松田龍平、プロ棋士になりきる「将棋の指し方や佇まいを真似た」映画『泣き虫しょったんの奇跡』公開記念トークイベントレポート

将棋界に奇跡をもたらした異色の棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説が、豊田利晃監督によって実写映画化された『泣き虫しょったんの奇跡』が9月7日より公開となる。本作の公開記念トークイベントが8月18日にHMV&BOOKS SHIBUYAで行われ、主演の松田龍平、原作者の瀬川晶司、監督の豊田利晃が登壇した。

松田が『青い春』以来16年ぶりに豊田作品で単独主演を務める本作。松田は「豊田さんが将棋に縁がある方だとは聞いていて、いつか将棋の映画を撮るんじゃないかと思って、その時は絶対出たい」という気持ちがあったという。8年前に原作を読んだという豊田監督は「素晴らしい原作で、8年ぐらい前から動いていたのですが、なかなか将棋の映画にお金を出してくれないという状況があった」らしいが、なんとか映画化にこぎつけたことを告白した。

原作を読んだという松田は「瀬川さんの文体が人柄を表していて、実際にお会いした時に、距離感が近いような気がして、とにかく正直な人という印象を受けました」と語り、原作を読んでから映画を観れば、より一層映画を楽しめることをアピールした。

松田は瀬川を演じるにあたり「本人が現場にくるという特殊な撮影で、すごく刺激的でした。瀬川さん本人に影響を受けていて、それが本当に良かった」とコメント。「瀬川さんは最初、現場で居心地が悪そうで、なんでもない低い段差で転びそうになったり。茂みに足を取られたり。すごい可愛らしかった(笑)」と微笑ましいエピソードを明かしつつ、「瀬川さんをずっと見てました。将棋の指し方や佇まいまでを真似した」と告白した。対して瀬川は「実際に試写を観た僕の友人たちは、『途中から、松田くんが瀬川さんにしか見えなくなった』と言っていて、それだけ僕の内面から雰囲気を演じきってくださったのかと思って」と松田に感謝していた。

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『泣き虫しょったんの奇跡』
9月7日(金)より全国ロードショー
監督:豊田利晃
脚本:瀬川晶司「泣き虫しょったんの奇跡」(講談社文庫刊)
音楽:照井利幸
出演:松田龍平 野田洋次郎 永山絢斗 染谷将太 渋川清彦 駒木根隆介 新井浩文 早乙女太一 妻夫木聡 松たか子 美保純 イッセー尾形 小林薫 國村隼
配給:東京テアトル

【ストーリー】 26歳。それはプロ棋士へのタイムリミット。小学生のころから将棋一筋で生きてきた“しょったん”こと瀬川晶司の夢は、年齢制限の壁にぶつかりあっけなく断たれた。将棋と縁を切りサラリーマンとして暮らしていたしょったんは、アマ名人になっていた親友の悠野ら周囲の人々に支えられ、将棋を再開することに。プロを目指すという重圧から解放され、その面白さ、楽しさを改めて痛感する。「やっぱり、プロになりたい―」。35歳、しょったんの人生を賭けた二度目の挑戦が始まる―。

©2018『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会 ©瀬川晶司/講談社