「1960年4月16日、3時1分前、君は俺といた。この1分を忘れない。」『欲望の翼』名セリフを収めた本編映像

『恋する惑星』、『ブエノスアイレス』、『花様年華』を後に発表するウォン・カーウァイ監督の2作目にして、各国の映画祭でセンセーションを巻き起こした傑作『欲望の翼』が、デジタルリマスター版として、2月3日より全国ロードショーとなる。このほど、「1960年4月16日、3時1分前、君は俺といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」という名セリフを収めた本編映像が公開された。

公開された本編映像は、ヨディ(レスリー・チャン)が、サッカー場の売り子スー(マギー・チャン)に近づこうと、売店で話しかけるロマンチックな場面。カウンターの中で掃除をしているスーにヨディが話しかけちょっかいを出すが、スーはまともに相手にしない。ヨディが「友達になろう」とスーを誘うが断られ、かわりに自分の腕時計を1分間見るよう促す。時計がアップで映し出され、1分が経過する。ヨディは「1960年4月16日、3時1分前、君は俺といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」という名セリフを言い残しその場を立ち去る。その後、スーの「彼があの1分を覚えたか分からないけど―、私は彼を覚えたわ。彼は毎日来て、1分間の友達から2分の友達へ…、そして1時間の友達になった」というモノローグが続き、二人の関係がここから始まったことがわかる。

この名セリフについて、公開当時、ウォン・カーウァイ監督は「ここではレスリーの女のあしらい方のツボを心得ているという感じを出したかった。そこから、こういうセリフが生まれてきたわけです」と語っており、あのセリフはヨディ役を演じたレスリー・チャンから着想を得て生み出されたことが示された。

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『欲望の翼 デジタルリマスター版』
2月3日(土) Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル
出演:レスリー・チャン マギー・チャン カリーナ・ラウ トニー・レオン アンディ・ラウ ジャッキー・チュン
配給:ハーク

【ストーリー】 「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」ヨディ(レスリー・チャン)はサッカー場の売り子スー(マギー・チャン)にそう話しかける。ふたりは恋仲となるも、ある日ヨディはスーのもとを去る。ヨディは実の母親を知らず、そのことが彼の心に影を落としていた。ナイトクラブのダンサー、ミミ(カリーナ・ラウ)と一夜を過ごすヨディ。部屋を出たミミはヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)と出くわし、サブはひと目で彼女に恋をする。スーはヨディのことが忘れられず夜ごと彼の部屋へと足を向け、夜間巡回中の警官タイド(アンディ・ラウ)はそんな彼女に想いを寄せる。60年代の香港を舞台に、ヨディを中心に交錯する若者たちのそれぞれの運命と恋──やがて彼らの醒めない夢は、目にもとまらぬスピードで加速する。

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