『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』オリジナル版の魅力が日本版独自のアレンジでパワーアップ!日本映画・ドラマファンも必見の本作の魅力とは?

ワーナー・ブラザース テレビジョン&ホームエンターテイメントは、2017年9月6日より「連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~」のブルーレイ&DVDをリリース、デジタル配信を開始した。

本作はアメリカのCBSで放送され、全シーズンの平均視聴者数が1000万人を超える大ヒットシリーズ「コールドケース」の世界初リメイク作、既にシーズン2の制作も決定している。

日本でのリメイクにあたっては、監督の波多野貴文(「SP」シリーズ)、脚本の瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編/後編』)など日本を代表する本格派スタッフが集結し、オリジナル版の設定を踏襲しながら、独自のアレンジが加えられている。今回オリジナル版「コールドケース」の大ファンである海外ドラマ評論家の池田敏さんに、オリジナル版との共通点や違いを踏まえ、日本版である本作の魅力などを解説して頂いた。

海外ドラマ評論家・池田敏による解説

全米人気サスペンスドラマ「コールドケース」を世界で初めてリメイクした「連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~」。オリジナル版の魅力を活かしながら、日本の一流スタッフが独自のアレンジを施し、期待以上の日米合作が実現した。

リメイク版も、冒頭で過去の殺人事件を紹介し、続いて現在、刑事たちが事件を知る当時の関係者たちに会っていくという毎回の構成はオリジナル版と同じ。回想シーンを多用する一方、現在の関係者が一瞬、過去の容姿に変わるという、オリジナル版名物のノスタルジックな演出も継承した。オリジナル版を製作総指揮したジェリー・ブラッカイマーらしい、ビジュアル重視の姿勢も同様だ。全10話を監督したのはドラマ「SP 警視庁警備部警護課第四係」「BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係」など、アクションやミステリーを得意としてきた波多野貴文。理系出身の高い計算力で、過去と現在という2つの時代をつなげる困難な演出に腕を振るった。

反対にオリジナル版とリメイク版のちがいについて、オリジナル版の各話を原案として同じような事件を描くリメイク版だが、なんと事件が起きる年代をほぼ毎回変えている。1978年のカルトの犯罪を描いたオリジナル版のシーズン2第11話「ゼロ・アワー」が下敷きなのに、リメイク版第1話は1996年の事件を描く。1996年といえば前年にオウム真理教による痛ましい事件があり、このように過去の日本を投影しているのが大いに意欲的だ。カルト以外も、同性愛、人種差別など、現在の日本のTV界が尻込みしそうなモチーフが多いのは、WOWOWの“連続ドラマW”ならではだ。

リメイク版の脚本家陣は、林宏司、吉田康弘、蓬莱竜太、そして最多の計5話を担当した瀬々敬久。瀬々は映画監督として『64-ロクヨン-前編/後編』が記憶に新しいが、1980~90年代には実際の犯罪をモデルにした異色のピンク映画を量産した。本作にふさわしい。撮影監督は映画『シン・ゴジラ』の山田康介。本作では最新の4Kカメラを駆使し、エピソード毎に時代がちがう回想シーンを各話で異なるルックにするという挑戦に成功した。キャストも全員はまり役だが、やはりヒロイン石川百合役の吉田羊に勢いを感じる。問題作という面もある本作を連続ドラマ初主演作に選んだガッツは只者ではない。仲代達矢(第6話)などゲスト出演陣も充実。本作の高いクオリティは日本映画のファンも要注目である。(TEXT:池田敏)

第6話「恋文」場面写真

『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』
ブルーレイ&DVD 好評リリース中、好評デジタル配信中
ブルーレイ コンプリート・ボックス(2枚組)24,000円+税/DVD コンプリート・ボックス(5枚組)19,000円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

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