yui&小泉徳宏監督が登壇!『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』トークショーイベント レポート

2006年に公開された日本映画『タイヨウのうた』をハリウッドでリメイクした『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』が5月11日より公開中。このほど、5月20日に新宿ピカデリーにてトークショーが行われ、本作のもとになった映画である『タイヨウのうた』のメガホンを取った小泉徳宏監督と主演を務めたyui(FLOWER FLOWER)が登壇した。

本作は、太陽の光にあたることができず夜しか外出できないケイティと、怪我によって夢を諦めてしまった水泳部のチャーリーのラブストーリー。トークショーには、『タイヨウのうた』で初監督デビューを果たした小泉監督と初主演を務めたyuiが、黄色い声援を浴びながら緊張した様子で登壇。小泉監督は「『ミッドナイト・サン』は自分の映画じゃないですし、こういう形でやるのが初めてなので緊張しますね。シュワちゃんに迷惑をかけないよう頑張ります(笑)」と意気込み、続いてyuiも「私も迷惑をかけないように気を付けます」と、8年ぶりの再会とは思えないほど息ぴったりの挨拶で会場の空気を和ませながらトークショーをスタートさせた。

まず、ハリウッドリメイクについて知らされたときの感想について、小泉監督は「実はちらっと何回か話はきていたが、実現に至らずだった」と振り返る。「気が付いた時には話が結構進んでいて。なんで僕に撮らせてくれなかったんだろう(笑)」と悔しがっていた。yuiは「自分のことのようで自分のことではないんですが、すごく嬉しいなと素直に思いました」と喜びを表現した。本作を鑑賞した感想については、小泉監督は「プロ目線で言うとすごい研究されたなと。オリジナルをたくさん見ていただき、リスペクトをしていただいた」と嬉しそうに語り、「なるほどな、よく考えられている。ずるいな。さすがハリウッドだな」と感心した様子を見せた。特に「お父さんの絡みは弱いですね。正直、泣いてしまいました。自分が死んだあとのことを心配するシーンは刺さりましたね」と印象的なシーンを思い出していた。yuiは「現場から脱走したことがあった」と告白し、「監督は爽やかにしたいと。私は役の気持ちを表現したいという部分でぶつかった」というエピソードを振り返りつつ、本作では「監督が仰っていた爽やかにしたいというのが受け継がれている気がします」と分析した。

また、小泉監督は「『タイヨウのうた』のリメイクはベトナムだったり、韓国でも舞台化していただいていますし、そしてハリウッドでも、という広がり方は初めてだったので嬉しい」と改めて初監督作が日本から世界へ発信されていることを喜んでいた。するとyuiは「急に面白い話を思い出した」と話し、「『タイヨウのうた』の打ち上げのビンゴ大会で監督が号泣していた」と暴露。「いろんな想いがあったんだな。作品に愛情を持っている方なんだな」と当時の小泉監督について振り返る。一方、小泉監督は記憶が曖昧なようで「私は覚えていないが、yuiさんが言うならそうかも」と照れ臭そうに答えた。さらに二人は、『タイヨウのうた』と本作を比較。小泉監督は歌の扱い方について挙げ、「『タイヨウのうた』は歌を中心に構築していくが、『ミッドナイト・サン』は歌があくまで要素になっていてストーリーとして大事なところを描いている。映画的な構築の仕方が違うな」と分析し、yuiは「最後の展開が少し違うんですが、そこが幻想的というか現実的だなと思った」語った。

最後に本作に込められたメッセージについて、小泉監督は「ヒロインが亡くなる映画は世の中にたくさんあるけれど、オリジナルや本作もそうですが、“死”というより“生きている”ことを描いている気がする。大事なのは命の長さではなくどれだけ輝けるか」と話し、「当たり前だと思っていることが実は当たり前じゃないんだよ、というところを受け取っていただければいいのではないか」と力強く語った。yuiは「大切な人に突然会えなくなってしまうことって、あるんですよね」と話し、「会いたい人には今会った方がいいよ、とちゃんと言ってくれる映画だと思うんです。なので大切な方を思い出した方は、近々会いに行ってあげてください!」と高らかに語った。

『ミッドナイト・サン ~タイヨウのうた~』
5月11日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開中
監督:スコット・スピアー
出演:ベラ・ソーン パトリック・シュワルツェネッガー ロブ・リグル クイン・シェパード ケン・トレンブレット
配給:パルコ

【ストーリー】 17歳のケイティは、太陽の光にあたれない“XP”という病をかかえていた。そのため、幼い頃から昼間は家から出られず、父親と二人で時間が経つのを待つだけの日々が続いていた。彼女の唯一の楽しみは、毎夜ギターを片手に駅前まで行き、通行人を相手に歌をうたうことだった。そんなある夜、彼女はチャーリーと出会う。彼には病気のことを隠したまま、次第に二人は恋に落ちていく。

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