東京国際映画祭「アジアの未来」部門で2冠!在日ミャンマー人家族の実話『僕の帰る場所』公開日決定&予告編

昨年の第30回東京国際映画祭アジアの未来部門にて日本人監督では初となる2冠を達成し注目された『僕の帰る場所』の公開日が10月6日に決定し、このほど、本作の予告編がお披露目となった。併せて、映画監督の行定勲より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

世界的な関心事項である“移民”という題材を、ミャンマーでの民主化の流れや、在日外国人の家族を取り巻く社会を背景に描いた本作は、ミャンマー政府の厳しい検閲を通過し、企画から5年を経て完成した。

監督は、本作が長編デビューとなる新鋭・藤元明緒。演技経験のないミャンマーの人々を多数起用し、まるでドキュメンタリーを思わせる映像は、ミャンマー人一家の生活を優しく見守りつつ、シビアな眼差しで貫かれている。7月に開催されたタイ・バンコクASEAN映画祭コンペティション部門では審査員賞(JURY AWARD)を受賞し、映画祭より「スクリーンに描かれたことがあまりない重要な人間的な課題の緊急性や、その現代性を表現した映画。ドキュメンタリーとフィクションの素晴らしい融合を特徴にもつ、率直な作品でもある。映画のもつ迫力は、調和のとれた出演者たちの魅力的なパフォーマンスによって、より強調されている」と評された。また、オランダ・シネマジア映画祭では、兄・カウン役のカウン・ミャッ・トゥ(当時6歳)が、初演技ながら心揺さぶる演技で最優秀俳優賞に輝いた。

現時点では4つの賞を受賞し、今後も9月よりミャンマー・ヤンゴンで開催される「第8回ワッタン映画祭」、奈良県で開催される「第5回なら国際映画祭2018」、福岡県で開催される「第13回福岡アジアフォーカス映画祭2018」では正式招待作品として上映予定で、10月も韓国、イタリアでの映画祭など12ヶ国以上20の映画祭で上映が決定している。

■行定勲(映画監督) 絶賛コメント
在日ミャンマー人(たち)の知らなかった現実をドキュメントとフィクションの境界を辿りながら生々しく描いた傑作だ。子どもたちの演技を超えた演技は右に出る映画なし。映画の中での少年の成長に逞しさを感じる稀有な映画だ。

『僕の帰る場所』
10月6日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:藤元明緒
出演:カウン・ミャッ・トゥ ケイン・ミャッ・トゥ アイセ テッ・ミャッ・ナイン 來河侑希 黒宮ニイナ 津田寛治
配給:E.x.N

【ストーリー】 東京の小さなアパートに住む、母のケインと幼い二人の兄弟。入国管理局に捕まった夫アイセに代わり、ケインは一人家庭を支えていた。日本で育ち、母国語を話せない子ども達に、ケインは慣れない日本語で一生懸命愛情を注ぐが、父に会えないストレスで兄弟はいつも喧嘩ばかり。ケインはこれからの生活に不安を抱き、ミャンマーに帰りたい想いを募らせてゆくが―。

©E.x.N K.K.