西田敏行、山本耕史、倉科カナら追加キャスト発表!内野聖陽 主演 スペシャルドラマ「琥珀の夢」

原作・伊集院静、主演・内野聖陽で贈る、“やってみなはれ”の精神で日本初の国産ウイスキー造りに命を捧げた男の生き様を描く、テレビ東京系のスペシャルドラマ「琥珀の夢」が10月5日に放送される。このほど、新たなキャストとして、西田敏行、山本耕史、倉科カナ、伊武雅刀、市川左團次、田口浩正らが出演することが発表された。

原作は、日本の洋酒文化を切り拓いたサントリー創業者・鳥井信治郎の人生を描いた、伊集院静による“初”の企業小説「琥珀の夢 小説 鳥井信治郎」。本ドラマでは、鳥井をモデルにしつつ、一人の人間が新たな価値観を創造するという大きな夢を成し遂げるまでの物語を、仮名で構成するフィクションとして描く。

主演は、ドラマや映画、舞台など幅広いジャンルで活躍し、その演技力が高く評価されている内野聖陽。本作では、圧倒的な行動力と生まれ持った愛嬌を活かして日本初の国産ウイスキー造りに心血を注ぎ、やがて日本一の洋酒メーカー「暁屋洋酒店」の創業者となる主人公・鳴江萬治郎を人間味たっぷりに演じる。

新たなキャストとして、若き萬治郎が奉公に務め、洋酒と出会うきっかけとなった薬種問屋「小南商店」の店主・小南理助役に名優・西田敏行。本場スコットランドでウイスキー造りを学び、萬治郎とともに国産ウイスキー造りに挑む松亀正行役に若手実力派俳優の山本耕史。萬治郎が葡萄酒を売り込むため訪れた東京の人気カフェーの女給・ミドリ役に倉科カナ。東京「国生商店」の社長・国生栄太郎役に声優・ナレーターとしても活躍する伊武雅刀。窮地に陥った萬治郎に救いの手を差し伸べる「大川屋」大旦那・大川与兵衛役に、テレビ東京のドラマ出演は2001年以来17年ぶりとなる歌舞伎俳優の市川左團次。そして、萬治郎の右腕として「暁屋」を切り盛りする番頭・中井大五郎役に田口浩正。また、ナレーションを渡辺いっけいが担当するほか、坂田利夫、千原せいじ、原西孝幸(FUJIWARA)など、大阪を舞台にした本作ならではの人物たちも随所に登場。日本を代表する名優から異色キャストまで豪華俳優陣が脇を固める。

キャスト コメント

■西田敏行(小南理助役)
このドラマは原作にわりと忠実に脚色されていて、原作者の意を損ねないよう配慮されているなと思いました。明治時代の言葉遣いも役者としては演じやすく、楽しい世界に導いてくれましたね、原作も脚本も。いつかこれをドラマ化したいという話は随分前からいただいていて、心の隅でいつだろうと思いながら日々過ごしていたのですが、やっと実現し、“待てば海路の日和あり”という感じでした。理助のモデルとなった人物は、難波の商人でありながら科学者としての面も持っている、あの時代では稀有な存在だったんじゃないでしょうか。あの時代だからこそ生まれた、ニーズに合った人物というか。だから理助についても新しい時代の変革者、世の中を変える人間のひとりと捉えていましたし、その風貌から堅めの人物だろうな、でも大阪人らしいお笑いも…ジョークもこなすタイプなんじゃないかと想像して演じました。少年時代の萬治郎に対しては、アドリブなんかも何度かやりましたよ!東京に出てきた時に2人でうどんを食べるシーンがあるんですが、萬治郎が東京のうどんを“おいしい”と言うか“まずい”と言うか、というやり取りを相談しながらやったんです。皆さん笑っていたので、うまくいったなと思って(笑)。そんな師弟のやりとりも見どころだと思います。理助はこれまで、何かを成し遂げたいという気持ちで一生懸命頑張ってきたんでしょうけれど、自分にも限界があるのではないかと思ったときに萬治郎の存在を知った。そして、彼のポテンシャルの高さを見抜き、コイツならおもろいことやるんだろうなという温かい目で萬治郎のことを見ていたんだと思います。日本のウイスキーはどうやって生まれたか。NHKの「マッサン」だけがウイスキーじゃないんだ!ということを知っていただければと思います。

■山本耕史(松亀正行役)
台本を読むときはいつもフィクションのつもりで読むのですが、今回の洋酒業界を築いた第一人者の話は、史実を読んでいるようなイメージでした。もちろん史実を元にしているので当然かもしれませんが…この人がこの人に当てはまるのかな、と思いながら読み進めました。撮影には後半から参加しましたが、内野さんとはこれまで何度も共演しているので、いい意味で緊張せず撮影に入れました。撮影では僕が演じた松亀と内野さん演じる萬治郎の出会いのシーンから始まったのですが、萬治郎とは対局な感じでいたいと思って演じていました。彼の熱意に対して沈着というか。そういうところは少し意識しましたね。「琥珀の夢」は、実在した人間が苦悩しながら成し遂げた、生きた話だと思います。もちろん作られた部分もありますが、時には時代を生き抜いた、時代を切り開いた、今の自分たちが当たり前のように目にしているものの土台・土壌を作ってくれたという教科書的なドラマをしみじみ観てみるのも楽しいもんじゃないかと思います。

