リブート版『ヘルボーイ』、エド・スクレインがベン・デミオ役を降板!日系アメリカ人キャラへの白人起用に批判が殺到したことを受けて

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Entertainment Weekly

リブート版『ヘルボーイ』でベン・デミオ役を演じることが決定していたエド・スクレインが作品から降板することを発表した。オリジナルのコミックシリーズでは、ベン・デミオは日系アメリカ人のキャラクターとして描かれ、この役にスクレインがキャスティングされたことで波紋を呼んでいた。Entertainment Weeklyが伝えている。

スクレインは自身のツイッターで、「先週、『ヘルボーイ』のリブート作品で私がベン・デミオを演じるという発表がありました。私はこの役を承諾しましたが、オリジナルのコミックではこのキャラクターがアジア系であるということを理解していませんでした。出演決定の発表後、激しく議論され、混乱があったのは当然のことです。ですから、私は自分が正しいと思う選択をするべきだと思っています」と説明した。

「このキャラクターを文化に考慮して正確に描くことがみなさんにとって意味があるということや、今回の非難を軽視することで、芸術の分野でエスニック・マイノリティを描いたストーリーやその立場にある人々の意見が目立たなくなるという懸念すべき傾向を続けてしまうことは明らかです。私はこのことを尊重することが重要だと思っています。そのため、私は降板することを決意し、この役は適切にキャスティングされることになります」とスクレインは続けてコメントした。

さらに、スクレインは「多様な人種を描写することは重要です。多くの人種が混合した家族を持つ私は特にそう思います。社会的な間違いが指摘されている時期に、道徳的な判断を下すことや、多様な人種の積極的な起用を表明することが私たちの責任です。いつか、そのような論争をする必要がなくなり、芸術の分野で(人々や彼らの文化が)平等に描かれるようになることが私の希望です。『ヘルボーイ』を降板することは残念ですが、その実現に近づくのであれば、この決定には価値があります。多様性が生まれることを期待しています」と述べた。

このスクレインの投稿に、『ヘルボーイ』の作者であるマイク・ミニョーラは、「ありがとう、エド。とても立派な決断だ」とツイートした。

『ヘルボーイ』の製作を手掛けるローレンス・ゴードン、ロイド・レヴィン、製作会社のライオンズゲートとミレニアム・フィルムズは声明を出し、「エドは私たちのもとを訪れ、このこと(役からの降板)をとても強く希望していました。私たちは彼が自ら下したこの決意を全力で支持し、原作のキャラクターによりふさわしい俳優の起用を再検討します」と述べた。

リブート版『ヘルボーイ』は、過去12か月間で、白人以外のキャラクターに白人俳優がキャスティングされる“ホワイト・ウォッシング”についての議論が最も過熱した作品であるが、最近ではマーベル映画『ドクター・ストレンジ』に登場するアジア系のエンシェント・ワン役にティルダ・スウィントンがキャスティングされたことが非難されていた。また、中国の万里の長城を舞台にした映画『グレートウォール』の主演にマット・デイモンを配役したことや、『ゴースト・イン・ザ・シェル』でオリジナルでは日本人キャラクターである草薙素子役にスカーレット・ヨハンソンがキャスティングされたことも批判されていた。

今回、『ヘルボーイ』を降板したスクレインは、ライアン・レイノルズ主演のマーベル映画『デッドプール2』でヴィラン(悪役)を演じる予定だ。