映画『We Love Television?』日本テレビ土屋敏男✕フジテレビ三宅恵介がスペシャル対談!萩本欽一の知られざる作り手魂について語り尽くす!

“視聴率100%男”萩本欽一を追いかけたドキュメンタリー映画『We Love Television?』の試写会が10月16日(月)に日テレホールで行われ、土屋敏男監督と、フジテレビ「欽ちゃんのドンとやってみよう!」、「オレたちひょうきん族」、「ライオンのごきげんよう」、「あっぱれさんま大先生」、「平成教育テレビ」など様々な作品に参加し、フジテレビの黄金期を築いた三宅惠介が対談イベントに登壇。視聴率30%を超えるバラエティ番組がなくなった昨今、当時視聴率30%番組を連発した萩本欽一の番組作りとはなんだったのか、というテーマで語った。

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三宅は「「欽ドン!良い子悪い子普通の子」の初回が7.9%。良いとは決して言えない数字でしたが、若い人が観て面白い、と反響があったんです。そこで『若い人に人気があるんだったら』ということで、その後レギュラーになり、17%まで上がり、さらに月曜日に放送時間が移ったことで30%へと。つまり、視聴率30%を撮る秘訣というのは、単発の番組では取れない、ということなんだと思うんですよね」と語ると、土屋監督も「欽ちゃんの基本的なやり方は、レギュラーで重ねていって、視聴率を上げていくというやり方ですよね」と大きくうなずいた。
続けて三宅が「知らない人・無名な人がだんだん有名になっていき、その様を見たいという人が増えてきて、数字(視聴率)を取っていくようになる。つまり成長を撮るんですね。映画に出てくる番組は単発番組でしたけど、あの番組も続けていけば視聴率を取るようになっていたかもしれない」と語った。「電波少年」シリーズで30%視聴率をとった経験のある土屋監督は「僕が基本的に『進め!電波少年』でやっていたことって、欽ちゃんが番組の中でやっていた『誰も知らない人を起用して成長物語をみせる』というのをロケでやっていたんです。映画の中でも猿岩石に触れていますが、基本的にはそのフレームを使ってやっていました」と話した。

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そこから話題は“視聴率100%男”と呼ばれた萩本欽一の番組作りの秘密について。三宅は「僕は、40年近くやっていても、欽ちゃんが何言っているのかが半分もわからないんです。映画の中でも河本くんが稽古場で『もっと平たく言って』とか、『その後足して』とか言われているでしょう。正解は大将の頭のなかにしかないので、スタッフの僕たちも何をやりたいのかがわからないんです」と語ります。土屋監督は「それは“意味が分からなくてもいいから、みんなそれぞれ全力でやれ”ということなんだと思うんです。出演者、スタッフみんなの全力が合わさって、視聴率30%という奇跡が起こるという。視聴率30%というのは、番組を超えて物語なんですよね。物語のない所に奇跡は起きないし、ドラマも起きないし、30%はない」と語った。加えて「映画の中に欽ちゃんの70歳の誕生日を収めた場面があるんですが、西山(浩司)さん一人だけが来て酒缶を置いていくんです。普通の人からしたらさみしい誕生日ですよね。でも欽ちゃんからしたらプライベートが楽しくてどうするんだ、となるんです。プライベートで運を使ったら番組が成功しないと考え、それを実際に実践しているんです。全てを捨てて、テレビや番組に捧げているところを見ると、あれには勝てないなと思います」と萩本さんストイックな姿勢について話した。

40分ほど続いた対談は最後に三宅の「テレビ制作にたずさわる若者にはこの作品をぜひ見てほしいです。この映画で皆さんが思わず笑ったシーンは、リハーサル中のドキュメント的な笑いです。計算できないから笑ってしまうんです。そして劇中で欽ちゃんが言う『台本を面白くしちゃだめ』という言葉。テレビの面白さは、作家と演者とディレクターの1+1+1が5になったり、10になったりするチームプレーの奇跡なんです。バラエティ番組は、完成させてはいけないんです。この映画を見て、大将に実際に会って話しているときのエネルギーをもらう感じを味わってほしいですね」というコメントで締めくくった。

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『We Love Television?』
2017年11月3日(欽・祝)全国公開
監督・構成・企画:土屋敏男(つちや・としお)
出演:萩本欽一 田中美佐子 河本準一
配給:日活

STORY ある日突然、土屋敏男がカメラを抱えて萩本欽一の自宅に訪れる。「視聴率30%超えの番組を作りましょう。」その一言から、萩本欽一と土屋敏男の番組作りが始まる。番組に出演する演者との顔合わせ、番組構成に関わる人達との打ち合わせなどを精力的にこなす萩本欽一は、76歳。新しいものへの探求心、笑いへの追求心…周囲の人達の熱量を最大限に引き出していく萩本欽一独自の手法とは?これまで誰も見たことのない萩本欽一の真の姿を追った、最初で最後のドキュメンタリー映画。

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