【来日】『美女と野獣』巨匠アラン・メンケンの前で昆夏美&山崎育三郎が生歌披露!&メンケンも弾き語り

全世界で700億円を超える興行収入をたたき出し、現在2017年No.1ヒットとなっている実写版『美女と野獣』。4月21日(土)の日本公開を記念して、監督のビル・コンドンと数々の名曲を生み出した名作曲家のアラン・メンケンが来日。プレミアム版吹替版でベルの声を演じる昆夏美と野獣役の山崎育三郎らとともに会見を行ない、パフォーマンスも披露した。

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まず監督は「実写版『美女と野獣』をお見せすることができるのをワクワクしています。『ドリームガールズ』では、アメリカの次に多く反響を得たのが日本ということもあって、この映画が公開されることをとても嬉しく思っています」と挨拶。2016年の12月に劇団四季のミュージカル「ノートルダムの鐘」の公演のために来日したばかりだったメンケンは「またこうして日本に来ることができて嬉しい。特に『美女と野獣』をこうしてみなさんに触れていただけることにワクワクしています。心から誇りに思っている作品で、みなさんが大好きだった『美女と野獣』を楽しんでもらえると思うし、さらに新しい要素も加わっているので、早くみなさんに見ていただきたいです」と自身にとっても特別な本作が、日本公開される喜びを語った。

不朽の名作を実写化するにあたりこだわったことについて監督は「子供向けに作られた作品かもしれないが、大人だった自分が見ても楽しめたし、年齢問わず世界中で愛されている完璧な作品。なぜまたこれを実写化するのか? 何が見せられるのか?を考えましたが、完璧な映画なので修復するところはまったくありません。ただイメージを壊さないように、アニメーションとは異なる実写という手法で新たに翻訳しました。そのなかでキャラクターについて、心理描写やバックストーリー、今の状況に説得力を持たせるような、真実味を持たせたいと思いながら新しいシーンを加えました」

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▲アカデミー賞を受賞したミュージカル『シカゴ』(’02)では脚本を担当。『ドリームガールズ』(’06)では監督を務め、ミュージカル作品と縁の深いビル・コンドン。

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▲水の代わりに「マティーニを」とジョークを飛ばし、司会者から「まだお昼です」とたしなめられるお茶目なメンケン。『リトル・マーメイド』(’89)、『アラジン』(’92)など主にディズニー・アニメーションの作曲を手掛けてきた。

世代を超えて伝わる名曲の数々をつくり上げたメンケンはアニメーション版を作った当時について「『リトル・マーメイド』を製作中にアニメーション版の『美女と野獣』の話が来ました。当時組んでいた作曲家のハワード・アシュマンはそのときすでに病を抱えていて(アシュマンは『美女と野獣』の公開を待たず1991年3月にエイズで死去)、余命がわずかななか『美女と野獣』の曲を作り上げていったんです。たしか最初に作った曲は『朝の風景』と『ひとりぼっちの晩餐会』だった思いますが、特に『朝の風景』は6分半もあって、オープニングナンバーなのでこんなに長いものを送っていいものかハワードは迷っていましたが、送ったら評判になりました。私にとって本作は特別でとてもエモーショナルな体験でした」とかつての盟友との思い出を振り返った。

実写版では、“ハリポタ”シリーズのエマ・ワトソンが主人公のベルを演じている。監督は「アニメーション版のベルは、公開当時、ディズニー作品のヒロインとして新境地を開拓したキャラクター。25年経った今、ベル自身も前進しなければいけないと思いました。実写版では、洗濯機を開発するなど活動家的な要素を持っています。エマ自身が21世紀の強い女性像を体現しているので実際の彼女と重なりますね」と絶賛。メンケンはミュージカル初挑戦となったエマについて、「キャスティングを聞いてパーフェクト!と思いました。エマは歌に関して少しナーバスになっていたましが、私は緊張してはいけないと少し距離を取って、私の音楽チームのボイストレーナーでもある歌曲アレンジ&指揮のマイケル・コザリンや、音楽プロデューサーのマット・サリヴァン、もちろん監督とともに、歌を特訓していました。本当に素晴らしかったです」と賛辞を贈った。

