ヤマザキマリ「待っているだけでは面白い人生を紡ぐことはできない」、映画『ロンドン、人生はじめます』公開記念トークショー

ダイアン・キートン主演の映画『ロンドン、人生はじめます』が4月21日に公開となる。本作の公開記念トークショーが4月10日に渋谷のユーロライブで行われ、漫画家・随筆家として活躍中のヤマザキマリが登場した。

本作は『新しい人生のはじめかた』のジョエル・ホプキンスがメガホンを取り、『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』や『アニー・ホール』のアカデミー賞女優ダイアン・キートンと『ハリー・ポッター』シリーズのエミー賞俳優ブレンダン・グリーソンがタッグを組み、ロンドンの高級住宅地ハムステッドを舞台に、手作りの家で生活していたホームレスの男性の身に起こった実話を描く。

舞台に登場したヤマザキは「観た後にこんな爽快な気持ちになれる映画は久々。この感動をネタバレにならない程度にお話できたら」と挨拶。主演のダイアン・キートンについては「可愛らしいだけじゃなく、カッコよくて媚びない、女性らしくしなくちゃいけないという変なへつらいもない。何を演じても颯爽としてる」とべた褒めしつつ、「『マンハッタン』のダイアン・キートンがデフォルトのイメージ。インテリなんだけど、おちゃめでドジで、ちょっと女の子っぽい。他の人に真似出来ない役柄をうまく演じる人。この作品では、『マンハッタン』のダイアン・キートンが数十年経つとどうなるのかという雰囲気」と持論を展開した。

作品については「こういう映画をどんどん作って欲しい。人は年齢を重ねないと出てこない魅力がある。それを見極めることのできる成熟した男性もこの世にはいる。本作で描かれる2人にも紆余曲折あって、だから出て来る面白い人間味や悟り、コミュニケーションが観ていて心地よい。70歳や80歳になっても人間楽しめる。来るものを待っているだけでは、面白い人生を紡ぐことはできないことに気付かされた」と熱く語った。

イタリア・フィレンツェへ渡り、その後もエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカでの暮らしを経験してきたヤマザキ。この映画を観て新たなチャレンジは浮かんだか?という質問には「私は何ひとつとして『やってみよう』と思ってこうなったんじゃないんです。身を委ねていたら、いろんなところに暮らして、いろんな経験をして、今は漫画家という仕事をしている。これからまだいっぱいある感じはしています(笑)」と笑顔でコメントし会場を驚かせていた。

『ロンドン、人生はじめます』
4月21日(土)、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次公開
監督:ジョエル・ホプキンス
出演:ダイアン・キートン ブレンダン・グリーソン ジェームス・ノートン
配給:シンカ、STAR CHANNEL MOVIES

【ストーリー】 夫亡きあとに発覚した浮気や借金、徐々に減っていく貯蓄、うわべばかりの近所付き合い…様々な問題から現実逃避している未亡人エミリー(ダイアン・キートン)。ある日、自宅の屋根裏部屋から双眼鏡で外を眺めていると自然に囲まれてはいるが小さな家で暮らすドナルド(ブレンダン・グリーソン)を見つける。庭でのディナー、気ままな読書、森のピクニック…余計なものを持たずDIY暮らしで幸福なドナルドと知り合い、エミリーは頑固だけど温かい人柄に惹かれていく。そんな中、世間を巻き込む事件がドナルドに降りかかり、二人の恋の行方は予測不可能な展開に―。

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