「アキ・カウリスマキが愛するフィンランドの映画」特集上映開催決定!フィンランド独立100周年&『希望のかなた』公開記念!!

フィンランド独立100周年とアキ・カウリスマキ監督最新作『希望のかなた』の12月2日公開を記念し、カウリスマキ監督が選んだフィンランド映画の傑作・名作6本を紹介する特集上映「アキ・カウリスマキが愛するフィンランドの映画」が11月25日(土)~12月1日(金)の7日間、渋谷・ユーロスペースで開催されることが決定した。

カウリスマキが愛するフィンランドの映画_チラシ

2017年12月6日にフィンランドは独立100周年を迎える。作家の村上春樹がフィンランドと聞いて真っ先に思い浮かぶのはアキ・カウリスマキの映画と言うように、アキそして兄のミカのカウリスマキ兄弟の映画は日本でもよく知られている。また近年では毎年恒例の「フィンランド映画祭」でも最新のフィンランド映画が紹介されるようになった。しかし意外にも、フィンランド映画史を彩る名作の数々に日本でふれる機会は、これまで多くはなかった。

フィンランド独立100周年という記念すべき年に、アキ・カウリスマキ監督が日本の観客のために、選りすぐりのフィンランド映画6本を届けてくれた。日本からのリクエストに応えるかたちで選ばれた上映作品は、フィンランド古典映画の名作やカンヌ映画祭で受賞した吸血鬼映画、カウリスマキが敬愛する監督の作品やカウリスマキの盟友・故マッティ・ペロンパーの主演作などバラエティ豊かな6本。そのほとんどが日本未公開である。

「アキ・カウリスマキが愛するフィンランドの映画」開催概要

会期:2017年11月25日(土)~12月1日(金)

会場:ユーロスペース 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 3F tel.03-3461-0211 www.eurospace.co.jp

料金:一般1500円/大学生1200円/会員・シニア1100円/高校生800円/中学生以下500円

上映作品:
『夏の夜の人々』 監督:ヴァレンティン・ヴァーラ 1948年/66分/モノクロ/DCP
『白いトナカイ』 監督:エーリック・ブロンベリ 1952年/68分/モノクロ/DCP
『少年たち』 監督:ミッコ・ニスカネン 1962年/100分/モノクロ/DCP
『労働者の日記』 監督:リスト・ヤルヴァ 1967年/87分/モノクロ/35mm
『ラプシーとドリー』 監督:マッティ・イヤス 1990年/101分/モノクロ/35mm
『僕はラスト・カウボーイ』 監督:ザイダ・バリルート 2009年/123分/カラー/35㎜

主催:ユーロスペース 共催:Finland 100 Program、Midnight Sun Film Festival

協賛:フィンランド大使館、フィンランドセンター 協力:トーキョーノーザンライツフェスティバル実行委員会、フィッカ

「アキ・カウリスマキが愛するフィンランドの映画」上映作品詳細&スケジュール

『夏の夜の人々』 Ihmiset suviyössä/People in the Summer Night
監督:ヴァレンティン・ヴァーラ 出演:エイラ・ペコネン マルッティ・カタイスト
1948年 66分 DCP モノクロ 日本語・英語字幕付き

美しい田園が広がる田舎町、夜でも陽の沈まない白夜の一日に、様々な人々の愛と死、そして誕生の物語が交差する。フィンランド唯一のノーベル文学賞作家フランス・エーミル・シランペーの原作を、ヴァーラ監督がエイノ・ヘイノのカメラとタネリ・クーシストの音楽によって透明な美しさをたたえた映像詩に昇華させた。フィンランド映画初のホモセクシュアルの役と言われるノキアを演じたマルッティ・カタイストが本作でユッシ賞主演男優賞を受賞した。
夏の夜の人々1

『白いトナカイ』 Valkoinen peura/The White Reindeer
監督:エーリック・ブロンベリ 出演:ミリヤミ・クオスマネン カレルヴォ・ニッシラ
1952年 68分 DCP モノクロ 日本語・英語字幕付き