■倉科カナ(ミドリ役)
「琥珀の夢」は、人とは何か、仕事とは何かを考えさせられる作品だと思いました。この作品を世に出すことは頑張っている人のエールになりますし、意味のあることだと思ったので、参加できて嬉しかったです。私が演じたミドリのシーンは20代前半と30代中盤、年代としては約17年経っているので、演じるのが本当に難しかったですね。だからミドリのキャラクターや人生を語るというよりは、萬治郎のターニングポイントとなるような深い印象を与えた女性として1シーン1シーンにベストを尽くそうと思い、魂を込めました。震災のシーンはセリフがなかなか入ってこなくて苦労したのですが、内野さんに「目を見せてください!」とお願いし、セリフを入れる位置なども相談させていただきました。内野さんの目と言葉には人の心を動かすものがあるんです。おかげで無理に作ることなく、心が感じるままに演じることができたと思います。内野さんとは初共演なのですが、私の1ショットのシーンでも、スタッフの方から休んでいていいよと言われているのに目線でお付き合いいただいたり、このカットの前はどんな気持ちだったかなと私が復習していると、内野さんがそのカットの前のセリフを言ってくださったんです。「いい男っぷりね!」と言った後のカットだったので、まさに“いい男っぷりね!”って感動しました!「琥珀の夢」は猛暑のなか撮影した、出演者の血と汗と涙が集結したドラマです。きっと皆さんの生きる糧になる作品だと思いますので、多くの方に観ていただけたら嬉しいです。

■伊武雅刀(国生栄太郎役)
日本が豊かじゃなかった時代というのは、海外からいろんなものが入ってきたり、新しいものを作ろうとする夢があった時代ですよね。物や習慣など、今の日本に失われてしまった“いいもの”もまだ残っている。夢を追いかける人たちがたくさんいて、可能性があって、何にしても絵になるし、物語になる。こういう時代の作品は勉強になるし、好きですね。それに時代劇は現代劇よりも人間の葛藤や心の振れ幅が大きいので、演じていて楽しかったです。意識したのは、大阪と東京の比較ですね。主人公は関西人で、商品の売り込みのため東京に出て来るのですが、大阪と東京の商いの違いに驚きます。そんな彼に東京人の代表、都会人の代表の男を感じてもらえるよう意識して演じていました。このドラマを、自分の好きなお酒を用意して観ていただきたいですね。作り手の一生懸命さを感じたり、ルーツに思いを馳せることで、よりお酒がおいしく感じられると思いますよ。

■田口浩正(中井大五郎役)
とにかく暑い中での撮影でしたが、セリフの微妙なイントネーションに気を付け、1シーン撮るごとに確認して挑みました。中井大五郎という役は、萬次郎の夢に自分の夢を重ね、組織を守り、補佐的な役目である事を自覚し、戦前戦後を生き抜く男です。そうした当時の日本に生きた人々の生き様を見ることによって、今を生きる人々に何かを感じ、考えるヒントにしてほしい、「琥珀の夢」はそんな作品になっています。是非!ご覧下さい。

「琥珀の夢」
10月5日(金)夜9時より、テレビ東京系にて放送 ※BSテレ東で今冬放送予定
監督:松田秀知
原作:伊集院静「琥珀の夢 小説 鳥井信治郎」(集英社刊/日本経済新聞連載)
脚本:森下直
出演:内野聖陽 檀れい 生瀬勝久 山本耕史 大東駿介 田口浩正 倉科カナ 中村梅雀 市川左團次 伊武雅刀 原田美枝子 西田敏行
ナレーション:渡辺いっけい

【ストーリー】 明治12年。大阪船場・釣鐘町の一角で、米穀問屋「鳴江商店」を営む父・義兵衛と母・ちよの次男として生まれた鳴江萬治郎(内野聖陽)。13歳で薬種商を営む「小南理助商店」の丁稚奉公に出た萬治郎は、そこで洋酒と出会い、店主の理助とともに葡萄酒の開発に関わることに。数年後、20歳になった萬治郎は洋酒の商いを始めようと思い立ち、兄・千恵蔵から贈られた軍資金100円(現在の価値で100万円)を手に神戸へ向かう。ふと、港に停泊する豪華で巨大な客船に目を止めた萬治郎。自分が商いをどう進めるべきか。それを探すためには、ハイカラが集まるこの船に乗らなければならない―そう直感した彼は、思わず客船に乗り込む。そしてここでの出来事が、萬治郎の人生を大きく変えることに…。

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