原田泰造、息子役の七瀬公は「柴犬以上になついた」 映画『ミッドナイト・バス』オフィシャルレポート

伊吹有喜の直木賞候補小説を原作とした、新潟発の映画『ミッドナイト・バス』が1月27日より公開となる。本作の公開を前に、1月18日、ニッショーホールにて完成披露舞台挨拶が行われ、主演の原田泰造、山本未來、七瀬公、竹下昌男監督が登壇した。

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本作は、作家の伊吹有喜が2014年に発表し、第27回山本周五郎賞、及び第151回直木三十五賞の候補となった長編小説「ミッドナイト・バス」(文春文庫刊)の映画化で、新潟と東京を行き交う深夜高速バスの運転手を主人公に、別れた元妻、息子、娘、そして現在の恋人との葛藤のなかで、一度壊れた家族がもう一度向き合い、それぞれの人生を再出発していく姿を描いた物語。

主人公の高宮利一役を演じた原田は、初主演映画『ジャンプ』以来2度目のタッグとなる竹下監督に「人間の感情の揺れ動きを表すのが上手い監督。勝手に先生だと思っている。監督に会うとピシッとするので、まるで先生と生徒です」と最敬礼。原田は撮影のために大型自動車免許を取得し、「3か月くらい教習所に通いました。教習所の先生からも“仕事がなくなったらやりなよ”と言われた」とスジの良さを自画自賛した。

16年前に別れた利一の元妻・美雪役の山本は、「原田さんが演じた役とは微妙な距離があるので、知り過ぎないようにと思い、撮影中はあまり話しかけませんでした」と振り返り、本作を通して「離れていても、一緒に住んでいても、軸として繋がっているのが家族だと思った」と家族の形にしみじみ。利一と美雪の息子・怜司役の七瀬は、役柄と自身の境遇を重ねながら「片親だからこその苦労や大変さを知っているところからスタートできたのは、自分にとって大きな利点だった」と話した。そんな七瀬に原田は「自分の本当の息子も同い年。でもこんなに肌はツルツルじゃない」と七瀬のキメの細かい美肌ぶりをいじリ、「距離感は実際の息子と同じでなついてくれた。劇中に柴犬が出てきますが、それ以上になついてくれました」と仲の良さをアピールした。

長編映画監督第2作目となった竹下監督は「真冬の新潟で撮りたくて、企画は2年だが、撮影は昨年3月に25日間でやったので大変だった」と明かすと、原田は「スケジュールもギュウギュウ。久々に立って寝ているスタッフを見た」とハードな目撃談も語ったが、「でも撮影は本当に楽しかった」と充実した表情。山本も「役はきつかったがやりがいもあり、楽しい撮影だった」と回想した。今月20日に先行上映される新潟では上映チケットの完売もあり、主演の原田は最後に「みんなで大事に作った映画です。ゆっくりとみてほしい」と本作への思いを込めた。

『ミッドナイト・バス』
2018年1月20日(土)より新潟先行ロードショー
2018年1月27日(土)より有楽町スバル座ほか全国ロードショー
監督:竹下昌男 原作:伊吹有喜『ミッドナイト・バス』(文春文庫刊)
出演:原田泰造 山本未來 小西真奈美 葵わかな 七瀬公 長塚京三
配給:アークエンターテインメント

【ストーリー】 長距離夜行バスの運転手・高宮利一(原田泰造)。16年前に妻の美雪(山本未來)と離婚後、故郷の新潟で暮らしつつ、新潟と東京間の運行業務にいそしんでいる。利一には美雪との間に、息子の怜治(七瀬公)、娘の彩菜(葵わかな)という子どもがいるが、別々に暮らしていた。利一にとって、東京で定食屋「居古井」を営む恋人・志穂(小西真奈美)との逢瀬がささやかな心の拠りどころだった。そんなある日、自身が乗務するバスに美雪が偶然、乗車してくる。彼女は、怪我をした父・敬三(長塚京三)の面倒を見るために、東京から新潟まで通っているとのこと。折しも東京で働いていたはずの怜司が突然、帰郷。友人とシェアハウスに住む娘の彩菜は、結婚と思い描く夢の間で揺れていた。新潟で共に過ごす機会が増えた利一たち。一度壊れた家族の心は、徐々に再び通い合う。やがて、それぞれの人生に向けて、新たな時間が動き出していくのだった。

(C)2017「ミッドナイト・バス」ストラーダフィルムズ/新潟日報社