松田龍平「僕自身も追い詰められていました」錦戸亮主演『羊の木』大ヒット御礼トークイベント

『桐島、部活やめるってよ』、『紙の月』など、人間の光と闇を描き続ける吉田大八監督の最新作で、錦戸亮主演で贈る『羊の木』が2月3日より公開中。このほど、2月26日にユナイテッド・シネマ豊洲にて大ヒット御礼トークイベントが行われ、キャストの松田龍平と監督の吉田大八が登壇した。

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純粋さと凶暴性を併せ持ち、物語のキーマンとして錦戸亮演じる主人公・月末を翻弄し続けるという難役・宮腰を演じた松田。吉田監督から脚本を読んだ感想を聞かれた松田は「群像劇なんですけど、月末だけが他のメンバー全員とつながりを持っている。囚人たちはなかなか重ならないから、それが映画になったときにどうなるんだろう」と思っていたという。対して吉田は「真ん中にいる人以外が個別に絡み合うのは定石。最初はそうやって作っていたんですけど、どんどん外していった。キャスティングをイメージしていったときに、月末と宮腰の2人がどうなっていくか見たいという気持ちになったんだと思う」と当時の胸の内を告白した。

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宮腰役を迷いながら演じたという松田は「雨に打たれながらしゃべるシーンも、迷いながらやっていて。何回もやって、役としても追い詰められていましたけど、僕自身も追い詰められていました」とコメント。対して吉田監督は「宮腰という役を作るにあたって、僕が松田龍平に甘えた部分がある。途中でわざと放り投げて、それを受け止めたらゴールに向かってくれるだろうと。そんな無茶振りをした自覚はある」とお互い撮影中の心中を語った。

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そんな松田も富山での撮影中はだいぶリラックスしていたようで、現地の役者の方とドライブにも出かけという。「日本一綺麗なカフェに連れて行ってもらいました。富山中のおしゃれな人たちが集まっていました(笑)」とニッコリ。最後に松田は「友達に『あの映画を觀てから怖い』と言われて。知っている友達にそう言われるのは嫌じゃないですか。俺のこと知らないお客さんは、尚さらだなと思って。大丈夫ですよ(笑)」と観客に笑顔を見せ、怖い人ではないアピールをしていた。

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『羊の木』
2月3日(土)より公開中
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:「羊の木」(講談社イブニングKC刊)山上たつひこ いがらしみきお
出演:錦戸亮 木村文乃 北村一輝 優香 市川実日子 水澤紳吾 田中泯 松田龍平
配給:アスミック・エース

【ストーリー】 ある寂れた港町“魚深(うおぶか)”にやってきた見知らぬ6人の男女。平凡な市役所職員・月末(つきすえ)は彼らの受け入れを命じられた。受刑者を仮出所させ、過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクト。月末、町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は知らされなかった。しかし、月末は驚愕の事実を知る。「彼らは全員、元殺人犯」。犯した罪に囚われながら、それぞれ居場所に馴染もうとする6人。素性の知れない彼らの過去を知ってしまった月末。そして、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文を巻き込み、町の人々と6人の心が交錯し始める。

© 2018「羊の木」製作委員会 ©山上たつひこ いがらしみきお/講談社