ジェシカ・チャステイン、セクハラ問題に言及「発信し続けたことが大きかった」映画『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』来日記者会見レポート

第二次世界大戦中のポーランド・ワルシャワで、動物園の園長夫妻が、ユダヤ人を動物園の地下に匿い、300人もの命を救った姿を描いた、知られざる感動の実話『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』が12月15日に公開。これに先だち、主演女優ジェシカ・チャステインが11月27日に初来日し、記者会見を行なった。

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初来日となったジェシカは、「自分にとって本当に大切な作品と共に来日できたこと、東京も観光できるとのことで喜んでおります」と笑顔で挨拶。今作への出演オファーがあった時、どんな気持ちだったかという質問には「最初に物語に触れた時に、アントニーナというキャラクターが本当に心に響きました。ヒーローというものがなんなのか、再定義しくれる作品。彼女は武器を持たず、愛と思いやりと共感力で人を救ったのですから」と熱く語った。

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実際の動物園や地下のトンネル、当時の様子が分かる博物館を訪れたというジェシカ。その時の様子を聞かれると「ポーランドを訪れたのは、とてもエモーシャルな体験だった。その場に身をおくと、事の重みをヒシヒシと感じました。アウシュビッツにも訪れたのですが、非常に心をかき乱されました。ポーランドへの旅は、2つの感情を体験することができました。ひとつはとてもダークで悲しいもの、もうひとつは思いやりに溢れた元気づけてくれるような感情でした」と複雑な感情を語ってくれた。

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ハリウッドで話題になっている大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題についてコメントを求められると、「今はメディアが民主化している。我々全員が自分の意見を発信できるプラットフォームを持っているという意味です。うやむやにならないように、女性が発信し続けたことが大きかった。そいうものがハリウッドでのセクハラ問題を公にするきっかけになったのではないかと思う」と、SNSなどによる個人の発信がセクハラ問題の顕在化に大きく貢献したと意見した。

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『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』
監督:ニキ・カーロ 
脚本:アンジェラ・ワークマン 
出演:ジェシカ・チャステイン  ダニエル・ブリュール ヨハン・ヘルデンベルグ マイケル・マケルハットン
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 1939年、ポーランド・ワルシャワ。ヤンとアントニーナ夫妻は、当時ヨーロッパ最大の規模を誇るワルシャワ動物園を営んでいた。アントニーナの日課は、毎朝、園内を自転車で巡り動物たちに声をかけること。時には動物たちのお産を手伝うほど、献身的な愛を注いでいた。しかしその年の秋、ドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が勃発。動物園の存続も危うくなる中、アントニーナはヒトラー直属の動物学者・ヘックから「あなたの動物を一緒に救おう」という言葉と共に、希少動物を預かりたいと申し出を受ける。寄り添うような言葉に心を許したアントニーナだったが、ヤンはその不可解な提案に不信感を募らせていた。ヤンの予感はまさに的中し、数日後、立場を一転したヘックは「上官の命令だ」という理由をつけて、園内の動物たちを撃ち殺すなど残虐な行為に出る。一方でユダヤ人の多くは次々とゲットー(ユダヤ人強制居住区)へ連行されていく。その状況を見かねた夫のヤンはアントニーナに「この動物園を隠れ家にする」という驚くべき提案をする。

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