ミシェル・ウィリアムズ「休みをあきらめて再撮影をしたわ」『ゲティ家の身代金』インタビュー

1973年の大富豪ジャン・ポール・ゲティの孫の誘拐事件を映画化した、巨匠リドリー・スコット監督最新作『ゲティ家の身代金』が5月25日より全国ロードショーとなる。このほど、誘拐されたポールの母親アビゲイル・ハリスを演じた主演のミシェル・ウィリアムズが、自身が演じたキャラクターや、メガホンを取ったリドリー・スコット監督についてインタビューで語った。

この誘拐事件は、1700万ドル(当時のレートで約50億円)という破格の身代金を要求されるも、50億ドル(当時のレートで約1.4兆円)の資産を持つゲティがその支払いを拒否したことが有名で、日本のメディアでも大きく報道された。

メガホンを取ったのは、『オデッセイ』、『アメリカン・ギャングスター』、『グラディエーター』、『エイリアン』などを手掛けた巨匠リドリー・スコット監督。誘拐されたポールの母親アビゲイル・ハリス(以下ゲイル)を、『マリリン 7日間の恋』や『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、『グレイテスト・ショーマン』のミシェル・ウィリアムズが演じる。ゲティの息子ゲティJr.の元妻で、離婚により一族から離れていたゲイルは、息子が誘拐され、ゲティに身代金の支払いの協力を求めるが拒否されてしまう。本作では、この事件の裏側で、誘拐犯と身代金を拒むゲティの間で戦い続けたゲイルの姿が描かれる。

ミシェル・ウィリアムズ オフィシャルインタビュー全文

Q:驚異的なスピードでの再撮が決定されました。

ミシェル:そうだったわね。本当に。

Q:そして当初の予定通り年内公開ということで、この素晴らしい偉業を可能にしたものは一体何だと思われますか?

ミシェル:そうね。なにがそれを可能にしたか話すわ。まず最初に、誰かが「そうだね。それをやるのは正しいことだ。だから、そのお金を払うよ」と申し出ないといけなかったの。その後は、みんながホリデーをあきらめないといけなかった。サンクスギビングのお休みだったのよ。だから、そのお休みをあきらめて、他の仕事のスケジュールを入れないようにして、私たちが再び集まらないといけなかったのよ。

Q:非常に困難な状況に気丈に立ち向かわざることを余儀なくされたゲイルという女性を演じるにあたって考えたこと、また、シンパシーを感じた部分があれば教えてください。

ミシェル:間違いなくあったわ。自分が母親であり、子供が何か困難なことを経験しているとき、母親は強くあり続けないといけないの。そういうことに私はとても共感したわ。

Q:リドリー・スコットと仕事をしていかがでしたか?

ミシェル:夢が叶ったようだったわ。彼は本当にマエストロなの。彼が仕事をしているのを見られるのは本当に素晴らしい。彼はとても巨大なオーケストラを指揮しているみたいなのよ。

Q:彼と現場で仕事をしている時の印象的なエピソードがあれば教えてください。

ミシェル:多分、彼がかんしゃくを起こしたところをただの1度さえ見たことがないけど、1度だけイライラしていたことがあるわ。なぜなら、110度(摂氏43度)でものすごく暑かったからよ。でもそれ以外は、一緒に仕事をしていてリドリー・スコットよりエキサイティングな人はいないわ。そして、彼は80歳なのよ。

Q:あなたは、衣装があなたのキャラクター作りにとても役立ったと話していたと思います。それについて少し話してくださいますか?

ミシェル:いつもそうよ。いつも私にとってとても大事なの。洋服、それがどのようにフィットするか、どのように感じるか、着心地がいいかどうか、それを着て走れるか、歩けるか、座れるか。私たちにはジャンシー・イェーツという素晴らしいコスチューム・デザイナーがいたの。彼女は本当に才能ある女性で、大切な友人よ。彼女と私はお互いに協力しあって仕事をしたのよ。

Q:日本の観客にとって最大のみどころはどういうところだと思いますか?どういうことを期待できるでしょうか?

ミシェル:すごく気骨のある女性だと思うの。彼女は強くて、疲れ知らずで、彼女の息子を安全に連れ戻すためにはどんなことでもするのよ。

Q:日本にはあなたのファンがたくさんいます。日本の観客に向けて何かメッセージをいただけますか?

ミシェル:日本の観客が楽しんでくれればいいなと思うわ。私は日本が大好きなの。日本にはまだ3度しか行っていないけれど、最もマジカルなところだと思うし、私は本当にとても素晴らしい時を過ごしたの。本当に素晴らしい人々に会ったわ。また日本に行くのが待ちきれないわ。

Q:次に行ったら、是非行きたいところはありますか?

ミシェル:前回、私は京都に行ったの。本当に美しいわ。

Q:クリストファー・プラマーと仕事をしていかがでしたか?

ミシェル:彼は本当に素晴らしい人よ。光とスピリットに満ち溢れているの。そして彼の目には、本当に美しい輝きがあるのよ。

『ゲティ家の身代金』
5月25日(金)全国公開
監督:リドリー・スコット
出演:ミシェル・ウィリアムズ クリストファー・プラマー ロマン・デュリス チャーリー・プラマー マーク・ウォールバーグ
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 “世界中のすべての金を手にした”と言われた大富豪ジャン・ポール・ゲティ。愛する17歳の孫ポールが誘拐され1700万ドル(当時のレートで約50億円)という破格の身代金を要求されたゲティは、こともあろうかその支払いを拒否。彼は大富豪であると同時に、稀代の守銭奴だったのだ。離婚によりゲティ家から離れ中流家庭の人間となっていたポールの母ゲイルは、息子のために誘拐犯のみならず世界一の大富豪とも戦うことに。一方、一向に身代金が払われる様子がないことに犯人は痺れを切らし、ポールの身に危険が迫る。しかし、事件は思いもよらぬ展開へと発展していく。

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