諏訪敦彦監督『ライオンは今夜死ぬ』第65回サン・セバスチャン国際映画祭 ワールドプレミア上映「ヌーベルヴァーグの継承者として、この“奇跡”に参加できて幸福」

ヌーヴェルヴァーグを代表する名優ジャン=ピエール・レオーを主演に迎え、『M/OTHER』『不完全なふたり』の諏訪敦彦監督が『ユキとニナ』から8年ぶりに撮り上げた、仏日合作作品『ライオンは今夜死ぬ』(2018年1月公開)。この度、現在開催中の第65回サン・セバスチャン国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、スペイン現地時間 9月29日(金)16:00(日本時間23:00)、ワールドプレミア上映が行われた。今回の公式上映には、メガホンをとった諏訪敦彦監督、主演のジャン=ピエール・レオー、ポーリーヌ・エチエンヌが参加。上映前のレッドカーペットには、諏訪監督とジャン=ピエールはシックなスーツ姿、ポーリーヌは黒いラメ入りのニットにミニスカートというシンプルで華やかな服装で登場。フランスを代表する名優と、ヨーロッパで圧倒的な評価を受けている日本人監督のコラボレーションということで、世界各国のメディアと各地から訪れた多くの観客が押し寄せ、その声援に笑顔で応えながら会場入りをした。

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約2,000名が収容される会場 Kursaal は超満員。3人は、観客とともにワールドプレミアを鑑賞。場内では何度も笑い声や歓声が起こり、エンドロールが始まるや熱狂的なスタンディングオベーションが会場に響き渡った。観客の熱い反応に対し、ジャン=ピエールとポーリーヌは満面の笑みをこぼし、諏訪監督は何度も手を上げて観客の拍手に応じた。会場を出ると、ロビーには 3人の登場を待ち構えていた大勢の観客からの熱い拍手で送られた。ジャン=ピエールと諏訪監督は、喜びを分かち合うようにしっかりと肩を抱き合いながら歩いていた。

公式記者会見では、諏訪監督が本作について「ジャン=ピエールと、『この映画は死を描きながらも、生きていることは素晴らしいというテーマの映画にしよう』と話をしたことがあります。映画をご覧いただいて感じられるのは“生きる”ということに対する、いきいきとした実感だと思います」と語った。そしてジャン=ピエールは今回のコラボレーションに対し、「ヌーベルヴァーグの継承者として尊敬する諏訪監督と、ともに作品を作り上げることができたことが本当に嬉しい。『ライオンは今夜死ぬ』というこの“奇跡”に参加できたことがとても幸福だ」と語った。さらにジャン=ピエールが、劇中で歌っている「ライオンは寝ている」を熱唱し、会場を湧かせる場面も。会見中は、諏訪監督とジャン=ピエールは何度も微笑み合い、今回のコラボレーションに非常に満足している様子が見受けられた。

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国内のみにとどまらず、海外のキャスト・スタッフを起用して精力的に名作を生み出し、カンヌ国際映画祭などフランスをはじめヨーロッパで圧倒的な評価を受けている諏訪敦彦監督。『大人は判ってくれない』で鮮烈なデビューを果たし、フランソワ・トリュフォーをはじめ巨匠たちに愛され、「ヌーヴェルヴァーグの申し子」と呼ばれる名優ジャン=ピエール・レオーと、ワークショップを通じて選ばれた子どもたちが共演する最高のコラボレーションが本作で実現した。

サン・セバスチャン国際映画祭は、ヨーロッパにおいてカンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで、スペインのみならず世界中に拡がるスペイン語圏最大の歴史ある映画祭。現地9月30日までの期間、開催されている。

『ライオンは今夜死ぬ』メイン写真

『ライオンは今夜死ぬ』
2018年1月、YEBISU GARDEN CINEMA ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:諏訪敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオー ポーリーヌ・エチエンヌ イザベル・ヴェンガルテン
配給:ビターズ・エンド

STORY 南仏コート・ダジュール。死を演じられないと悩む、年老いた俳優ジャン。過去に囚われ、かつて愛した女
性ジュリエットの住んでいた古い屋敷を訪ねると、幽霊の姿となってジュリエットが彼の前に現れる。さらに、地元の子どもたちが屋敷に忍び込んできて…子どもたちからの誘いで突然はじまった映画撮影。撮り進めるうちに過去の記憶と向き合い、残された時間、ジャンの心に生きる歓びの明かりがふたたび灯されていく。

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