『007』とのつながりも!映画『ヒトラーに屈しなかった国王』のエリック・ポッペ監督来日記念トークショー オフィシャルレポート!

映画『ヒトラーに屈しなかった国王』の12月16日(土)全国公開に先がけ、本作の監督を務めたエリック・ポッペがプロモーションのため来日し、11月13日(月)にノルウェー王国大使館にて開催されたトークイベントに参加した。

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はじめに、ノルウェー王国大使館のアーリン・リーメスタ大使が登場し、「ノルウェーの歴史において、最もドラマチックな3日間がこの映画では描かれています」と紹介。本作がノルウェーでは非常に好評を博したことを話し、オスロにある王宮前の公園で行われた試写会では、1万人もの人がロイヤルファミリーと一緒に映画を観たことも伝え、日本で公開される喜びを感謝の言葉とともに語った。

大使に続いて登場したポッペ監督は、「すばらしい都市、東京にお招きいただき光栄です。映画監督として映画や音楽など日本の文化に影響を受けてきました」と挨拶した。本作の製作にあたって徹底した事前準備を行ったというポッペ監督は、「この映画を作るのには4年かかり、そのうち3年を脚本作りに要しました。実際に起こったことを忠実に再現することが何より大切だったので、実際に何が起こったか、人としてのホーコン7世がどんな人だったかを伝えるのが大事でした。およそ7万ページの本をひもとき、当時のことを覚えている人たちに話を聞きました。その中には、現在のハーラル国王の姉にあたるアルストリー王女もいて、祖父としての王の話を聞かせてもらいました」と語った。

続いて撮影へのこだわりについて、「私はこの映画を76年前に実際に起こった場所、つまり王宮で撮影したかったのです。通常では考えられないのですが、今回特別に許可を得ることができました。あるシーンでは、現在の王のオフィスの隣にある部屋を使用したのですが、“最小の人数で撮影するならOK”とのことで、私が自分でカメラを回していたところ、隣の部屋にいる現在の国王が電話で“いま隣で撮影しているから静かにしないといけないんだ”と話しているのが聞こえてきました。祖父である国王を撮りながら、その孫が電話しているのを聞くというシュールな体験をしました(笑)」とポッペ監督は述べ、奇妙な雰囲気で撮影をしていたと答えた。

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また、ポッペ監督はホーコン7世を演じた主演のイェスパー・クリステンセンを絶賛し、「国王を演じたイェスパー・クリステンセンは俳優としてとても素晴らしいのですが、何と言っても彼はホーコン7世にそっくりなんです。国王と双子じゃないかというくらい似ています。王様の格好をしたままで彼が歩いていたら、キッチンから出てきたスタッフが“王様のおばけだ!”と驚いて、手にしていたグラスや食器を全部落っことして壊してしまったほどです(笑)」と撮影秘話も語った。

ポッペ監督は本作と映画『007』にまつわるエピソードを披露し、「撮影前、イェスパー・クリステンセンがある日突然、“出演できなくなった”と電話してきました。『007 スペクター』にミスターホワイト役で出演せねばならず、終わるまでに1年かかると。そこで1年待つことにしたのですが、『007』の監督であるサム・メンデスとは親しいので、彼に電話して1つ条件を出しました。『007』が終わったらすぐにホーコンを演じられるように“白い長い髭を生やさせてほしい”と。だから、『007』でイェスパーは髭を生やしているんですよ(笑)」と意外なつながりを明かした。

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『ヒトラーに屈しなかった国王』
12月16日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督:エリック・ポッペ
出演:イェスパー・クリステンセン アンドレス・バースモ・クリスティアンセン カール・マルコヴィクス
配給:アット エンタテインメント

STORY 1940年4月9日、ナチス・ドイツ軍がノルウェーの首都オスロに侵攻。ドイツ軍の攻撃に抗戦するノルウェー軍だったが、圧倒的な軍事力によって、主要な都市は相次いで占領される。降伏を求めてくるドイツ軍に対しノルウェー政府はそれを拒否し、ノルウェー国王のホーコン7世は、政府閣僚とともにオスロを離れる。一方、ドイツ公使は再度の降伏要求のため、ノルウェー政府に国王との謁見の場を設けることをつきつける。翌日、ドイツ公使と対峙した国王は、ナチスに従うか、国を離れて抵抗を続けるか、家族のため、国民のため、国の運命を左右する究極の選択を迫られる。北欧の小国ながらナチス・ドイツに最も抵抗し続けたノルウェーにとって、歴史に残る重大な決断を下した国王・ホーコン7世の運命の3日間を描く。

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