ジェシカ・チャステイン、セクハラ告発で女優としてのキャリアを失うと不安に

『Molly’s Game モリーズ・ゲーム』(原題)の演技でゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされたジェシカ・チャステインが、ハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインのセクハラを告発したことで、自身のキャリアを失うと思っていたと明かした。チャステインは、ワインスタインのセクハラを告発した最初の女優の一人で、ツイッターでその被害を訴えていた。The Hollywood Reporterが伝えている。

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The Hollywood Reporter

ニューヨーク・タイムズのインタビューで、チャステインはゴールデン・グローブ賞ノミネートについて反応したが、ワインスタインのセクハラ告発によって女優として評価されなくなると思っていたようだ。「正直、自分がノミネートされたことに驚いている。役者としてとても恐れていたし、本音や女性としての規範に外れている発言をしたら、この映画業界から消されるのではないかと考えていた」と心境を明かした。

続けて、ワインスタインの報道記事が出た当時について、「ワッツアップ(メッセージアプリ)で女性同士の友人グループに入っていて、“今、自分のキャリアを壊しているのかと思うととても怖い。私を女優として見てくれる人はいるのか、私の意見を理解して共演してくれる人はいるのか心配”と打ち明けたの」と振り返った。

当時、支えてくれたのは同じ女性の友人たちだったと語るチャステインは、「彼女たちは私の恐怖を取り除いてくれたし、間違ったことを変えていく唯一の方法は、気づかないふりをするのではなく告発するしかないという私の考えを理解してくれた。これは映画業界に広がる問題というよりも、それ以上に社会に蔓延する問題よ。農業に従事する人々であっても私が知らない女性たちであっても見て見ぬふりをしてはいけない」と強く主張した。

チャステインは、ハリウッドのセクハラ問題が明るみに出たことで映画業界が生まれ変わることを期待している。「私たち女優が活動している業界は代わりがいくらでもいるから、どんな仕事に対してでも、それで得たものにも感謝する必要がある。でもそういう状況のなかでは私たちの立場が弱くなってしまう。特に、(映画製作の中心となるプロデューサーや監督と)一緒に働くときはね。マーガレット・ミードの“思慮深く献身的な市民の小さなグループが、世の中を変えられるということを疑ってはいけない”という言葉のように、そうやって私たちは行動したの」と語った。

チャステインの主演映画『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』は12月15日より日本で公開される。