ゾンビ映画の祖、ジョージ・A・ロメロ監督の死去に多くの著名人が追悼コメント:ジェームズ・ガン、エドガー・ライト、スティーブン・キングら

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Entertainment Weekly

映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(1968)や『死霊のえじき』(1985)などのゾンビ映画の巨匠として知られるジョージ・A・ロメロが肺がんで死去し、多くの著名人がSNSにコメントしている。

ロメロのマネージャーは声明において、ロメロは友人や家族、“これまで、そしてこれからも長く人々の記憶にとどまる、映画製作における遺産”を残したと述べている。SNSでは、ロメロに敬意を表した著名人による多くのコメントが投稿されている。

マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督として知られるジェームズ・ガンは、ロメロ監督の映画『ゾンビ』(1978)のリメイクにあたるホラー映画『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)で脚本を務めており、「ジョージ・ロメロのご冥福をお祈りします。あなたがいたから、僕は映画を作ることができて、モンスターの意義を見出せた。ありがとう。愛しているよ」とツイッターにコメントした。さらに、ガンはフェイスブック(ページ下部参照)において、子どもの頃に『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』を観たことを振り返っている。

俳優としても活躍し、『ホステル』(2005)などのホラー映画の監督として知られるイーライ・ロスは、「ジョージ・ロメロのニュースをたった今聞いたよ。彼からは計り知れないほどの影響を受けて、たくさん撮影方法を参考にした。彼の家族にお悔みを申し上げます」とツイッターにコメント。さらに、この投稿の数分後には「50年前、ロメロは人種差別に直面するジャンルに取り組んだ。彼はいつも、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』の大スターであるデュアン・ジョーンズといった多様なキャストを揃えていた」と投稿し、「あまり馴染みがないものを思い切って映画に登場させていた。彼は時代に先駆けていたと同時に、当時の映画に求められているものも正確に作り上げていたんだ」と述べている。

『死霊のえじき』で特殊メイクアーティストとして参加し、TVドラマ『ウォーキング・デッド』の監督も務めたグレゴリー・ニコテロは自身のインスタグラムで、「悲しい知らせがどんどん押し寄せてくる。友人であり、師匠であり、自分に刺激を与えてくれたこの人について、言うべきことはたくさんある。情熱と輝きを持って僕らに伝えてくれたものとして、彼の不屈の精神は永遠に生きるだろう。4月にピッツバーグで、彼にこの賞を贈ることができて光栄だった。ここは全てが始まった場所だったんだ!!!! 彼と彼の家族に対する愛は終わることはない」とコメントした。

以下は主な映画人からの追悼メッセージ。

ジョス・ウェドン
『アベンジャーズ』(2012)や『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)、『ジャスティス・リーグ』(2017)の監督、脚本を担当。

「ロメロのようにゾンビのメタファーを利用できる人は誰もいなかった。(後に彼は創案した。)誰も及ぶことはなかった。ご冥福をお祈りします。ありがとう、素晴らしい映画アーティスト。」

スティーブン・キング
ロメロが監督した映画『クリープショー』(1982)の脚本を担当し、『ダーク・ハーフ』(1993)の原作を執筆。

「大好きな共同制作者であり、良き友人であるジョージ・ロメロが亡くなったと知って悲しい。ジョージ、君のような人はもう現れないよ。」

エドガー・ライト
ゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)を監督し、ロメロが監督した『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005)に出演。

「ジョージ・A・ロメロと彼の死、そして彼が僕に与えてくれた影響について、一つのツイートでは言い表すことはできない。だから、ここに書いたよ。」
www.edgarwrighthere.com/2017/07/17/remembering-george-romero/

「僕とサイモン・ペッグは、ロメロがいなかったら映画業界で同じキャリアを積むことはできなかった。」

「投稿で書いたように、ロメロの映画でゾンビになったのは刺激的な体験だった。ポスターも作ったんだ。僕は左にいるよ。」

ザック・スナイダー
『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)の監督を務め、『バッドマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)の監督として知られる。

「世界は巨匠を失ってしまった。刺激を与えてくれてありがとう。あなたとその作品は僕の人生を変えた。寂しくなるよ。」

ギレルモ・デル・トロ
『ヘルボーイ』(2004)や『パシフィック・リム』(2013)の監督として知られ、『永遠のこどもたち』(2007)や『MAMA』(2013)などの製作総指揮を務める。

「ロメロが亡くなった。今は言葉を見つけるのが難しい。この死はとてつもなく大きい。」

アーシア・アルジェント
ホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェントの娘。『ランド・オブ・ザ・デッド』に出演。

「さようなら、偉大な人。こんなふうにあなたを思い出したい。」

マシュー・グレイ・ギュブラー
TVドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』にレギュラー出演している俳優。

「ある子どもはマイケル・ジョーダンのポスターを持っていたし、イエローのフェラーリのポスターを持っていた子どももいた。僕は2枚のオフィス用紙にプリントして1枚にしたジョージ・ロメロのポスターを持っていた。」

ジェームズ・ガン

「ジョージ・ロメロが亡くなったと知ったばかりだ。
子どもの頃、『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』を観て、生き地獄に対して恐怖を感じ、不気味な子どもたちに飛びつくようになっただけではなく、信じられないことに自分でもやってみようと思ったんだ。僕は、映画は単に何百万ドルを手にしているエリート層が作っているものではなくて、純粋に映画が大好きなアメリカに住む人たちが作っているものだとわかった。僕のようにミズーリ州に住んでいた人や、あなたのようにペンシルベニア州に住んでいた人、いろんな場所にいた人によってね。僕は8ミリカメラを持って、コーンシロップと赤の着色料を混ぜて血を作り、映画を撮った。厳密に言えば、僕の兄弟のうちの一人に別の兄弟を食べさせたんだ、生きたままでね。僕は11歳だった。これが僕の映画製作のキャリアにおいて初めての試みだった。あなたがそのきっかけだったんだ。
『ゾンビ』では、映画の中で社会的な主張が描かれていることを知ることができた。高校時代、その映画のポスターをずっと壁に飾っていた。その一つの理由としては、そのリメイクとなる脚本(『ドーン・オブ・ザ・デッド』)を書いたからだ。『死霊のえじき』は、映画の中で複雑な世界で描かれるエモーショナルな内面と外面に深く入り込んでいくことができた。とても過小評価されている作品だけど、今でも具体的なハイ・コンセプトの基準となっている。
『ダーク・ハーフ』はスティーブン・キング原作の最も優れた作品の一つだし、僕はいつも心の中で『モンキー・シャイン』について思っている。1988年に兄弟と僕で『ブロブ/宇宙からの不明物体』を観に行って、そのままトイレに隠れて『モンキー・シャイン』を上映する劇場に忍び込んだ(無料で観てごめん)。トイレに隠れているとき、ある男性が個室ですさまじい下痢をしたんだ。僕と兄弟はその臭いのせいで最悪な状況だったんだけど、僕らを知る支配人が出口のすぐ近くにいたから、僕らはトイレから出ることができなかった。でも、『モンキー・シャイン』を観たことは運命づけられていたのだと思う。僕らは映画を何度も観たし、大好きだった。
僕のお気に入りのロメロ映画は『マーティン/呪われた吸血少年』だ。低予算だけど、悲しみ、恐怖を感じられるし、感動的だ。
ありがとう、ジョージ。本当に長い間、様々な形で僕の人生の一部だった。ご冥福をお祈りします。」