UAと村上虹郎 母子が“共通の友人”のデビュー作を大絶賛!「『ブランカとギター弾き』は家族で観たい、時代を越えた映画」

日本人として初めてヴェネツィア・ビエンナーレ&ヴェネツィア国際映画祭の全額出資を得た長谷井宏紀(ハセイコウキ)監督がフィリピンを舞台に撮影し、世界中の映画祭で高い評価を得た話題作であり長編デビュー作の『ブランカとギター弾き』が、シネスイッチ銀座ほかにて全国順次大好評ロードショー中。本作の大ヒットを記念し、長谷井宏紀監督と長年にわたり交友のある歌手のUA、そしてその長男であり俳優の村上虹郎が<親子>で登壇する豪華トークイベントが、8月7日にシネスイッチ銀座で開催された。

UA&村上虹郎『ブランカとギター弾き』イベントオフィシャル写真_軽

荒天にも関わらず多くの観客でにぎわった場内は、歌手のUA、彼女の長男であり現在大人気の俳優・村上虹郎、そして二人の友人であり『ブランカとギター弾き』監督の長谷井宏紀が現れると大きな拍手で包まれた。

公開に先駆けて『ブランカとギター弾き』を観たUAと村上は、親子で色々と本作について語り合ったと言う。感想を尋ねられると、UAは「最近は子供と一緒に観られないような映画に対してアンチになっていた」と、4人の子の母親で ある彼女らしい視点から話を始めた。「“何でそこで殺すねん”、“何でそこでエロいねん”、って思ってしまう、そういう映画が多い。だから、『ブランカとギター弾き』みたいな映画に大賛成。時代を越えているね」と絶賛した。さらに、「今時の映画はたくさんあるけど、私は本当の名作に出会いたい。『ブランカとギター弾き』には、(長谷井監督が)今後名作を生むことができるっていう可能性を感じた」と、本作が長編デビュー作である長谷井に確かな才能を見出したことを告白した。

また、海外生活を送るゆえに飛行機に乗ることが多いというUAは「機内で色んな映画が観られるけど、もうすぐ2歳になる末っ子や、その上にいる5歳や8歳の子を連れていると、見せたくないようなシーンが乗客の席の画面に映っている。これってどうなんだろう?っていつも思っていた」と、日ごろ感じていたわだかまりを吐露。「そういう意味で、 『ブランカとギター弾き』は家族と一緒に、皆で安心して観られる」と語った。UAの感想を大きくうなずきながら聞いていた長谷井が、「これまでにもらった映画の感想で特に嬉しかったのは、この映画には悪い人は出てくるけど、絶対的な悪じゃない、っていう感想だった」と伝えると、UAも「そうだよね。根源的な悪は、この星には存在しないはず」 と、希望にあふれた世界の見方を明かした。

メイン軽

続けて海外での生活について話が広がると、高校時代にカナダのモントリオールに留学していた村上は「今は母と仲良くしているけど、カナダ留学を決めた頃は、自分の家に帰りたくない、別々に暮らしたいという気持ちがあった」と思春期に抱いた母への反抗心について語った。「ただ、カナダに行ってから、実は僕はそんなに英語が上手くならなかった。英語を勉強するにも、英語によって何を学ぶのかとか、何がしたいのか、誰と話したいのかとか、そういうことがしっかり固まってないとなかなか伸びない。カナダにいた時は、日本の映画やアニメを一番たくさん観ていた時期でもあるんだよね、部屋に引きこもって。母がいるところで言うことじゃないけど(笑)」と話した。

長年にわたり交流を続けているUAと長谷井。村上のことも、長谷井は彼がまだ幼い頃から知っており、最初の出会いがいつだったかという話になるとUAが「この子はまだ小さかった。(長谷井監督は)どういうわけか、顔中にフェイス ペインティングをしていた」と振り返った。しかしそれを全く覚えていない様子の息子・村上に「この人は幼少の記憶がほとんどないの。今を生きる男なんだね!」と言って会場の笑いを誘った。長い付き合いによるものか、三人の話にはゆったりとした和やかな空気が流れ、最後に長谷井が「いつか一緒に映画をやってみたいね。(UAと村上がかつて暮らしていた)沖縄の映画もちょっと考えているよ」と村上に声をかけると、「沖縄顔ですよ、僕!」と村上はやる気満々の姿勢を見せた。そしてUAも「沖縄の映画、楽しみにしてるよ!」と言葉をかけ、長谷井監督の次なる新作に場内の誰もが期待を膨らませるなか、トークは幕を閉じた。

『ブランカとギター弾き』
7月29日(土)よりシネスイッチ銀座他にて全国順次公開
監督・脚本:長谷井宏紀 
出演:サイデル・ガブテロ ピーター・ミラリ ジョマル・ビスヨ レイモンド・カマチョ
配給:トランスフォーマー

STORY “お母さんをお金で買う”ことを思いついた孤児の少女ブランカは、ある日、盲目のギター弾きピーターと出会う。ブランカはピーターから、得意な歌でお金を稼ぐことを教わり、二人はレストランで歌う仕事を得る。ブランカの計画は順調に運ぶように見えたが、一方で、彼女の身には思いもよらぬ危険が迫っていた…。

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