松山ケンイチ「“引き算”を意識して役に臨んだ。実在の人物になることに“自分”は要らない」『聖の青春』が第19回ウディネ・ファーイースト映画祭へ!

100年に1人と言われる天才・羽生善治と「東の羽生、西の村山」と並び称されながら、29歳にして亡くなった実在の棋士・村山聖(むらやまさとし)。病と闘いながら将棋に全人生を懸け、全力で駆け抜けた“怪童”の一生を、師弟愛、家族愛、ライバルたちとの友情を通して描く、奇跡の実話を元にした感動作『聖の青春』。本作が、世界各国での映画祭に続々出品。アジア、アメリカでの上映を終え、この度ヨーロッパへ上陸した。先日4月21日よりスタートした、第19回ウディネ・ファーイースト映画祭には、名誉あるコンペティション部門に出品。日本から本作の主演・松山ケンイチと森義隆監督が出席した。

Udine, 13-04-2017 - Teatro Palamostre - We Play The Beatles for DermApp - Giovanni Maria Delogu (chitarra, piano e voce), Maurizio Fasano (batteria), Pier Francesco Fusaroli (chitarra, piano, tastiera e voce) - Foto © 2017 Alice BL Durigatto
Udine, 13-04-2017 – Teatro Palamostre – We Play The Beatles for DermApp – Giovanni Maria Delogu (chitarra, piano e voce), Maurizio Fasano (batteria), Pier Francesco Fusaroli (chitarra, piano, tastiera e voce) – Foto © 2017 Alice BL Durigatto

4月21日(金)、イタリア・ウディネの劇場「新ジョヴァンニ劇場」で、第19回ウディネ・ファーイースト映画祭のオープニングセレモニーが開催された。ウディネ・ファーイースト映画祭は今年で19回目。中国、韓国、日本、カンボジア、タイなど、極東アジアの気鋭の監督、俳優、プロデューサーなどが多数参加し、全ヨーロッパから多くのメディアが注目する、ヨーロッパ最大のアジア映画祭。『聖の青春』はコンペティション部門に選抜され、主演の松山ケンイチと森義隆監督が現地入りした。

オープニングイベントは4月21日現地時間20時よりサブリナ・バラチェッティ映画祭実行委員長が、ゲスト一人ひとりを紹介。終盤サブリナがいよいよ「松山ケンイチ」の名前を呼びかけると、一際大きな歓声と拍手で松山を歓迎。フォーマルに身を包んだ松山は立ち上がり、笑顔で喝采に応じた。

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4月22日(土)、現地時間22日19時45分より、いよいよ『聖の青春』公式上映。1200席の新ジョヴァンニ劇場は超満員の盛況ぶり。上映前、サブリナ委員長のホストにより、森監督、松山ケンイチの二人が舞台へ登壇。森監督はイタリア語で「ウディネは街もスタッフも観客も本当に素晴らしい。この映画祭はきっと一生忘れない体験になると思います。みんなが映画を気に入ってくれたらだけどね」とジョークを交え観客を沸かせた。また松山もイタリア語で「松山ケンイチです。お招きいただきありがとうございます」と謝辞。委員長は舞台上で松山の大幅な体重増量ほか、壮絶な役作りに言及。「『レイジング・ブル』のロバート・デニーロのよう」と松山を讃えた。舞台挨拶は松山が英語で「『聖の青春』を楽しんでいただけたらうれしいです」と締めくくった。

舞台挨拶後、会場は大きな大絶賛、観客席で観ていた森監督、松山ケンイチへ大きな拍手が贈られ、大成功。ロビーではサインや写真撮影を求めるファンが絶えなかった。

4月23日(日)、ヨーロッパ内外のプレスが約20媒体集まり、森義隆監督、松山ケンイチによる『聖の青春』トークセッションが行われた。10年に及ぶ期間を経て渾身の映画化に至った本作に、記者たちは興味津々。森監督は「最初は将棋という題材がとても難しく、大変苦労した。しかし、日本で、インターネット将棋など、将棋の人気がだんだんと高まってきて、やっと動きだした。時を同じくして、松山君がこの役に名乗り出てくれた時に、今だと思った」と製作の背景を紹介。
また過去に、ウディネ・ファーイースト映画祭で主演作が上映され(当時は松山の登壇なし)、イタリアでも大ヒットした過去作で人気・知名度ともに高い松山ケンイチ。記者からの「本作『聖の青春』はこれまでの作品と比べて、ナチュラルな演出や演技が印象的だったが、どういう意識だったのか」という質問に対し、森監督は「30歳の松山ケンイチそのものを撮りたかった」とコメント。松山からは「これまでの自分の演技は、漫画原作などに多く出演してきたこともあり“足し算”だった。今回は“引き算”を意識して役に臨んだ。実在の人物になることに“自分”は要らないと思った。引き算によって得られるものは大きかったと思う」と答えた。

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<「聖の青春」映画祭出品状況>
◆2016年10月 東京国際映画祭
◆11月 台北金馬映画祭
◆2017年2月 タイ国日本映画祭
◆3月 ワシントンCine Matsuri
◆4月 香港国際映画祭(I see it my way部門)
◆4月 北京国際映画祭
◆4月 イタリア ウディネ・ファーイースト映画祭(コンペティション部門)
◆5月 フランクフルトNippon Connection
◆6月 上海国際映画祭(パノラマ部門)
◆6月 トロント日本映画祭
◆7月 ニューヨーク JAPAN CUTS

『聖の青春』
4月28日(金)ブルーレイ&DVD発売
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発売・販売:KADOKAWA
© 2016「聖の青春」製作委員会