“友達”とは? 生田斗真「自分を映す鏡」、瑛太「考えないでいられる人」『友罪』公開記念舞台挨拶レポート

デビュー作「天使のナイフ」で江戸川乱歩賞を受賞した注目のミステリー作家、薬丸岳が2013年に発表した同名小説を原作に、『64-ロクヨンー前編/後編』の瀬々敬久監督が映画化した『友罪』が5月25日に公開初日を迎え、5月26日、TOHOシネマズ 日比谷にて公開記念舞台挨拶が行われ、キャストの生田斗真、瑛太、夏帆、山本美月、富田靖子、佐藤浩市、瀬々敬久監督が登壇した。

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本作は、かつて世間を震撼させた事件を起こした少年Aと周囲の人々のそれぞれの過去と現在が絡み合い、疑心や後悔に囚われた様々な人間模様が交錯するヒューマンサスペンス。舞台挨拶に登場した生田は「この映画が友情とは何かを議論するきっかけになってくれたらなと思っています」と挨拶。「賛否両論があると思いますし、皆さんがどういうことを思ったのかを早く聞きたい」と作品への反響を気にしながら、公開を迎えた心境を語った。

“友情”が一つのテーマである本作にちなみ、自分にとって友達とは?と聞かれると、生田は「自分を映す鏡みたいなもの。自分と同じ思いを持った仲間や同志が集まっていると思います。身の回りにいる人たちを見て、自分がどんな人間なのかということも測れたりするのかな」と、瑛太は「“この人は友達だ”と付き合っていない人。よく会ったりしていて、“この人と友達だな”と考えないでいられる人」と、それぞれ自身の考えを述べた。

また、困難な役に挑んだ生田と瑛太の二人について、佐藤は「この役を自分の中に一回入れて吐き出すという瞬間の吐き気、それを二人とも重々わかって吐き出している」とコメント。それを受けて瑛太は、暴力を受けるという過酷なシーンが多かったようで、奥野瑛太との撮影を振り返り、「本番で顔面に当ててきたり、急に首を絞めてビンタしてきたり、同じ瑛太っていう人なんですけど、二度と共演したくないなと思いました(笑)」と会場を笑わせた。

生田と瑛太を再び起用して作品を作るとしたら?という質問に、瀬々監督から「『デッドマン・ウォーキング』という映画が好きなんですけど、次は立場を逆転させて、生田さんが死刑囚で、それを見る拘置所の刑務官を瑛太さんにやってもらいたい」という案が。すると生田は「(瑛太と)二人でよく話すんですけど、『次やるなら、もうちょっとポップなものがいいね』っていう話はしています(笑)」と瀬々監督に申し訳なさそうに笑って答えていた。

最後に、生田から「この映画は、たくさんの願いや希望の光みたいなものを込めたつもりでいます。皆さんがご覧になってどういうことを思って感じたのかを、自宅に戻って考え直して、いろんなことに思いを馳せていただけたらなと思っています」と挨拶があり、舞台挨拶は終了した。

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『友罪』
5月25日(金)より全国ロードショー中
監督:瀬々敬久
出演:生田斗真 瑛太 佐藤浩市 夏帆 山本美月 富田靖子 奥野瑛太 飯田芳 小市慢太郎 矢島健一 青木崇高 忍成修吾 西田尚美 村上淳 片岡礼子 石田法嗣 北浦愛 坂井真紀 古舘寛治 宇野祥平 大西信満 渡辺真起子 光石研
配給:ギャガ

【ストーリー】 ある町工場で働き始めた、元週刊誌ジャーナリストの益田(生田斗真)と、他人との交流を頑なに避ける鈴木(瑛太)。共通点は何も無かった二人だが、同じ寮で暮らすうちに少しずつ友情を育ててゆく。そんな折、彼らが住む町の近くで児童殺人事件が起こり、世間では17年前に日本中を震撼させた凶悪事件との類似性が指摘される。当時14歳だった犯人の少年Aはすでに出所しており、その後の行方を知る者は少ない。果たして今回の事件も彼の犯行なのか…。驚きと疑問に突き動かされ、ネットに拡散していた少年Aの写真を見た益田は愕然とする。そこにはまだ幼さの残る鈴木が写っていた―。

(c)薬丸 岳/集英社 (c)2018映画「友罪」製作委員会