『パーティで女の子に話しかけるには』美しき天才、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督来日!友人の俳優・山本耕史さんと即興で大熱唱!

今もなお「生涯のベスト1」の声多き伝説の名作『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の原作・監督・脚本・主演を務めたジョン・キャメロン・ミッチェルの待望の最新作『パーティで女の子に話しかけるには』が、12月1日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次公開となる。(映画が製作されたイギリス・アメリカに先駆けて日本が世界初公開)

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ミッチェル監督は、オリジナルキャストで日本初上演となる『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』舞台への出演と、本作のプロモーションのため、9年ぶりに来日。10月19日、ミッチェル監督が登壇しての、世界で初となるプレミア上映が行われた。

また、ミッチェル監督の長年の友人である実力派俳優・山本耕史さんがゲストとして登壇。山本さんは、2007年、2008年、2009年の3度に渡り同舞台でヘドウィグを演じ、ミッチェル監督とは2008年のジョイントライブでも共演している。

鳴りやまない拍手の中登場した、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督は、「15年ぶりに日本の映画館に戻ってこられてうれしいです。(『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』劇場公開時のメイン館である)シネマライズがもうなくなってしまったのは残念ですが、この映画は日本の観客の心に残るものになることを願っていますし、そうなる予感がしています。なぜならこの映画は初恋についての映画だからです。パンク少年とエイリアンによるものだけどね(笑)」とあいさつ。

本作は、日本でも『コララインとボタンの魔女』などで有名なニール・ゲイマンの短編が元になっているが、本作を手掛けることになった経緯について、監督は、「もともとは気心の知れているプロデューサーが開発していた企画ですが、何年もかけて僕のことを口説いて引っ張りこんでくれたんです。原作ではワンシーンしか描かれていなかった物語を、時間をかけて膨らませて、より豊かな世界に広げていきました」と説明する。

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遠い惑星からやってきた女の子ザンを演じたエル・ファニングについて、「一緒に仕事をしてきた中で、今までで一番楽しいと思わせてくれた女優です。スターであると同時に女優であるというのは難しいことだと思うのですが、彼女はその両方を兼ね備えていて、この映画は彼女にとってそれを両立させた初めての作品ではないかと思います」と彼女を称える。
また、ニコール・キッドマンが、パンクのゴッドマザー的存在であるボディシーア役として出演。それについて、「今回は、いつも彼女が演じるような役とは全く違う、汚れた役をやってもらいました。実は、あるシーンの撮影中、パンク少年が彼女の顔につばを吐き続けたり、ギターの角が頭に当たってしまうような場面があって、僕はそれを見て、これこそ“パンク”だなと思いました(笑)。彼女は、“ジョン、こんな目に遭って全然居心地いい現場じゃないけど、サイコーよ!”と言ってくれたんです」と語る。
さらに、「この映画を観て皆さんにも感じてもらえると思いますが、僕はいつかニコールとエルは母娘の役を演じるべきだと思っています」とふたりに対して監督自身が抱く期待も明かしてくれた。

これまでの作品の中でも“音楽”が重要なカギを握ってきたミッチェル監督が、今回パンクを選んだことについて、「今の若い人たちは、親から手渡されたこの世界をどこか奇妙で怖いものであると感じているんじゃないかと思います。反対に、上の世代の人たちは色んなことに対して怒りを持っているけど、それがどこか偏ったものになってしまっている。だからこそ若い人たちには新しい形でのパンク・スピリットを持ってほしいんです。なぜならパンクが持つ反抗心とは、抑圧するものや様々なことに問いかけをすること、自分とは違う多様なものを受け入れていくこと…そんな、すごく健康的なものだから。すべてを綺麗なものに変えてしまうような怒りの力で、愛を探していってほしい。この映画は、そんなクリエイティブなパンク・スピリットを思い出させてくれるものになっています」とパンクへの持論と熱い想いを語ってくれた。

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