「僕はこれまでの人生でこんな個性に出会ったことがない」山﨑努×樹木希林、56年の時を経て夫婦役にて奇跡の初共演

沖田修一監督コメント

■樹木希林さんについて

樹木希林さんは、撮影現場の家の縁側の、風通しの一番いいところにいつも座っていらして、目を瞑るその姿を見ていると、眠っているのかわからず、迂闊に声もかけられず、しかし、いざ撮影が始まると、面白さに貪欲で、また厳しく、たくさんのアイデアを持ち、持道具を考え、あとは、縁側にいた時と同じ、まるで住人のように、スッとカメラの前に入ってこられるので、監督としてはどうかと思いますが、もう何も言う事なんてなくて、ただただ、樹木希林さんとのお仕事が楽しかったのです。魔法使いのようでした。たくさん笑いました。
そもそも、自分の映画に、山﨑努さんと、樹木希林さんが出ていること自体が、奇跡みたいなものですから、僕は、この台本を撮りたいと言って見せ、あとは何もする事なんてなかったのかもしれません。

■映画のこと 

熊谷守一さんの絵のような、映画を作りたいと思いました。
大きくはないけれど、シンプルで、奥深く、小さな生き物の一瞬を捉えたような。
熊谷守一さんの伝記ではなく、晩年の一日をモチーフにした、ある一日のお話にしようと思いました。それが、たくさんの長い時間を想像させることになるかもしれないと思ったからです。

モリと秀子のやりとりにクスクス、夫婦愛にほろり、さいごには温かな幸せな気持ちにさせてくれる『モリのいる場所』。完成は秋予定。公開は2018年シネスイッチ銀座ほか全国公開予定。

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『モリのいる場所』
2018年シネスイッチ銀座ほか全国公開
監督・脚本:沖田修一 主演:山﨑努
配給:日活

STORY 自宅の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫など、守一の描く絵のモデルとなる生き物たちが住み着いている。守一は30年以上、じっとその庭の生命たちを眺めるのを日課にしていた。普段、守一は妻の秀子と二人の生活をしているが、毎日のように来客が訪れる。守一を撮ることに情熱を燃やす若い写真家の藤田くん、看板を書いてもらいたい温泉旅館の主人、隣人の佐伯さん夫婦、郵便屋さんや画商や近所の人々、そして、得体の知れない男・・・
今日もまた、モリとモリを愛する人々の、可笑しくて温かな1日が始まる。

(c)2017「モリのいる場所」製作委員会

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