五十嵐耕平&ダミアン・マニヴェル 共同監督作品『泳ぎすぎた夜』公開決定、ティザービジュアル&特報解禁!

この度、現在開催中の第74 回ヴェネチア国際映画祭に正式出品し、9月5日(火)14時15分(現地時間)よりワールドプレミア上映が予定されている五十嵐耕平、ダミアン・マニヴェル共同監督作品『泳ぎすぎた夜』が、シアター・イメージフォーラムにて2018年春に公開が決定。公開決定に併せて、ティザービジュアルと特報が解禁。加えて、ヴェネチア国際映画祭のディレクター、アルベルト・バルベラ氏にによる本作への推薦コメントも公開された。

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雪で覆われた青森の山々を舞台に、7歳の少年の小さな冒険が始まる。本作は、2014年ロカルノ国際映画祭で出会った国も言葉も異なる二人の若き新鋭監督、ダミアン・マニヴェル(『若き詩人』)と五十嵐耕平(『息を殺して』)が、共に魅せられた美しい原風景のような冬の青森を舞台に、共同監督作品として企画し、青森で生まれ育った人々と限られたスタッフによって作られた作品である。2017年1月中旬から1ヶ月半の間、撮影のほとんどが青森県弘前市で行われた。

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雪で覆われた青森の山々。そんな街で暮らす一人の少年は、学校へ向かう途中にふと道をそれる。そして、いつしか電車に乗り、父親の働いている魚市場へ向かう。自分の書いた絵を父親に届ける為に。手袋を無くしたり、犬に出会ったり…大人にとっては取るに足らない出来事の数々も、当人にとっては新しい発見や驚きの連続だ。そんな少年を等身大の表情と姿で活き活きと演じた古川鳳羅(こがわたから)くんは演技初挑戦。実際に青森県平川市に住む小学二年生であり、劇中で彼を取り巻く家族も、実際の家族が出演している。

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ダミアン・マニヴェルは勿論、静岡生まれの五十嵐耕平にとっても青森は未知の場所。お互いにとって馴染みの無い場所で、7歳の子供を主演に据えた本作。誰もが経験する「子ども」をテーマに、文化、国籍、年代を超えた瑞々しい野心作が誕生した。

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Damien Manivel

第74回ヴェネチア国際映画祭 ディレクター アルベルト・バルベラによる推薦コメント

私はこの小さな映画に恋をしてしまった。
その子供は、信じられないくらいに表現力豊かである。
舞台は冬の日本の北部に位置する小さな町であり、魔法がかった風景、それはもうほとんど幻想的だ。何も起こらない物語 ̶ その子供は、魚市場で働く彼の父親を探すために家を出る。そして見知らぬ街で迷子になる。
それは極めて詩的な、極めて厳密な構成美で描かれた、極めて魅惑的なそぞろ歩きである。この映画は、一見何も物語っていないように見えるが、しかしさてはて、たくさんのことを深く私たちに語りかけてくるのだ。

『泳ぎすぎた夜』
2018年春 シアター・イメージフォーラムほかにて公開、以降全国順次
監督:五十嵐耕平 ダミアン・マニヴェル
出演:古川鳳羅 (こがわ たから) 古川蛍姫 (こがわ けいき) 古川知里(こがわ ちさと) 古川孝(こがわ たかし) 工藤雄志(くどう ゆうし) はな(犬)
フランス配給・海外セールス : Shellac / シェラック

STORY 雪で覆われた青森の山々。毎晩、魚屋の父は街の市場に出かけてゆく。父の出がけに目を覚ました6歳の息子は、そのあと眠ることが出来ない。皆が寝静まる家の中、少年は絵を描き、それをランドセルにしまう。翌朝、彼は眠い目をこすりながら学校へと登校するのだが、いつしか道をそれて、雪の中をよろめきながら街を目指す。少年の小さな冒険が始まる。

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