ウォン・カーウァイ初期の傑作『欲望の翼』2018年2月、13年ぶりリバイバル上映決定!美しい新ポスタービジュアルも

『恋する惑星』、『ブエノスアイレス』、『花様年華』を後に発表するウォン・カーウァイ監督の2作目にして、各国の映画祭でセンセーションを巻き起こした傑作『欲望の翼』が、デジタルリマスター版として、2018年2月に上映されることが決定した。併せて、スタイリッシュな新ポスタービジュアルも公開された。

欲望の翼:ポスター

1960年代の香港を舞台に、若者たちの恋愛模様を描いた群像劇。第10回香港電影金像奨で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞(レスリー・チャン)を受賞。それまでの香港映画と一線を画す、浮遊感と疾走感の入り混じる語り口と映像美。レスリー・チャン、マギー・チャン、カリーナ・ラウ、トニー・レオン、アンディ・ラウ、ジャッキー・チュンらの当時「香港映画史上最初で最後」と言われたほどに豪華な、6人のトップスターを起用したキャスティング。モノローグを多用し、時系列に沿わないストーリー、印象的な音楽──『欲望の翼』はウォン・カーウァイ監督独特のスタイルが確立された原点と言え、実際に本作のモチーフは名作『花様年華』、そして『2046』へと引き継がれた。

クエンティン・タランティーノや、2017年のアカデミー賞作品賞に輝いた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督も影響を公言し、2015年にNY・メトロポリタン美術館で行われた「鏡の中の中国」展の芸術監督も任されるなど、ジャンルや国境をも超えて今なお熱烈に支持されるウォン・カーウァイ監督。その色褪せることない傑作群の中でも『欲望の翼』は2005年以降日本での上映権が消失しており、今回公開する劇場であるBunkamuraル・シネマが今年初夏に開催したウォン・カーウァイ特集上映でも本作の上映は叶わず、スクリーンでの上映は実に13年ぶり。「あの時にしか生まれ得なかった」奇跡の傑作が、制作から28年の時を経て新たな疾走を始める。

公開されたポスターも、ウォン・カーウァイの手によって当時の香港の空気感をそのまま閉じ込めたかのようなビジュアルとなっており、主人公ヨディ(レスリー・チャン)がスー(マギー・チャン)に語りかけるセリフ「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」が印象的だ。

『欲望の翼 デジタルリマスター版』
2018年2月 Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
監督・脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル
出演:レスリー・チャン マギー・チャン カリーナ・ラウ トニー・レオン アンディ・ラウ ジャッキー・チュン
配給:ハーク

【ストーリー】 「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」ヨディ(レスリー・チャン)はサッカー場の売り子スー(マギー・チャン)にそう話しかける。ふたりは恋仲となるも、ある日ヨディはスーのもとを去る。ヨディは実の母親を知らず、そのことが彼の心に影を落としていた。ナイトクラブのダンサー、ミミ(カリーナ・ラウ)と一夜を過ごすヨディ。部屋を出たミミはヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)と出くわし、サブはひと目で彼女に恋をする。スーはヨディのことが忘れられず夜ごと彼の部屋へと足を向け、夜間巡回中の警官タイド(アンディ・ラウ)はそんな彼女に想いを寄せる。60年代の香港を舞台に、ヨディを中心に交錯する若者たちのそれぞれの運命と恋──やがて彼らの醒めない夢は、目にもとまらぬスピードで加速する。

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