映画『あの日のオルガン』W主演の戸田恵梨香&大原櫻子 クランクアップコメント!追加キャストも発表

戸田恵梨香と大原櫻子がダブル主演を務める映画『あの日のオルガン』が、2019年2月に公開となる。このほど、撮影が無事クランクアップを迎え、ダブル主演の戸田と大原が、およそ1ヶ月間の撮影について振り返った。併せて、追加キャストとして、橋爪功、夏川結衣、田中直樹らの出演が発表された。

本作は、第二次世界大戦末期、東京都品川区戸越の保母たちが幼い園児たちと集団で疎開し、東京大空襲の戦火を逃れた「疎開保育園」の実話を映画化。3月末に無事クランクアップを迎え、主演の戸田は、「重たいシーンが続いていたので、自分の精神状態が普段いないところにいました。1ヶ月間精神的にきついことが続きましたが有意義な時間で、すごい作品が出来るんじゃないかと手応えを感じています」と、撮影を満身創痍で取り組んだことを明かした。同じく主演の大原は「子供たちと楽しもうと意識しました。日常に笑顔を探していました」と、生と死が隣り合わせの時代を描く撮影にも前向きな姿勢を忘れなかった役作りを振り返った。

ダブル主演の戸田と大原は本作が初共演。約1ヶ月を共に過ごしたお互いの印象について、戸田は「なんてまっすぐな人なんだろうと思いました。前を見ている姿が私にとって心の支えでしたし、いつも見ていたい人だなという風に思いました」と語り、大原は「クールなイメージだったのですが、気さくで、かわいくて、会ったらもっと好きになりました」と、ハードな撮影の中、お互いが支えとなっていたと言葉を寄せあった。

影の主役とも言えるたくさんの子供たちは、撮影では保育士演じる女優たちに抱っこをねだったり、膝の上に乗ったり、足元に複数人がからみつくなど、天真爛漫だった様子。子供たちについて、戸田は「とにかく可愛かったです」、大原は「カットがかかった後に抱っこをねだってくる」とコメントし、戦時中を舞台とした撮影の中、周囲を和ませ続けた子供たちの存在が支えとなったと明かしている。

また、本作を支える実力派俳優たちの追加キャストも発表となった。疎開先の世話役・近藤作太郎役に橋爪功。作太郎の妻・近藤梅子役に松金よね子。作太郎の次男・近藤信次役に萩原利久。戸田演じる板倉楓が勤める戸越保育所所長・脇本滋役に田中直樹。戸越保育所と合同で児童疎開を実現する愛育隣保館の主任保母・柳井房代役に夏川結衣。そして、楓らに自身の子供を預ける疎開児童の父母に、林家正蔵、陽月華、山中崇、田畑智子の出演が決定した。メガホンを取る平松恵美子監督が長年共同脚本・助監督を務める山田洋次監督作品への常連である橋爪功や松金よね子、夏川結衣、林家正蔵らの実力派キャストががっちりと脇を固める。

クランクアップ コメント

■戸田恵梨香(板倉楓役)
Q:撮影を振り返って
重たいシーンが続いていたので、自分の精神状態が普段いないところにいました。ただ、子供たちも含めみんなと心を通わせられていたと思うので、現場はとても居心地がよかったです。板倉楓を演じるにあたっては、みんなの母となれるよう、お姉さんになれるよう、大きな心でどしっと構えていられるように心掛けていました。楓は背負っているものが多かったので、1ヶ月間精神的にきついことが続きましたが、有意義な時間で、すごい作品が出来るんじゃないかと手応えを感じています。

Q:たくさんの子供たちと共演して
とにかく可愛かったですね。皆が無垢で純粋で。

Q:初共演されたダブル主演である大原櫻子さんの印象
なんてまっすぐな人なんだろうと思いました。本読みの時にみんながどういうテンションなのか、どういう風に役を作るのかを探りながらやっているのですが、さくちゃん(大原櫻子)は物語に感情移入していて、その真摯な姿をみて驚きました。前を見ている姿が私にとって心の支えでしたし、いつも見ていたい人だなという風に思いました。

Q:楽しみにされている方へメッセージ
保母さんが葛藤している姿、子供たちの目をみてもらえたらいいかなと思います。

■大原櫻子(野々宮光枝役)
Q:自身の役柄(野々宮光枝)について
一生懸命楽しむ、楽しませるということを心掛けていました。他の保母さんは子供たちを守るということを念頭に置いているかと思うのですが、光枝の場合は子供たちと楽しもうと意識しました。日常に笑顔を探していました。

Q:印象に残っているシーン
映画の中で(佐久間由衣演じる)よっちゃん(神田好子)と自転車に乗るシーンがあるのですが、練習してみたら昔の自転車なのでハンドルの動作やコントロールが難しく、ふたりで転びました。出来ないかもと思いましたが、(平松)監督が自転車にこだわっていらっしゃったので、何日か練習をして無事にステキな画がとれたのではないかと思います。

Q:たくさんの子供たちと共演して
かわいいですね。カットがかかった後に抱っこをねだってくるので大変な現場でしたが、子供の笑顔は宝だなと思いました。当時の保母さんが守らなきゃという気持ちは私たちが経験しているよりももっと大変だと思いますが、子供たちの笑顔に救われたのは大きいのではないかと実感しました。

Q:共演されたダブル主演である戸田恵梨香さんの印象
すごくお芝居に熱くて、もっとこうしたほうが、ああしたほうが良いのではなどのディスカッションを監督とすごくされていて、とても勇ましいというか、先輩として女優さんとして勉強させていただきました。クールなイメージだったのですが、気さくで、かわいくて、会ったらもっと好きになりました。

Q:楽しみにされている方へメッセージ
この作品は、色々な世代、これからの世代の方にも観て欲しい作品です。心が苦しくなるシーンもあるのですが、この作品はコミカルな部分があったり、子供たちの笑顔に見ている人もふと笑顔になる作品になると思います。タイトルの『あの日のオルガン』にもある、音楽のシーンも楽しんで欲しいなと思います。

『あの日のオルガン』
2019年2月 新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:平松恵美子
出演:戸田恵梨香 大原櫻子 佐久間由衣 三浦透子 堀田真由 福地桃子 白石糸 奥村佳恵 萩原利久 山中崇 田畑智子 陽月華 松金よね子 林家正蔵 夏川結衣 田中直樹 橋爪功
配給:松竹

【ストーリー】 第二次世界大戦末期、警報が鳴っては防空壕に避難する生活が続く1944年、東京品川の戸越保育所では、保母たちが保育所の疎開を模索していた。まだ幼い園児たちを手放す不安、迫りくる空襲から子供たちだけでも助けたい、と意見の分かれる親たちを保母たちが必死に説得する中、埼玉に受け入れ先の寺がみつかる。荒れ寺での疎開生活をスタートした若い保母たちと幼い園児たちを待っていたのは、毎日わき出てくる問題との戦いの日々。それでも若き保母たちは子供たちと向き合い、毎日ひたむきに励ましあいながら奮闘していた。そんな彼女たちにも空襲の影がせまっていた。

©映画『あの日のオルガン』製作委員会