岩合光昭「絶景の中に暮らすネコを探している」 『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き』京都国際映画祭舞台挨拶レポート

【京都国際映画祭】世界のネコ歩き舞台挨拶写真①

10月15日(日)京都国際映画祭にて『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』の特別上映が行われ、上映後、世界的動物写真家・岩合光昭が舞台挨拶を行った。本作は、岩合がネコの目線で世界の街角のネコを撮影し、自らがネコに語りかける様子をともに紹介するNHK BSプレミアムの人気番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」の劇場版で、名場面の数々をテレビ未公開映像と合わせて再構成したものとなっている。

MCより紹介を受けて登場した岩合は、「コトラの赤ちゃんたちが大きくなって立派に大人になって。生まれたときから今まで足かけ3年も撮影したことがあまりなかったので、ぼくも感動しながらカメラを覗いていたんです」と、“いのちの大切さ”を伝えたいということを主旨に、この撮影をしていることを伝えた。

「世界のネコとはどのようにして出会うのですか」というMCの問いに、「調べて行って出会うことももちろんありますが、突然の出会いもあります」「基本的に人が暮らしているところ、どこにでも(ネコは)いると思います。インドはまだロケしてないですが、インドの方と話す機会があった時に“いるよ!”と言われたんで、そのうちインドも行きたいな」と語り、「ターバン巻いたネコとかカレー食っているネコとか…」とMCの冗談交じりの発言には、「(ネコが)カレーを食べているのは見たことあります。イタリアではパスタをすするネコも」と返答。「いろいろなネコがいるんですね。」とMCも驚きの表情だった。
 
「動く被写体ですから、なかなか思い通りには撮れないんじゃないですか?」というMCの質問に、「いい質問ですね!」と岩合。「こちらがこういう映像を撮りたいと思っていても、ネコの機嫌をみながら、距離感をとりながら、徐々に近づいていくという方法をいつもとるようにしています。世界ネコ歩きの基本なんですけど、いい絶景の中に連れていくのではなくて、絶景の中に暮らしているネコを探しながら撮っているんで、ネコの表情にも表れているかと」と撮り方の秘訣を語った。
 
ネコと出会ったのは、高校生のときという岩合。「高校の友達の家に遊びにいったらネコが28匹いて一目ぼれだった」という。「動物全般好きで、撮ったばかりの被写体がぼくは好きです」と語った。

「危険な目に遭われたことは?」との問いに、「ラスベガスに行った時、人が一番怖かったです」と明かし、「面白いのですが、ネコを撮っていると怖い顔のお兄さんでも“なんだネコか”と言ってくれて優しい目になる」と裏話も語ってくれた。最後に、「今ご覧いただいた方々が日本で一番最初にこの“劇場版ネコ歩き”をご覧いただいた方々です。まだ誰も観ていないです」と最速上映であったことが伝えられ、盛大な拍手の中、舞台挨拶は終了した。

『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち』
2017年10月21日(土)より、ユナイテッド・シネマ他全国ロードショー
出演:岩合光昭
語り:吉岡里帆
音楽:高野正樹
製作・配給・宣伝:ユナイテッド・シネマ

STORY 世界的動物写真家、岩合光昭がネコの目線で撮影する世界中のネコを、岩合氏自らがネコに語りかける様子と共に紹介するNHK BSプレミアムの人気番組「岩合光昭の世界ネコ歩き」。本作は番組ファンのあいだで人気の≪津軽の四季≫より“コトラとその家族”を中心に、岩合お気に入りの世界6カ国のネコたちの生きる姿を再編集。TVでは放送されなかった、選りすぐりの未公開シーンと共に、この夏に撮影予定の“コトラの子どもたち”の今の姿を紹介する。青森県・津軽の大地で、太陽を浴び真っ赤に育ったリンゴのように愛くるしく、そして力強く生きるネコたちの姿に癒されよう。

©Mitsuaki Iwago © Iwago Photographic Office