『パーソナル・ショッパー』イベントに日本の“パーソナル・ショッパー”高田空人衣が登壇「困ったセレブはいます」

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2016年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した、クリステン・スチュワート主演の映画『パーソナル・ショッパー』が5月12日(金)に公開される。本作の公開を記念して、パーソナル・ショッパー、スタイリスト、ファッションコーディネーター、ファッションプロデューサーなど数々の肩書を持つ高田空人衣(たかだくにえ)をゲストに迎えた公開記念トークショーが4月26日に開催された。

映画は、パリでセレブに代わってファッションやアクセサリーを買い付ける“パーソナル・ショッパー”として働くモウリーン(クリステン・スチュワート)が、セレブのプライベートを覗くうちに“今の自分よりも恵まれた別人になってみたい”という欲望に飲みこまれ、やがて事件を巻き起こす様を描く心理サスペンス。現在、シャネルの広告にも登場しているクリステンが、特別協力を行っているシャネルのラグジュアリーなドレスを身に着けているほか、カルティエやクリスチャン・ルブタンなど女性垂涎のハイファッションが続々と登場し、彩りを添えている。

イベントに登場した高田空人衣はスタイリストとして培った知識を活かしクライアントのコーディネイトを行っているほか、多くの媒体で着こなし、スタイリング提案、ファッショントレンドの解説をトーク、ライティング両方で行っている。日本ではまだまだメジャーでない“パーソナル・ショッパー”という職業だが、海外では「ファッションはプロにお任せ」という意識が強いため、日本在住の外国人からの依頼が多いという。高田は「映画に出てきた“パーソナル・ショッパー”はコーディネイトを考え、買い物を代行する職業。“パーソナル・スタイリスト”は顧客の買い物に同行してコーディネイトすることが多い」と解説。また、サービスの利用者について、「同窓会に参加するので、誰よりも一番キレイに見えるようにしてほしい!」といった要望も多くあるようで、必ずしもセレブリティだけでなく、年代も20~60代まで男性女性問わず、幅広く需要があることが明かされると、会場に集まった女性たちも興味深そうに聞き入った。

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ヒロインであるモウリーンの、パーソナル・ショッパーとしての適性については、「クライアントの“本当の好み”を知り尽くす彼女にはとても向いている職業だと思う。相手の感情や精神状態、変化していく好みを敏感に察知し、もしこれが気に入らなかったら、こっちも用意しておこうという先読みの行動ができている。嗜好を枠にはめないところに適性を感じました」と太鼓判。映画の中では、モウリーンが“顧客の服を試着してはいけない”という約束を破ってしまうシーンがあることに触れ、「顧客との信頼関係の上に成り立つ仕事だから、決め事がとても重要」としたうえで、実際には、より良い商品を選ぶために、依頼人と体型に似ていれば自ら試着したり、店員さんに着てもらって見極めることもあると話した。

仕事をする中で“大変だった”ことを問われ、「買い物同行の予約を何度もドタキャンされる」「プレミア商品の待ち列に並ぶよう指示される」「商品を購入したのに受け取りを拒否される」など、個人に寄り添って商品を選ぶ職業ならではの苦労も。映画でも、レンタル条件の洋服なのに気に入ってしまった商品を返してくれないというエピソードが出てくるため、高田も思わず「身につまされました。困ったセレブはいます」と苦笑い。

最後に、「ファッションの観点からも素敵な衣装が多く、目が離せません。ルブタンの靴や豪華なジュエリーなど、普段店頭では見られない商品が惜しみなく登場します。私も思わず“あれはどこのブランドのものなんだろう”と思いながら釘付けになりました」と絶賛。さらに、「ファッションというキラキラした世界を描くだけでなく心の“暗部”も描き出されていく所。買い物ってとてもデリケートでともすると物欲だったり、嫉妬だったりという感情も生み出してしまうもの。“自分より恵まれた誰かになりたい”というヒロインの願望がじわりと照らし出されていくところが、かつてなかったファッション作品だと思う」と見どころを語り、作品をPRした。

映画『パーソナル・ショッパー』は、5月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー。

『パーソナル・ショッパー』
5月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
監督:オリヴィエ・アサイヤス 出演:クリステン・スチュワート ラース・アイディンガ― シグリッド・ブアジズ
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES

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