ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督の最新作『地獄愛』の本編映像が一部解禁された。本作は『変態村』で世界を騒然とさせた同監督の最新作で、女の嫉妬が渦巻く共感必至のラブストーリー。『ハネムーン・キラーズ』の題材にもなった殺人鬼カップルをモデルに、嫉妬ゆえの殺人に至るまで2人が深く愛し合う姿をエモーショナルに描いている。

この度公開された本編映像では、ポスタービジュアルで二人が血を浴びながら抱きしめ合っているシーンの真相が明らかになっている。ミシェルの結婚詐欺に協力することで共に生きる時間を手に入れたグロリア。しかしそんな幸せを噛み締めているグロリアに対し、ミシェルは自分の性欲をグロリア一人だけでは抑えられない。ある夜、ミシェルはグロリアが寝たことを確認し、ターゲットとなった女の部屋へ入っていく。寝たふりをしていたグロリアが潤んだ瞳で二人のいる部屋を覗き込むと、ミシェルが他の女に手を出している場面を目撃する。その瞬間、嫉妬心を抑えられなくなったグロリアは、ミシェルの裏切りに傷つくか弱き乙女から一変、爆発寸前の鬼の形相で部屋へ突撃し、ミシェルを突き飛ばした後に這いつくばって逃げる女を後ろから容赦なく殴り続ける。グロリアの暴走に怯え、ただ頭を抱えうずくまることしか出来ずにいるミシェルを、最後には責めることなくそっと優しく抱きしめるという衝撃的なシーンとなっている。

グロリア以外の女に手を出さないと約束しても、それを簡単に裏切ってしまうミシェル。嫉妬心が生まれた瞬間、すぐにターゲットの女を殺してしまうグロリア。一度だけでなく何度も同じことを繰り返す二人について、ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督は「欲に忠実で、道徳観のない子ども」と説明し、「二人の性的要素は歪んでいて、それが原因で社会から孤立していく。それをリアルに描きたかった」と本作の製作動機を明かしている。

『地獄愛』
2017年7月1日（土）より新宿武蔵野館他全国順次公開
監督：ファブリス・ドゥ・ヴェルツ
出演：ロラ・ドゥエニャス　ローラン・リュカ　エレーナ・ノゲラ
配給：アンプラグド

STORY　シングルマザーのグロリアは、出会い系サイトを通じてミシェルという男に出会う。ミシェルは寂しい女性を夢中にさせ、女性の性的欲求を満たすことで生計を立てる結婚詐欺師であった。グロリアはミシェルに出会った途端深い恋に落ち、ミシェルが結婚詐欺師だと知ってもその恋は冷めることはなく、娘を放棄するほどミシェルを付け回し、二度と自分から離れないように強要する。最初はそんなグロリアを恐れていたミシェルも、いつしかその異常な愛を心地よく感じ、兄弟と偽り共に結婚詐欺をする道を選ぶ。しかしそんな二人の歪んだ愛は、やがて未亡人を次々と殺す狂気へと変わっていく―――。

© Panique / Radar Films / Savage Film / Versus Production / One Eyed – 2014