トナカイ飼いの妻が、不在がちな夫の愛を取り戻そうとシャーマンの元を訪れるが、呪いによって白いトナカイの吸血鬼にされてしまう。ラップランドの神話を表現主義的手法で描き、カンヌ映画祭でジャン・コクトーからベスト・フェアリーテール賞を授与され、ゴールデングローブ外国語映画賞を獲得した。主演のミリヤミ・クオスマネンの魅惑が強烈な印象を残す。
白いトナカイ1

『少年たち』 Pojat/The Boys
監督:ミッコ・ニスカネン 出演:ペンッティ・タルキアイネン ヴェサ・マッティ・ロイリ
1962年 100分 DCP モノクロ 日本語・英語字幕付き

パーヴィ・リンタラの小説が原作。第二次大戦後期、ドイツ軍が駐留する北部の街オウルで兵士に憧れる少年たちの日常。ソ連との継続戦争がフィンランドに残した傷を少年 の視点から描き、後のフィンランド映画に多大な影響を与えたニスカネン監督の第一作。有名ミュージシャン俳優ヴェサ・マッティ・ロイリが本作でデビューした。
少年たち

『労働者の日記』 Työmiehen Päiväkirja/The Diary of Worker
監督:リスト・ヤルヴァ 出演:パウル・オシポヴ エリナ・サロ
1967年 87分 35mm モノクロ 日本語・英語字幕付き

リスト・ヤルヴァ監督の1960年代の作品の中で最も重要な作品。溶接工の男とブルジョワジーの女が結婚するが、家族や社会との関わりの中でふと現れる格差にやがて二人の心はすれ違い、結婚生活にもひずみが入り始める。フィンランド初のプロレタリア映画と言われ、公開当時、格差社会に対する議論を生みだした。
労働者の日記

『ラプシーとドリー』 Räpsy ja Dolly/Dolly and Her Lover
監督:マッティ・イヤス 出演:マッティ・ペロンパー ライヤ・パーラネン
1990年 101分 35mm モノクロ 日本語字幕付き

刑務所から出所したばかりの元セールスマンのラプシーと、パリを夢見るアルコール依存症の元ダンサー、ドリーのほろ苦い恋物語。カウリスマキの盟友であったマッティ・ ペロンパーがこざかしくも憎めないラプシーを演じている。テレビと映画の両方で、社会の片隅に生きるエキセントリックな人々を描いてきたマッティ・イヤス監督の作品。
ラプシーとドリー

『僕はラスト・カウボーイ』 Skavabölen pojat/Last Cowboy Standing
監督:ザイダ・バリルート 出演:イルマリ・ヤルヴェンパー オニ・トンミラ
2009年 123分 35㎜ カラー 日本語字幕付

アンッティ・ライヴィオの戯曲が原作。1970年代、息子が見つけたある手紙によって、絵に描いたように理想的な家庭が崩壊してゆく。両親の離婚、引っ越し、父の再婚、そして暴力。二人の息子は親の事情にふりまわされながら大人になるが…。近年のフィンランド映画界において最も有望な女性監督の一人ザイダ・バリルートの初長編作品。
僕はラスト・カウボーイ

■上映スケジュール
11月25日(土) 13:00 夏の夜の人々/15:30 白いトナカイ/18:45 少年たち
11月26日(日) 13:00 労働者の日記 /15:30 ラプシーとドリー /18:45 僕はラスト・カウボーイ
11月27日(月) 13:00 夏の夜の人々 /15:30 僕はラスト・カウボーイ
11月28日(火) 13:00 白いトナカイ /15:30 労働者の日記/18:45 ラプシーとドリー
11月29日(水) 13:00 白いトナカイ /15:30 少年たち/18:45 夏の夜の人々
11月30日(木) 13:00 僕はラスト・カウボーイ/15:30 ラプシーとドリー/18:45 労働者の日記
12月1日(金) 13:00 少年たち/15:30 夏の夜の人々/18:45 白いトナカイ

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『希望のかなた』
2017年12月2日(土)よりユーロスペース、新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
監督・脚本:アキ・カウリスマキ
出演:シェルワン・ハジ サカリ・クオスマネン
配給:ユーロスペース

STORY 内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。この街でも差別や暴力にさらされるカーリドに、レストランのオーナーのヴィクストロムは救いの手を差しのべ、自身のレストランに雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた人生をやり直そうとしていた。それぞれの未来を探す2人はやがて“家族”となり、彼らの人生には希望の光がさし始める…。

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