アンジェリーナ・ジョリー、国連スピーチでハリウッドに蔓延するセクハラ問題を取り上げ、世界中で起こる“性的暴力”を非難

アンジェリーナ・ジョリーが、参加した国連の会合において、ハリウッドで広がり続けるセクシュアル・ハラスメント問題について言及し、性的暴力を非難するスピーチを行った。Entertainment Weeklyが伝えている。

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Entertainment Weekly

カナダのバンクーバーで開催された国連平和維持活動の閣僚会合に参加したアンジーは、「性的暴力は、私が働いている業界、ビジネス、大学、政界、軍…世界中のどこでも起こりえます。大抵は、女性に対するそのような犯罪は笑い飛ばされ、病気、あるいは過度な性的欲求として、自分をコントロールできない人々による軽い犯罪なのだとみなされます。しかし、女性を虐待する一人の男性は、性欲が過剰なのではありません。彼は残忍なのです」と、ハリウッドにおけるセクハラ問題に触れつつ、性的暴力を非難するメッセージを発した。

現在、ハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインをはじめとしたセクハラ行為が問題となっており、ワインスタインによるセクハラ行為を訴えた女性は、これまでに50人に上っている。その一人であるアンジーは、ニューヨーク・タイムズ紙でワインスタインからのセクハラ行為を訴え、その後仕事上の関係を解消したと明かした。ワインスタインの代理人は、「行為が合意ではなかったという主張は、ワインスタイン氏がはっきりと否定しています。また、ワインスタイン氏は、彼の勧誘を拒否した女性に対する報復も一切なかったと主張しています」とコメントしている。

国連でのスピーチでアンジーは、性的暴力は“女性の平等と全ての人権を達成するにあたって重大な障壁”となり、ときに戦争の兵器になると主張し、「(性的暴力という兵器は)銃弾よりも手に入れやすく、非常に残虐に作用する可能性があるという、受け入れがたい結果を生み続けます」と述べた。

また、国連難民高等弁務官事務所の特使を務めているアンジーは、バングラデシュへの亡命を求めるロヒンギャ難民の女性たちについて、「彼女たちのほとんどは、性的暴力を経験して生き延びたか、あるいは性的暴行など数多くの出来事を目撃してきました」と指摘。さらにアンジーは、コンゴ民主共和国についても言及し、46件の市民軍による子どもへの性的暴行疑惑に関する裁判が先週開かれ、その被害者の1人には18か月の幼児もいたと説明した。

アンジーは、“戦争兵器”としての性的暴力は十分に認知されていないと主張し、「性的暴力は性行為とは無関係であると納得したとしても、それは犯罪であり、兵器として利用されます。多くの人は、そうした状況に対して何かをすることは不可能であるといまだに感じています。しかし、証拠を収集し、法律や組織、専門知識をもって、私たちは加害者を明らかにできます。見失っていることは政治的意志なのです」と、性的暴力と戦うことは可能であることを訴えた。