レイトショー
9月22日(土)より大阪第七藝術劇場にて公開
監督・製作・共同脚本:北村龍平
製作総指揮:真木太郎
原案・脚本:ジョーイ・オブライアン
出演:ケリー・コーネア ステファニー・ピアソン ロッド・ヘルナン デス・フェレラ アンソニー・カーリュー アレクサ・イエームス ジェイソン・トバイアス
配給:ジェンコ

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