國村隼、ヴァンニャ・ダルカンタラ監督の記者会見!映画『KOKORO』オフィシャルレポート

Q: 本作品に出演して日本映画と海外映画の違いを感じることはありましたか?

國村:日本の映画も海外の映画も違いはないと思います。人種や言葉の違いは壁にはならないですね。監督の個性が違いになるのだと思います。そういった点では、監督の方法、セリフで伝えるのではなく、画として見せる・伝えるという映画の手法はぴったりと合っていました。

Q: 10代のこと日本の映画や文化に影響を受けたと仰っていましたが、具体的にどういった作品でしょうか?また画で見せる手法も日本から影響を受けたのですか?

監督:日本の文化が全てではなく、自身の経験も大きく影響しています。サイレンスは美しい価値です。居心地が良いです。西洋の文化とは違いますね。日本独特の、焦りを感じさせない心地良さです。本作品でも主人公のアリスとジロウが無言で過ごす場面も心地の良い感じがしました。そこに言葉はいらないと。

Q: どういった方に観て頂きたいですか?

監督:監督は皆、ナイーブな心を持ち、皆に観て貰いたいと思うでしょう。色んな人に観てもらうために世界共通語で作品を撮ったり。しかし、私が心がけたことは西洋の方、日本の観客の方、こういう言い方は可笑しいと思いますが“大人の方”が解って頂けると思います。これはあり得ないなと思うシーンもあるかと思いますが、映画の中のファンタジーとして捉えて頂きたいです。

Q: 最後にこの映画を御覧になる方へのメッセージをお願いします

國村:この作品は、日本という文化にリスペクトを持っています。そこに僕は参加させて頂けてとても光栄です。タイトルも『KOKORO』。心は日本語では抽象的な言葉ではありますが、それをアルファベット表記でタイトルにしている。一目でこの作品を物語っているタイトルだと思います。何気なく思っている私たちの文化が、特別な視点で(海外の方に)作られ、こんな見方もあるんだなと感じて頂ければと思います。そして、ベルギー等に興味を持って頂ける作品ともなっています。

監督:この原作となった本のタイトルは日本語に訳すと『常に鼓動を続ける心臓』です。私はこのタイトルを映画にする時は変えたいと思っていました。翻訳を色々使って調べたら『心』が出てきて、とても合っているなと思いました。オープンなタイトルでとても日本に合っているなと。國村さんが仰ったように「KOKORO」というタイトルはこの作品のシンボルだと思いました。

『KOKORO』
11月4日(土)ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:ヴァンニャ・ダルカンタラ
出演:イザベル・カレ 國村隼 安藤政信 門脇麦 長尾奈奈 葉山奨之
配給・宣伝:ブースタープロジェクト

STORY 夫と思春期の子供二人とフランスで暮らすアリスの元に、長い間旅に出ていた弟ナタンが戻ってきた。ナタンは日本で生きる意欲を見つけたと幸せそうに語る。しかしその数日後、彼は突然この世を去ってしまう。弟の死にショックを受けたアリスは、弟を変えた人々、そこにある何かに出会うため、ひとり日本を訪れる。ナタンの残した言葉を頼りに、弟の足跡をたどっていくアリス。そこで彼女は、海辺の村に住む元警察官ダイスケと出逢う。彼は飛び降り自殺をしに村の断崖を訪れる人々を、そっと思いとどまらせているのだった。求めすぎず、静かに傷をいやすことのできるその場所に、アリスはどこか安らぎを感じる。そしてダイスケをはじめとするジロウ、ミドリ、ヒロミ、ハルキら、その村で出会った人々との交流が、静かにアリスの心に変化をもたらしてゆく――。

Ⓒ Need Productions/Blue Monday Productions

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