『ブレス しあわせの呼吸』長編監督デビューしたアンディ・サーキスのインタビューと演出中の姿を収めた特別映像

『ブリジット・ジョーンズの日記』や『エリザベス』のプロデューサーが、自身の両親の奇跡のような実話を映画化した『ブレス しあわせの呼吸』が9月7日より公開となる。このほど、本作で念願の長編監督デビューを果たしたアンディ・サーキスのインタビューや演出中の姿を収めた特別映像がお披露目となった。

第71回ロンドン映画祭でオープニングを飾った本作は、1950年代にアフリカでポリオに感染したロビン・カヴェンディッシュとその妻ダイアナの激動の半生を、彼らの息子であるジョナサン・カヴェンディッシュが自ら映画化。首から下が全身麻痺になり、人工呼吸器なしでは息をすることもできないロビンは、余命数ヶ月を宣告されるが、家族や仲間に支えられながら、笑顔とユーモアを絶やさず外の世界へと飛び出していく。

長編映画初監督を務めたサーキスは、本作の魅力について「激しく心を揺さぶられたよ。“切り開く”ことの意義も描いていると思う。誰も実現させていないことに挑んだんだ」と分析。さらに、「ロビンが自分で人生を選んでいく。“人生に飛び込んでいく”物語にね」と語る。製作にあたり、ドキュメンタリー映画『マン・オン・ワイヤー』に大きなインスピレーションを受けていたというサーキスは、「この主人公には支えてくれる仲間たちがいた。僕はこの映画を“変わり者たちが自分の人生を生きていくために、奇想天外な方法で自分を表現し、偉業を達成した話”という見方をしたんだ」と、まさに本作の重要なテーマにも通じる考え方を披露している。

『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム役や『猿の惑星』新シリーズのシーザーなどモーションキャプチャー俳優という印象が強いサーキスが初監督作として選ぶには、本作は意外な題材ともいえる人間ドラマ。サーキスは本作以降も『モーグリー』(原題)、製作が発表されたばかりの実写版『動物農場』など監督として活躍の場を広げている。俳優のキャリアにも通じるこうした作品とは対照的な本作を、“個人的な想い”から監督することを切望したという。ザ・イマジナリウム(サーキスとジョナサンが共同で立ち上げた製作会社)での活動を通じて、演出者としての力量を見抜いていたジョナサンは、本作の監督を務めたいと直訴してきたサーキスに、“自分の物語”を託すことにした。

特別映像では、サーキスの演出中の“雄姿”も捉え、真剣な表情でモニターを覗く姿や大勢のエキストラに対して場の盛り上げ方を自ら披露してみせる様子など、映画本編では決して見られない貴重な姿も収められている。ロビンを熱演したアンドリュー・ガーフィールドは、サーキスの人物像を「アンディはエネルギッシュでとても陽気で、常に人生を楽しもうとしている」、ロビンを支えるダイアナを体現したクレア・フォイは「エネルギッシュで最高の監督よ。“一息いれてくるよ”なんて一度もなかったわ」と、監督としての魅力についてそれぞれ称賛の言葉を寄せている。

『ブレス しあわせの呼吸』
9月7日(金)、角川シネマ有楽町他全国ロードショー
監督:アンディ・サーキス
脚本:ウィリアム・ニコルソン
プロデューサー:ジョナサン・カヴェンディッシュ
撮影:ロバート・リチャードソン
出演:アンドリュー・ガーフィールド クレア・フォイ ヒュー・ボネヴィル トム・ホランダー
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 運命の恋に落ち、家族や友人に祝福されて結婚し、最高に幸せな日々を送っていたロビンとダイアナ。ところが、出張先のナイロビで、突然ロビンが倒れてしまう。診断結果はポリオ、首から下が全身麻痺となり人工呼吸器なしでは息もできない。時は1959年、医師からは「余命数カ月」と宣告される。英国に戻り息子が生まれたが、ロビンは絶望の中にいた。病院を出たいと望むロビンのために、医師の反対を押し切り自宅で看病する決意をするダイアナ。彼女の決断は、ロビンの運命を大きく変えていく―。

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