またアニメーション版の名シーン、ボールルームでのダンスシーンについては、「アニメーション版、舞台版、実写版と3回目ですが、今回はサリヴァンやダンスの指導サム・デイヴィスら音楽チームと一緒に作っていきました。今回はダンスを担当していたアンソニー・ヴァン・ラーストのアイデアでワルツを取り入れています」とメンケン。監督は「真似ではなく実写版ならではのシーンにしたかった。ワルツを取り入れたし、広間の空間、感情を映し撮るような、そして2人別世界に天に上るようなシーンになっています」とこだわりを語った。

ここでプレミアム吹替版のキャストの昆夏美と山崎育三郎がメインテーマの歌唱パフォーマンスを披露。

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▲監督は2人のパフォーマンスを動画撮影。

続けて、アラン・メンケンが「朝の風景」「ひとりぼっちの晩餐会」「強いぞ、ガストン」「美女と野獣」「時は永遠に」「ひそかな夢」といった『美女と野獣』の名曲のスペシャルメドレーでピアノで弾き語り!
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▲サービス精神旺盛で、ときには声色を変え生き生きと歌い上げる77歳のメンケンの歌声は、まだまだパワフル!

2人を前に昆は「ここ最近で一番緊張しましたが、2人の顔を見た瞬間に楽しみに変わりましたた。この名曲を作った方の生演奏を聞くことができたことが本当に嬉しくて涙が出ました」と感激しきり。

一方の山崎も「普段はあまり緊張しませんが今日は緊張しました。ディズニー・アニメーションとの出会いは『アラジン』で、「ホール・ニュー・ワールド」を何度も繰り返し聞きました。ミュージカル俳優になりたいと思ったきっかけのひとつとなった作品でもあるので、子供の頃を思い出しましたし、僕にとってはモーツァルトが目の前で演奏しているくらいの気持ちです」と感想を述べると、監督は「日本版の『美女と野獣』を考えないと!」、メンケンも「素晴らしくて心が動かされました。でも僕のことを脅威に感じてるのかな?」と2人のパフォーマンスを称えた。

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最後にそれぞれが作品をPR。昆は「野獣とベル、ベルとお父さん、屋敷のみんなの愛、たくさんの愛が詰まっている作品です。大切な方と一緒に見ていただきたいです」続けて山崎は「実写版を遥かに超えた実写版。これまで語られることのなかった野獣の幼少期などキャラクターの深い部分が描かれています。女性やお子さんはもちろん、男性が見ても100%満足できる作品だと思います!」と力強く語ると、メンケンは「実写版は、私の大きな期待を遥かに超える素晴らしい作品に仕上がっています。また新しい命を持ったことが本当に嬉しです」、そして、監督は「今朝取材で、ディズニーのファンが訪れるサイトの方から『美女と野獣』がディズニー・アニメーションのなかで最も人気がある作品だと聞きました。オリジナルであるアニメーション版の要素に新たなエッセンスを加えた本作を楽しんでもらえたら嬉しいです」と締めくくった。

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▲ロンドン・プレミアでエマに会ったという2人。「私たちの目を見て“日本版の声を担当してくれてありがとう”と言うエマはまさにベルにぴったり」と昆。山崎は「とっても美しかった。“日本版の成功を楽しみにしています”とパワーをもらった」

▼実際に撮影に使われたベルの衣装。
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衣装やセットについて監督は「舞台は原作に合わせて18世紀初期のフランスに設定し、プロダクション・デザイナーのサラ・グリーンウッドや衣装のジャクリーヌ・デュランと時代とストーリーに合うものを考えて、使用人や燭台やティーポッドもその設定に当てはめていきました。本作の象徴的な黄色いドレスは、マダム・ド・ガルドローブと犬のチップが手伝った手作りでお城の魔法で金粉が施されている設定。プリンセスのためではなく、ベルのためのドレスで、かつエマ・ワトソンがドレスに着られないようなものにした」と解説。
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▼ユニクロのTシャツやランチパックなど関連グッズも多数発売予定。ひときわ目立っていたのは羽根布団。お値段15万円!

『美女と野獣』
4月21日(金)公開
ウォルト・ディズニー・ジャパン配給
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