浅田次郎の幕末小説をドラマ化!吉川晃司 × 上地雄輔「連続ドラマW 黒書院の六兵衛」放送決定!

浅田次郎による日本経済新聞連載の時代小説をドラマ化した、吉川晃司主演、上地雄輔共演で贈る「連続ドラマW 黒書院の六兵衛」が7月、WOWOWにて放送されることが決定した。

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本作は、江戸城無血開城の史実をベースに、自らの信義を通し一切口を利かぬまま江戸城に居座り続ける将軍直属の御書院番士・的矢六兵衛と、官軍側に付いた尾張藩から遣わされ六兵衛排除の任を負ってしまった下級藩士・加倉井隼人との交情を描く。

的矢六兵衛役には、本作で実に17年ぶりの主演を務め、ロックスターや俳優としてカリスマ的存在感を示してきた吉川晃司。尾張藩士・加倉井隼人役は、歌手やタレントとして活躍しながら俳優としても本格派の輝きを見せる上地雄輔が演じる。監督は映画『神様はバリにいる』や『ボックス!』などを手掛けた李闘士男、脚本はドラマ「新参者」の牧野圭祐が担当する。

キャスト&スタッフ コメント

■吉川晃司(的矢六兵衛役)
Q:WOWOW連続ドラマW初出演についての意気込み
連続ドラマWは良質なモノづくりをしているイメージで楽しみにしていましたが、実際やってみると結構コキ使われんだな、って思いました(笑)。今回主演を務めますが、普段の音楽活動においてもフロントマンとしてトータルプロデュースをする立場と考えれば、役回りに大きな違いはないし、むしろ余計な力を入れすぎないように心がけています。

Q:原作や脚本を読んだ際の感想
何百年と続いた武士の魂や覚悟というものを、この不動無言の的矢六兵衛という特異なキャラクターに背負わせた。その切り口、発想が非常に面白いと思いました。一方で、この原作の映像化は非常に難しいのではないかとも感じましたが、今回の脚本は本当に面白いものになっていると思います。

Q:実際に現場で演じてみての感想
ステージでも演技でも普段は動き回っている自分が、今回はセリフもなく動きも最低限。辛抱と受け身の極みをやる。これは大きな賭けだと思いました。一方で、的矢六兵衛の所作を身につけるために採り入れ日夜稽古に励んでいる弓馬術礼法小笠原流の極限まで無駄を削ぎ落としたしなやかな動きと求道者のような姿勢、これが役作りにおいても、撮影中の集中力やモチベーションを保つことにおいても、非常に重要な存在となっています。芝居については、相方となる上地くんの苦労も相当なものだと思います。なにせ、喋らない自分の分までセリフを背負わせているので。もはや落語の域ですね。心の中で常に旗を振って感謝応援しています。

Q:この映像化を通じて届けたい想いや、視聴者の皆様へのメッセージ
「武士道」というものを、動く絵にするとこうなる。それを楽しんで観て頂ければと思います。

■上地雄輔(加倉井隼人役)
Q:WOWOW連続ドラマW初出演についての意気込み
少しでもその作品の力になれるように、その役に自分の魂を全て捧ごうと思いました。

Q:脚本を読んだ際の感想
大変なものを引き受けたなと思いました。

Q:実際に現場で演じてみての感想
自分を削ぎ落とす気持ちで毎シーン演じているので、それが出ていれば嬉しいです。

Q:視聴者の皆様へのメッセージ
日本っていいなと思ってくれたら嬉しいです。

■浅田次郎(原作者)
「黑書院の六兵衛」はふしぎな小説です。ある晩、江戸城中にじっと座りこむ侍の夢を見て、そのままを小説にしました。もともとが夢の啓示なので一貫した物語性はないのですが、幸い新聞連載でしたから、じっくりと書きながらだんだん面白い話になっていきました。李闘士男監督とお会いしたのは、その連載がまだ終わらぬころだったでしょうか。ご一緒したロケバスの中で私がストーリーを語り、李監督が興味を示されて、突然映像化の話がまとまりました。これもやはりふしぎなドラマ化の経緯ですね。主役が吉川晃司さんと聞いたときは、なるほどと思いました。所作だけで表現をするというのはとても難しいことで、そうした役者さんはめったにいないでしょう。「黑書院の六兵衛」は、スタッフやキャストや視聴者のみなさんの、人生を変えるふしぎなドラマになるような気がします。

■李闘士男(監督)
Q:「黑書院の六兵衛」の連続ドラマでの映像化についての気持ちや意気込み
この「黑書院の六兵衛」という作品について浅田先生から初めてお聞きした時は、「なんてけったいな本なんだ!」と思ったのが正直なところです。主人公が全く喋らない、一体何をしているのかも分からないということは、映像化にあたっては非常に難しく手強い題材だと感じましたし、撮影中の今でもその思いは変わりません。しかし製作過程において、江戸城という“伏魔殿”にしかけられたミステリーであり、かつ幕末から明治という時代を生きた男が貫き通した「志」の物語でもあり、ここにエンタメ性とテーマ性とが見事に融合されていることに改めて気付かされました。“武士道”や“国を護る”といった堅固なテーマを損なうことなく、これと同時に、全6話を通じて六兵衛の魅力とミステリアスさも引き出して、視聴者のみなさんに楽しんでいただける渾身の幕末エンターテインメントをお届けします。

Q:原作、キャスト、連続ドラマW初監督に対する想い
WOWOWのオリジナルドラマは“大人が観るドラマ”というイメージで、目の肥えた視聴者に向けたエンターテインメントをどう作るか、またそれにトライできるというのは自分にとって大きなチャレンジであり、期するところがあります。浅田次郎先生からこの本を託されてから5年、ようやく形にすることができる日を迎えております。六兵衛には吉川晃司さん、加倉井には上地雄輔さんを迎え、原作読者の方にとっては意外なキャスティングであったかもしれませんが、実際、吉川さん演じる六兵衛は言葉を発さない謎の男ながらその背中や佇まいで多くを語り、上地さん演じる加倉井は六兵衛と関わることで人間として成長してゆく姿を、様々な表情を見せながら演じてくれており、作品をご覧いただきましたらきっと、お楽しみいただけると確信しています。

「連続ドラマW 黒書院の六兵衛」
7月、WOWOWにて放送予定(全6話)※第1話無料放送
監督:李闘士男
原作:浅田次郎「黑書院の六兵衛」(文春文庫刊)
脚本:牧野圭祐
出演:吉川晃司 上地雄輔

【ストーリー】 慶応4年、幕府と新政府の談判が成り、江戸城は不戦開城と決した。官軍側で気弱な尾張の下級藩士・加倉井隼人(上地雄輔)は、城の引き渡しを支障なく進めるための先遣として、城内に検分に入る。しかし、困ったことにただひとり、てこでも動かぬ旗本がいた。彼の名は的矢六兵衛(吉川晃司)。将軍直属の警護隊・御書院番の番士だった。六兵衛は黙って正座したままで、動くのはほぼ用を足すときだけ。西郷隆盛と勝海舟の約束により、城内での悶着は厳禁。つまり、力ずくでは六兵衛を退去させられない。居座りの意図を探る加倉井は、この六兵衛は本物ではなく六兵衛の名をかたる偽者だと知る。ますます混乱する加倉井ら。だが、しばらく時を過ごすうちに、古式ゆかしい貫禄でたたずむ六兵衛に対し、加倉井の胸裏には得体の知れぬ共感が湧いてくる。果たして六兵衛の居座りの理由とは。そして、天皇入城が迫る中、加倉井はどう手を打つのか。