セクハラ騒動のケヴィン・スペイシー降板で話題の『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』公開決定

フォーチュン誌によって、世界で初めての億万長者に認定された石油王ジャン・ポール・ゲティ。1973年に発生し、1700 万ドルの身代金を要求された彼の孫の誘拐事件を、『オデッセイ』、『グラディエーター』、『エイリアン』の巨匠リドリー・スコット監督が映画化した『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題)の日本公開が2018年初夏に決定した。

All The Money in the World

本作は全米公開を前に大きな壁にぶち当たった。ハリウッドの大プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインへのセクハラ告発に端を発した一連の騒動から派生し、12月22日の全米公開を目前に、30年以上前の共演者アンソニー・ラップへのセクハラ行為が原因でジャン・ポール・ゲティ役のケヴィン・スペイシーの降板が決定。お蔵入りすらささやかれたが、急きょ代役にオスカー俳優のクリストファー・プラマーを立て、短期間での再撮影を敢行し、予定通り全米公開することにこぎ着けた。

また本作は、12月11日にノミネーションが発表された“アカデミー賞”の前哨戦、第75回ゴールデン・グローブ賞において、主演女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)、助演男優賞(クリストファー・プラマー)、監督賞(リドリー・スコット)の3部門にノミネートされた。デヴィッド・スカルパによる脚本は、2015年度のハリウッドのザ・ブラックリスト(※映画スタジオ重役が選ぶ、映画化前の優秀脚本リスト。リストに載った作品はアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞することが多いことで有名)に選ばれたものだ。

ゴールデン・グローブ賞 ノミネートコメント

リドリー・スコット(監督賞)
ハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)が『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題)を評価してくれた事に感激し、心から感謝しています。またミシェル・ウィリアムズとクリストファー・プラマーの素晴らしい演技が称賛されたことも、誇りに思います。撮影後に予期せぬ挑戦が待ち受けていましたが、公開を楽しみにしている世界中の観客の皆様を思いながら、挑戦する決意を固めました。このプロジェクトに関わった何百人ものスタッフ・キャストが全てのシーンに魂を込めて、この挑戦へと立ち向かいました。素晴らしいニュースに、格別の喜びを感じています。ありがとうございます。

クリストファー・プラマー(助演男優賞)
『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題)を完成させたリドリー・スコット監督の素晴らしいチームに深い感銘を受けました。チームは驚異的な偉業を成し遂げ、私もこのかつてない機会に関われた事を嬉しく思います。ハリウッド外国人記者クラブの評価に深く感謝いたします。

ミシェル・ウィリアムズ(主演女優賞)
名誉あるノミネートに心から感謝しています。この感動を私の親愛なる友人リドリー・スコット監督と新しい友人であるクリストファー・プラマーと一緒に分かち合える事にも、大きな喜びを感じています。この作品に関われた事を誇りに思います。私にとって素晴らしい道のりでした。またヒュー・ジャックマンと『グレイテスト・ショーマン』のスタッフ達にも大きな祝福を贈りたいです。

『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題)
2018年初夏 公開
監督:リドリー・スコット
出演:ミシェル・ウィリアムズ クリストファー・プラマー ロマン・デュリス チャーリー・プラマー マーク・ウォールバーグ
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 “世界中のすべての金を手にした”と言われた大富豪ジャン・ポール・ゲティ。愛する17歳の孫ポールが誘拐され1700万ドル(当時のレートで約47億円)という破格の身代金を要求されたゲティは、こともあろうかその支払いを拒否。彼は大富豪であると同時に、稀代の守銭奴だったのだ。離婚によりゲティ家から離れ中流家庭の人間となっていたポールの母ゲイルは、息子のために誘拐犯のみならず世界一の大富豪とも戦うことに。一方、一向に身代金が払われる様子がないことに犯人は痺れを切らし、ポールの身に危険が迫る。しかし、事件は思いもよらぬ展開へと発展していく。

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