蒼井優✕阿部サダヲW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』ローマ国際映画祭開幕、ヨーロッパプレミア開催! “共感度0%・不快度100%”の愛にスタンディングオベーション!

日本で劇場公開され観客から絶賛の声が続出しているという噂を聞きつけた報道陣は白石監督に興味津々。既に鑑賞した記者からも「最初は何が起こってるかわからず、ミステリーになり、ラブロマンスになり、最後は感動的な愛の物語になって見事に集約した輪を描くような映画だった」と賞賛されるほど。

原作は小説だが、映画化しようと思った理由を問われると「最後まで読むと汚い沼に、蓮の花が咲くような物語。描写もすごい汚い人たちの話で最後まで読むのに我慢を強いられました。でも最後の1ページを読むと美しく、愛おしく感じたんです。景色が180度変わるこのラストを描いて見たいと思い映画化することにしました。小説は長いので、どう短くするかが一番苦労しました。ただ自分が映画化しようと思ったあのラスト、小説の読後感を変えないようには心がけました」と語り、本作の映画化へのきっかけや苦労した点を明かした。

記者会見②

蒼井優、阿部サダヲといった役者陣の演技が輝いていたが、どのような演出に心がけたのかと問われると「誰にも感情移入できない“共感度0%”な物語なので、蒼井さんもどこまで観客に嫌われて良いのか悩んでいました。でもそこは自分を信じて思い切り嫌われて欲しいと伝えたんです。最後まで見たら観客は絶対について来ると言いました。それで彼女も思い切ってくれたと思います。阿部さんはいつも清潔感があるイメージなので、どこまで汚せるかとおもったのですが、最後に表現したい純粋さを出すには、彼に持っている清潔感が必要だと思いました。彼も汚れ役を楽しんでくれて、一緒に作り上げて行けたと思います」と、キャスティングの妙を魅せれたと語った。

また本作を作る上で影響を受け、意識した監督や作品を問われると「一番のテーマは無償の愛。これまでは実録物や、暴力映画を撮る事多かったのですが、イ・チャンドンの『シークレット・サンシャイン』が好きで。人間を大きな視点で肯定しています。この小説を映画化しようと思った時に、そんな映画が作れるのではと感じたのです」と語り、記者たちからは続々と手が上がるもここで記者会見が終了。

続いてローマの情緒あるストリートに敷かれたレッドカーペットでは、本映画祭のディレクター・アントーニオ・モンダ氏に迎え入れられ白石監督が登場。すると大勢の報道陣からシャッターの嵐が巻き起こり、詰めかけた観客からは記念撮影や、サインを求められる人気ぶりで、たっぷりとファンサービスをこなした。

レッドカーペット直後に開催された上映会では、ヨーロッパ初上映となる本作をいち早く観ようと、約600席の劇場が満席で埋め尽くされ、万雷の拍手が鳴り響くなか手を振りながら白石和彌監督が登場し、観客達と一緒に鑑賞。日本発の“共感度0%・不快度100%”のストーリに、観客達は感歎し、上映後には泣いている観客の姿が多数みられ、自然と観客からスタンディングオベーションが巻き起こった。白石監督は「映画の愛の形がヨーロッパの人たちにも受け入れてもらえた」と語り、ヨーロッパ初の上映を楽しんだようで、ローマ国際映画祭を大いに沸かせてくれた。

レッドカーペット①

『彼女がその名を知らない鳥たち』 大ヒット御礼トークショー開催決定!
●日時:11月10日(金)18:10~上映回 ※上映後の登壇予定
●場所:新宿バルト9 
●登壇者:蒼井優、白石和彌監督
●チケット販売について:
①11/6(月)24:00(=11/7(火)AM0:00)よりオンライン予約KINEZO EXPRESS
 (http://kinezo.jp/pc/wald9)にて発売開始※クレジット・ムビチケのみ
②残席がある場合のみ、11/7(火)劇場OPEN時より窓口販売あり
●料金:通常料金。各種割引適用。ムビチケ使用可。
●詳細は映画公式サイト(http://kanotori.com)、劇場HP:http://kinezo.jp/pc/wald9にて告知

『彼女がその名を知らない鳥たち』
監督:白石和彌
原作:沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」(幻冬舎文庫)
出演:蒼井優 阿部サダヲ 松坂桃李 村川絵梨 赤堀雅秋 赤澤ムック 中嶋しゅう 竹野内豊
配給:クロックワークス

STORY 八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、「十和子のためなら何でもできる」と言い続ける陣治が、執拗に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める―

(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

< 12