照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)監督長編第2作『洗骨』モスクワ国際映画祭へ出品決定!

2016年に制作され、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2017ジャパン部門賞グランプリ、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017では観客賞、札幌国際短編映画祭2017では特別賞の「観光庁長官賞」と「市民審査員賞」の2冠に輝くなど、国際的な短編映画祭で非常に高い評価を受け、大きな話題となった照屋年之(ゴリ)監督の短編映画『born、bone、墓音。』。その短編を原案に照屋監督自ら脚本を執筆、監督も手掛け長編映画として新たに生まれた『洗骨』が、第40回モスクワ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に公式招待されることが決定した。

“洗骨(せんこつ)”とは、一度土葬あるいは風葬などを行った後に、死者の骨を海水や酒などで洗い、再度埋葬する葬制。本作は、“洗骨”という家族の儀式を通して、そこに至る過程での様々な家族の思いやバラバラだった家族がひとつになってゆく姿、血のつながりや親から子へ「生命」というものがバトンタッチされ鎖のように繋がれていく様をコミカルに描いている。

日本を代表する名優・奥田瑛二、日本映画界に欠かせない実力派俳優・筒井道隆、カンヌ国際映画祭出品作『光』で堂々の主演を演じた水崎綾女の3人を主要キャストに迎え、大島蓉子、坂本あきら、筒井真理子、鈴木Q太郎などが脇を固め、全編沖縄ロケによる美しい島や海の風景も見どころとなっている。

モスクワ国際映画祭は、カンヌ・ベネチア・ベルリンに続く世界4大映画祭のひとつであり、日本からは過去に黒澤明監督が『赤ひげ』でソ連映画人同盟賞を受賞。近年では2013年に大森立嗣監督・真木よう子主演の『さよなら渓谷』が審査員特別賞を受賞しており、翌2014年には熊切和嘉監督の『私の男』が出品され金賞に輝いたほか、主演を務めた浅野忠信が最優秀男優賞に輝いている。第40回モスクワ国際映画祭は、4月19日~26日(現地時間)に開催され、照屋年之(ゴリ)監督は現地入りし舞台挨拶も予定している。

■照屋年之(ゴリ)監督 コメント
今まで約10年間、地味に映画を撮り続けてきました。短編含め11作目(長編は2作目)の『洗骨』。まさかモスクワ国際映画祭で上映されるとは夢にも思わなかったので喜ばしい気持ちと、海外の人が「洗骨」という風習をどう感じるのか?楽しみな気持ちと半々です。この映画に関わった全ての関係者の努力が報われます。映画祭の雰囲気を存分に味わい、何かを吸収して帰って来ます。日本で上映の時が来たら沢山の方に観ていただきたいです!

■奥田瑛二 コメント
扉を開けなければどこへも行くことはできない。『洗骨』によって世界への扉が開いた。照屋年之監督(ゴリ)の旅がここから始まる。それは長い長い、苦しくも楽しい人生の旅が始まる。これはチャレンジではなく冒険の旅である。命がけでしかできないこと、それが映画だ!モスクワ映画祭という絶好なところへ『洗骨』が行く。こんな嬉しいことはない。なぜならこの映画には世界共通の普遍が描かれているからである。

『洗骨』
2018年全国ロードショー
監督・脚本:照屋年之 
出演:奥田瑛二 筒井道隆 水崎綾女 大島蓉子 坂本あきら 山城智二 前原エリ 内間敢大 外間心絢 鈴木Q太郎 筒井真理子

【ストーリー】 洗骨―。今はほとんど見なくなったその風習だが、沖縄諸島の西に位置する粟国島などには残っている。粟国島の西側に位置する「あの世」に風葬された死者は、肉がなくなり、骨だけになった頃に掘り起こされ、縁深き者たちの手により骨をきれいに洗ってもらうことで、晴れて「この世」と別れを告げることになる。沖縄の離島、粟国島・粟国村に住む新城家。長男の新城剛(筒井道隆)は、母・恵美子(筒井真理子)の“洗骨”のために、4年ぶりに故郷・粟国島に戻ってきた。実家には、剛の父・信綱(奥田瑛二)がひとりで住んでいる。生活は荒れており、妻の死をきっかけにやめたはずのお酒も隠れて飲んでいる始末。そこへ、名古屋で美容師として活躍している長女・優子(水崎綾女)も帰って来るが、優子の様子に家族一同驚きを隠せない。様々な人生の苦労とそれぞれの思いを抱え、家族が一つになるはずの“洗骨”の儀式まであと数日、果たして彼らは家族の絆を取り戻せるのだろうか?

©『洗骨』製作委員会